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溺死

 名前が付いてるからなんとなく認められているけれど、冷静に考えたらキモすぎるしエイリアンやん、みたいな生き物がたまにいて、タコとかはそれの最たるものだと思う。あれだけ気持ちの悪い形をした生き物が、これほど一般的に知られ、食文化にも影響を与えているのはかなりすごいことだと思う。たとえばタコに名前が与えられていなかったら、UFOくらいの扱いを受けて、盛大にキモがられると思うんですが。あと水の中にいるからなんとなく許されてるけど、たとえばカフェの床とか這ってたら、ビジュアル的にかなりきつくないですか? みたいなことを考えながら以前書いたのが「蛸を縊る」という作品です。

 友人と、どういう死に方が怖いか、みたいな話をしていて、その友人は船から落ちて死ぬのが嫌だ、僕は飛行機の墜落で死ぬのが嫌だ、という感じになった。友人いわく、飛行機はもう死ぬのが確定してるから逆に怖くないとのことで、ぼくは船から落ちた場合、泳げば死を回避できるからまだ怖さは和らぐ、と主張した。つまり僕は死が確定してる中での死が怖くて、友人は死が不確定な中での死が怖い、ということなのだ。なのだ、と言われてもね…。

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