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ベトナムの水族館のカクレクマノミの水槽が異次元すぎる

若かりし頃、20年ほど前でしょうか、スキューバダイビングにのめり込んだ時期がありまして、週末になるとよく潜っておりました。1年半で300本ですからなかなかのハイペースだったと思います。20代後半の短い期間ではありましたが、海の中の神秘的な世界を知ることでそれまで以上に地球に対して畏敬の念を抱くようになりました。
もともと魚好きの私は水族館めぐりも大好きで、旅先で水族館があると出来る限り足を運びます。つい先日も大分県別府市へ行った際、大分マリーンパレス水族館「うみたまご」に立ち寄りました。ここはいつ訪れても新鮮で飽きのこない魅力溢れる水族館です。私なりにうみたまごの魅力をまとめてみましたので、本題に入る前に少し紹介させていただきます。

1. 館内構造
うみたまごの館内マップを見るといたってシンプルに見えるのですが、入館後、しばらくすると体内磁石が狂います。壁に「順路→」とあるにも関わらず、導線が自由奔放すぎるため意図せず同じ場所を何度も通る羽目になります。私は2時間の滞在中、キッズコーナーの前を4回通りました。順路に従って進もうとしても、順路以外のあらゆる方角から魅力的な光景が飛び込んでくるため、思わずそちらの方へいざなわれてしまうのです。「あれ?またここか。」は私の中ではうみたまごあるあるです。

2. チラ見せ大回遊水槽
一般的な水族館は先ずやや大きめの水槽でおもてなしし、その後、小水槽や中水槽が続き、最後にメインの大水槽ドーンっという感じだと思います。うみたまごはこの大水槽の活用法が違います。途中途中でちょいちょいメインの大回遊水槽の一部をチラ見させてきます。少し歩かせ、また別の角度から大回遊水槽の一部をチラ見させ、また少し歩かせ、今度は別の深度の一部をチラ見させ、こんな部分も見せちゃうよ的なチラ見せ連発構造となっています。どなたが設計したのか存じませんが、ドーナツ型の特徴を存分に生かし隅々にまでスポットを当てることで、お客様が一つの水槽を余すことなく堪能できる設計になっています。

3. 魚の見せ方
水族館の水槽と言えば生物学的分類や生息域に分けて展示するのが一般的だと思いますが、うみたまごには魚の色や模様でグループ分けしている常設展示エリアがあります。そんな展示方法は他では見たことがありませんが、この方が魚が一段とキレイに見えるのです。それに明るく開放感のある空間のど真ん中に円柱型の水槽がずらりと並んでいる光景はもはや水族館というより美術館です。もし私が魚だったら、絶対神様にお願いしてここに展示してもらいます。せっかくなら自分の見た目(強み)を最大限に生かしてお客様を癒したいですから。
他にも私が訪れた時は恋愛をテーマにした企画展示をやっていました。題して「恋活チェック〜あなたの恋、しらべます〜」です。私が今思い付きで書いたわけではないですよ。正式なタイトルです。水族館でそんなネーミングはないだろうと思われる方はGoogle検索してください。展示エリアには恋活のステップ1からステップ5に対応する5つの水槽があり、「出会い」の水槽には自然界ではお互いに出会う確率が低そうなの生き物が、「アピール」の水槽にはガンガンアピールするタイプの魚が展示されていました。49歳中高年の私の頭では魚の個性と人の恋活はリンクしないため、このような斬新で人を楽しませる発想は到底生まれないですね。お魚本人達もまさかこんな風に自分達が紹介されているとは思っていないと思います。

4. 美しすぎるガラス
これは声を大にして言いたいです。うみたまごの水槽(アクリルガラス?)はめちゃくちゃキレイです。みなさんは水族館に行った際、水槽のガラス面についた緑色のコケで魚やサンゴが見にくかったという経験はないでしょうか?まあコケも自然の一部だし、そんなもんかなぁと思っていましたが、一度うみたまごクラスの透明感を体験してしまうと、もう元には戻れません。「一度ここの〇〇を食べたら、もう他の〇〇は食べられないよねー」の水族館版です。

ところで、私はnoteを始めてまもなく3週間が経ちますが、基本20~30秒で読める短い文を書いています。書いていますというか長い文が書けないのです。いつもみなさんは上手に書かれていて本当にすごいなと感心しています。私は今回のような長文は最初で最後かもしれません。
それでは本題のベトナムの水族館まであと1分ほどですので引き続きお付き合いください。

5. その他の魅力
私は魚の飼育に関してはど素人ですが、多少ダイビングをかじった経験から、うみたまごの水槽の大きさ:サンゴの数:魚の数の比率はとても素晴らしいと感じています。自然の海で見る光景に近いのです。もちろんサンゴは本物で生き生きしています。別府市民の方々はこれが普通だと思ってるのでしょうが、大人2,600円でこのクラスの水族館はなかなかないと思います。
また今回は紹介しませんでしたが、うみたまごにはセイウチやトドなどの大爆笑「うみたまパフォーマンス」、迫力の「イルカパフォーマンス」、イルカプールとガラスで仕切られていないミニ砂浜「あそびーち」などもあり、どちらかと言えばこれらを目的に来館するお客さんが多いと思います。しかし個人的にはうみたまごの最大の魅力は「人」だと思っています。運営に携わるすべてのスタッフの皆さんが魅力的で輝いているからこそ、あんなに自由で斬新なアイデアが実際の展示やパフォーマンスに活かされ、お客様を笑顔にできているのだと思うのです。以上が私なりにまとめたうみたまごの魅力です。

前置きは以上です。

本題に入ります。
帰宅後、うみたまごの余韻に浸っていた時、ふとベトナムのとある水族館で遭遇した衝撃的な光景が脳裏に浮かびました。PCの中の整理されていないフォルダを探したところ、あの日私を絶句させた衝撃の光景が出てきました。

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フーコック島のリゾートホテルに併設する水族館で撮ったカクレクマノミの水槽です。水槽の大きさ:サンゴの数:魚の数の比率は異次元で地球上のものとは思えません。住みかとなるイソギンチャクもありませんし、もはやカクレでもクマノミでもありません。自分達がカクレクマノミであるということを忘れ、あろうことか中層を悠々と泳いでいます。ただソーシャルディスタンスは保っており、自分達が群れで生活するタイプではないということはDNAレベルで覚えているようです。もう一つ衝撃だったのが、魚の肌ツヤの良さです。うみたまご並みに生き生きしていました。うみたまごの感動が霞んでしまうほど異次元なベトナムの水族館。私があらためて訪問したい場所の一つです。



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