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相続の不安を和らげる誰でもできる10のステップ その4:エンディングノートを作成する

皆さん、こんにちは。島根県松江市で相続コンサルタントをしております山根博幸です。

相続に関する不安や疑問を少しでも解消していただくために、今回「相続の不安を和らげる誰でもできる10のステップ」というシリーズをお届けします。全10回にわたり、相続準備の重要性や具体的な対策について、わかりやすくご紹介していきます。

相続の準備は、家族の絆を深め、将来の安心を確保するための大切なステップです。各回では、実際の事例を交えながら、実践的なアドバイスや役立つ情報をお伝えしていきます。

それでは、第1回目から始まるこのシリーズをお楽しみいただき、皆さんの相続準備に少しでもお役立ていただければ幸いです。

相続の準備は、家族の絆を深めるための大切なステップです。その一環として、エンディングノートを作成することの重要性について考えてみましょう。ここでは、エンディングノートを作成した場合としなかった場合の違いを具体的な事例を交えてご紹介します。

エンディングノートを作成しない場合のデメリット

ある日、田中さん(仮名)は母親の急逝に直面しました。母親の希望や財産の詳細が不明なまま、相続手続きに入らざるを得ませんでした。田中さんには兄弟が2人おり、3人で相続について話し合うことになりました。しかし、母親の意向が不明なため、兄弟間で次のような問題が発生しました。

  1. 手続きの煩雑さ:母親の意向がわからず、どのように相続手続きを進めるべきか迷いが生じました。

  2. 家族間の意見の食い違い:母親の希望が不明なため、兄弟間で相続の方法や財産の分配について意見が対立しました。長男は実家を保持したいと主張し、次男は現金化を望みました。妹は母親の思い出の品を大切にしたいと考えました。

  3. 感情のぶつかり合い:相続を巡る話し合いで感情が高ぶり、兄弟間の関係が悪化しました。

エンディングノートを作成した場合のメリット

一方で、佐藤さん(仮名)のケースでは、両親が生前にエンディングノートを作成し、事前に家族会議を開いていました。この事前準備がどのようなメリットをもたらしたか見てみましょう。

  1. 手続きの簡便化:エンディングノートにより、両親の意向が明確に記載されていたため、相続手続きがスムーズに進みました。

  2. 家族の協力強化:両親の希望が明確に示されていたため、兄弟間での意見の食い違いが少なく、協力して手続きを進めることができました。

  3. 感情的安心:両親の意向を尊重し、兄弟は安心して相続手続きを行うことができました。特に、事前に家族会議を開き、エンディングノートの内容を共有していたことで、感情のぶつかり合いを未然に防ぐことができました。

エンディングノートの作成手順

エンディングノートを作成する際の手順を簡単にご紹介します。

  1. ノートの準備:市販のエンディングノートを購入するか、自分で作成します。

  2. 基本情報の記入:自分の基本情報や家族構成、連絡先などを記入します。

  3. 財産の詳細記入:銀行口座、不動産、保険などの財産情報を詳しく記載します。

  4. 遺言や希望の記入:葬儀の希望や遺言の内容、相続の意向などを具体的に記入します。

  5. 定期的な見直し:情報が古くならないよう、定期的に見直し、更新します。

  6. 家族会議の実施:家族で定期的に会議を開き、エンディングノートの内容を共有します。

まとめ

相続の準備は、家族の絆を深める重要な機会です。特に、エンディングノートを作成し、家族会議を通じて内容を共有することで、手続きが簡便化され、家族間の協力を強化することができます。生前にしっかりと準備を進め、家族で話し合いを行うことで、相続に対する不安を軽減し、安心してその時を迎えることができるでしょう。

相続準備に関して不安や疑問がある方は、ぜひ相続コンサルタントや専門家に相談してみてください。プロのアドバイスを受けることで、より安心して家族の未来に備えることができます。家族の絆を大切にしながら、安心して未来に備えましょう。

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