歴史的事実って存在するのだろうか？

「慰安婦被害者はいない」という内容の本の紹介記事を読んだ。
この本のような主張にしても、真逆の慰安婦問題糾弾運動にしても、両方の意見にいろいろと目を通してきたが、双方共に政治的なプロパガンダの色彩が濃くて、素直に読むことができなかった。

それで思うのだが、歴史的な事実というのは何なのだろう？

この問題のような、まだ生存者が存在するような比較的最近の事実でさえ、確定することがこれほどに難しいのであるから、数百年前の事実などわかるのだろうか？

あえて言えば、歴史的事実というものは存在し得るのだろうか？

「事実は１つだから」とずっと思ってきたし、確かにそうなのかもしれないが、人間というのは、どうも見たい事実を見たいように見ることしかできないような気がする今日この頃。

「事実というものは存在しない。 存在するのは解釈だけである。」（フリードリヒ・ニーチェ）