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what's up? 松橋力蔵 〜選手ハイパフォーマー化計画〜

調子のいいアルビレックス新潟

ご存知J2二位のアルビレックス新潟。開幕当初はエンジンがかからなかったものの、徐々にギアを上げていき調子が上がってきて、今は昇格争い真っ只中
しかし、昨年もスタートダッシュは成功したがその後は尻すぼみ。結果リーグ6位に終わった。

ということで、これだけ調子のいい新潟を私なりに分析して、文章に残したかったので、昨年度と比較しつつ、筆を進めていきたい。


アルベルトとの違い

今の新潟は、明らかにアルベルト元監督のベースの上にあるサッカーであることは間違いない。
さらに言えば、その前の吉永監督から続くボールを大事にするサッカーの延長線上に今がある。
バトンを受け取った松橋監督の大きな課題の一つは前任者たちのベースを崩さずに、チームをブラッシュアップさせることだっただろう。
主にブラッシュアップされたポイントは以下の3点。

  • 制限のないビルドアップ

  • ボランチの攻め上がり

  • ペナ付近での高自由度

前任者は攻撃的というイメージがあるが、やってるサッカーはリスクを徹底的に管理する面が大きかった。その中でもビルドアップの約束事はかなりあり、特にボールを奪われて失点に直結するリスクのあるボランチ経由のビルドアップやCBから縦パスには大きな制限をかけることで、リスクを管理していた。
しかし、松橋監督はリスクとチャンスは裏表と考えているのか、ビルドアップにかなりのリスクを許容する。例えばCBは相手のプレスをギリギリまで引き付けてもOKだし、ボランチも積極的に使ってビルドアップを行う。
また、ある程度のポジションチェンジも許容する。昨年では考えられなかったボランチがペナルティエリア内に侵入する動きや、時にはSBもフォワードの位置まで上がることがある。
恐らくは、松橋監督はマリノスの感覚がとても強い。リスクとチャンスは裏表で、リスクを侵さねばチャンスも生まれない意識が強いのだろう。なので、ある程度相手に対して隙を与え、隙をついてきた相手がバランスを崩した所を敢えて裏返す。
だからといって無鉄砲に攻めるわけでもなく、そこは前任者のベースであるバランス感覚をチームが共有してる。だから、アンバランスに攻めてるようで、実は守備のバランスが取れたいい塩梅になっている。

力蔵イズム

松橋監督になり、チームが一番変わった点は選手のパフォーマンスが向上したことに尽きるだろう。
前任者は練習の強度が高くなく、スタメンも固定気味だった。それ故、選手のモチベーションとパフォーマンスを高く保っていたとは言い切れなかった。もちろん、怪我人の少なさや、戦術理解度が深くなるなど、メリットは多かったが、その反面のパフォーマンス低下はあった。
しかし、松橋監督はチーム内競争を促し、さらに、スタメンも毎試合変えることで、選手同士を競わせ、モチベーションの面でも身体面でもパフォーマンスを引き出している
特に前線はローテーションを多用し、選手交代も多いため、前半から全員全力で走っても問題ないくらいだ。
選手のパフォーマンスの高さが今の成績に繋がっていることは間違いないだろう。

弱点

うまくいっているチームに見えるが、ウィークポイントもいくつかある。

  • 新戦力の活用方法

  • 経験不足の監督業

特に、新戦力の活用方法にはまだ解を出せてない部分がある。
確かに伊藤や松田はハマっている。しかし、彼らは高木や本間など、似たプレースタイルの選手がおり、互換性があるためプレーに支障をきたしていない。
一方で、ゲデスや縦への推進力のある両SB長谷川と渡邉等、前任者がピースをハメる所を作っていなかったタイプの選手達に新たな役割を与えることは出来ていない
つまり、現状いるタイプの選手たちなら互換性があれば活用できるが、新たなタイプの選手たちを活躍する場を作れない。
また、選手のパフォーマンス依存度が大きい故に、ゲームの流れの中で選手交代で相手戦略に対応するなど、戦術面ではまだまだできる部分が少なく感じる
残りのハーフシーズンでこれらの部分を改善できなければ、J1での戦いは厳しいように思える。


目標は昇格ではない

J1で戦えるチーム。これが今のチームの目標だ。

昇格するかどうか。結果は後からついてくる。

今は一試合一試合全力で戦う雰囲気がチームから感じる。
勝点を気にするのは10月になってからでいい。
今はとにかく目の前の試合に集中するだけだ。


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