ショートショート#17「不在着信」

不在着信に気付く。
いつの間に?
知らない番号だ。
履歴を消去しようと思ったが伝言が残っていることに気付いた。
聞いてみる。

「突然すいません。昨日レストランで隣の席にいた者です。盗み聞きをしていたわけではないのですが、あなたがご友人の方と話していた内容が耳に残ってしまい」
しゃがれた老婆の声だ。
背筋に寒気が走る。
伝言は続く。

「なぜ電話番号がわかったのかと気になります?そこは私の経済力を存分に使ってですね、簡単にわかりました。ウヒヒ」
一体何者だ?
怖過ぎる。
伝言は続く。

「本題に戻ります。あなた、ご友人の方に全ての人間関係をリセットしたいって言ってましたね?」
確かに言ったが、仕事でストレスが溜まっていたから愚痴をこぼしただけだ。

「経済力を存分に使ってその願い、叶えて差し上げます」

え?

ピンポーン。

自宅のインターホンが鳴る。

そして応答していないのに、なぜか鍵が動きドアが開く。

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