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おとなの慰労会

元管理職

昨年辞めてしまった管理職のひとりYさんに、退職願を出すことを告げていました。ダメなトップに代わって、事実上このYさんが組織を支えていたと言ってもいいと思っています。専門知識は誰よりも持っていて、部下に対する目配りもよくできて、営業もできるものだから、顧客もたくさん付いていました。もし仮にYさんがまだ会社にいたら、私は辞めることはなかったかもしれないと思う人物です。

Yさんは独立して事務所を立ち上げて忙しそうでしたが、私が辞めることにしたと聞いて、飲みに誘ってくれました。Yさんの事務所を見学させてもらった後に、神楽坂の焼き鳥屋さんへ連れて行ってもらいました。

神楽坂

神楽坂というところはかつては花街で、当時の面影が残る石畳の路地にちょっとおしゃれにリノベーションした黒塀の飲み屋さんなどが点在する、大人っぽい街です。もちろん私とYさんの間に男女の感情はありませんが、雰囲気のいい落ち着いた街で、信頼を置いていた懐かしい相手と過ごせるというのは、とても嬉しいことでした。

Yさんと差しで飲むのは初めてでしたが、お互いの仕事の近況や共通して知っているスタッフの話、そしてトップの話などで盛り上がりました。焼き鳥もワインもとても美味しくて、心がほぐれました。私がこの会社にいた10年の間に50人以上の職員が辞めていきましたが(人が定着しない職場です)、Yさんは辞めた後もこうして会いたいと思う数少ないメンバーだなと思いました。

私が退職するまでまだもうしばらくありますが、今後は定期的にOBOG会を開催したいななどと画策しています。私の人生の中で10年というけっして短くはない期間を過ごした場所で関わった人たちと、細く長く繋がっていたいと思うのは、若い人たちには迷惑でしょうか。そうでないことを祈ります。

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