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「子どもにとっての理想の女性像とは」

いよいよ夏に突入という頃だった。今は全国どこでも夏の気温の高さは半端ではないが、長男が小さかったこの時も梅雨時の湿度80%で気温30度という最悪サウナ状態で頭がぼお~っとなるほどだった。

そんな地獄の夏をなんとか少しでも気持ちよく乗り切るために、いつもなら
「さあ、夏だから髪でも切っちゃおうかな…」
とバッサリ・スッキリとやってしまう私だったのだが。

ところがあの頃はそう簡単にいかなくなったのだ。長男が年長さんくらい頃、私が髪を切ったところ
「お母さん、なんで髪切っちゃったの?どうして男みたいにしちゃったの?」と激しく責めたのだ。

「だって暑いし、このほうが気持ちいいし」なんていう理由は彼には通じなかった。
ショートカットにしたことが、かなり嫌だったようだ。と言っても、ベリーショートみたいなものでもなく普通にやや短めのスタイルだったのに。

それまでも何度も髪を短くしたことはありましたが、こんなことを言い出したのはその時が初めてで、それからというもの事あるごとに「髪は長く伸ばしててよ!」と要求するようになったのだ。

きっとその頃から長男の中に理想の女性像というものが、出来上がってきていたのかなと思う。
へえ~…もうそんなこと考えるような年になったのかと感慨深いものもあったが、それにしても自分の髪型決める自由がきかなくなったのは予想外。

それからというもの、髪を切りたくなっても最低肩ぐらいまでは長さをキープしておかなければならなくなった。うっとうしいから、ポニーテールみたいにくくるしかなかった。

まあ、どんなに肌に張りがなくなっても、白髪がまじっていようとも、体がたぷたぷの危険状態に太っていても、子どもにとってはお母さんって、「理想の女性」なのだろうか。
だとしたら、ひとつくらい長男のおねだりを聞いてあげてもいいかなと思ってしまう甘い母親だった。

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