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「勝たなきゃダメなんだよ!そうなんだけど…」

長男が5年生の時の日記を紐解くと…

小学生高学年が出場する、あるスポーツ競技大会に長男が参加することになった。
(男子児童はほぼ全員、半強制参加なのである)
前にも言ったと思うけど、我が家は両親がそろって運動が得意なわけではないので、子どもたちもその血を引いて得意でもなければ好きでもない。

だから成績など全く高望みはしていないが、やるからには全力をつくすようには言っているつもりである。

その競技大会では個人戦があり、運動神経もきっとみんなより劣っていて身体も一番小さい長男のこと。
たいした結果は残せないだろうと私は密かに思っているし、長男自身もまたしかり、だ。

でもなんでも経験だ。
しっかりやってこい!と、当日もはっぱをかけて送り出した。

今住んでいる地域に越して来て、初めて参加したこの競技。
さぞや母屋に住んでいる義父も喜んでくれるだろうと、試合の数日前に言ってみた。

私「今度出るんですよ、長男も」

じい「そうか!頑張れよ!」(うんうん  ^^) _旦~~)

じい「おまえは小さいから、相手にやられないように※※という風にしないとだめだぞ!」(この、※※はちょいズル技である( ゚Д゚))

長男「それは学校では教わってないから」(そうそう、よしよし(^_-)-☆)

じい「そりゃあ、学校では教えてくれないぞ。それでも、勝たないといけないのだから。出るなら勝たないと!」(むぅ~…(ーー;))

長男「でもね、そういうやり方は先生は教えてくれてないから」(負けるな!長男\(^o^)/)

じい「なあに!そりゃあ、教えてはくれないだろうがな。そうしないと、小さい者は勝てん。どうせ出るなら、勝たないとだめだ!」(まだ言うか!く…くどい(; ・`д・´))

長男「……」(らちがあかん。そうだ、長男。もう黙ってろ!)

というところで、じいさん退散。(ちなみに、義父の会話はものすごい方言なので、わかりやすいように標準語に翻訳している)

じいさん消えたところで、

私「じいちゃんが言っていた技って、結局学校で教えてないってことは反則なんでしょ?」

長男「うん」

私「頑張らないといけないけどさ、反則して勝ったって気持ち悪いでしょ?」

長男「うん、わかってるよ」

義父にしてみれば、かわいい孫がせっかく出る競技大会。
運動不得意ということもわかっているからなおのこと、勝って欲しいという気持ちはありがたいが、まあ、昔の人だから仕方ないけど、やっぱここは正々堂々とやって欲しいと願うのが本当じゃないのかな。

けっこう律儀でまじめな長男は、大丈夫だと思うけどね。

しおり24

というわけで、その後無事試合も終わった。
結果は、まあ、力を発揮する暇もなく撃沈した。
残念な結果ではあるが、約束どおり「ちょいズル技」はやらなかったようである。
全力を尽くしたつもりだと思うので、そこはねぎらってあげた。
実際はそういう技も出す暇がなかったと思う…。

でもズルいことして得たものは、心にキズは残せど何も残らない。

真っ向勝負した(撃沈したけど)という記憶は、その後の彼の成長過程にとっても、大人になった今でもいい影響を残せていると思う。

頑張ったね!それだけで、嬉しいよ。

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