ゴジラ-1.0 【★★★☆☆】3.9

みなさんは、怪獣映画やウルトラマンを観ていて疑問に思ったことはないだろうか?

派手なアクションや必殺で街が壊れるのは言わずもがな、そもそもこんなでかい奴が1歩あるくだけで大災害やんけ、と。

僕はそこが気になりすぎてどうもこの手の映画は集中して観れないでいた。
しかし、そんなモヤモヤを晴らしてくれる「ゴジラ映画」が2023年ついに爆誕した。

それが「ゴジラ-1.0」だ。

ここからはネタバレも含んでいるので、気になる方はご注意ください。


時代は戦後の日本。
戦争の傷跡が色濃く残る中、日本は少しずつ平和を取り戻そうとしていた。
主人公は元特攻隊パイロットだったのだが、臆病な性格のため一度も実戦場に出ることなく生きながらえた。
街に帰ってきた主人公は、親を失くした赤子を連れた女性と出会い、3人で共同生活を始めることになる。

平穏な日々が続くと思われたが、そんな日常をいとも簡単に壊す謎の巨大生物が東京の街に現れる。
それがゴジラだ。

街を破壊され絶望に打ちひしがれる人類だったが、力を合わせゴジラ討伐を試みる。
生きながらえ、自分のせいで仲間や家族を失った自責の念にかられる主人公は、ゴジラを駆逐するために特攻に命を捧げる決意をする。

果たして人間は、絶対恐怖の巨大生物ゴジラを討ち果たすことができるのだろうか。

別段、ゴジラのファンというわけではないけど、それなりには観てきたし、ハリウッド版もある程度踏襲してきた。
今回のゴジラは、ハッキリ言ってその中でもずば抜けて素晴らしかった。

まず第一にゴジラをきちんと“災害”として描いてくれているということ。
ここをいつも有耶無耶にされていることにとても違和感があった。
しかし今回の映画ではそこもしっかりと描くことにより「え、実際ゴジラ出てきたらエグい!秒で諦める!無理!怖すぎる!!」と思わせてくれる。
マジで怖かった。

そして2つ目はゴジラと対立するという構図だけではなく、戦争を経て生き延びた人達がどのようにしてこの戦後を乗り越えたかという人間ドラマの側面も描かれていて不覚にも何度も泣いてしまった。
まさかゴジラに泣かされるなんて。

そして、いい意味でも悪い意味でも全体的にド直球なシナリオなので、非常にシンプルで分かりやすい。
なので普段映画を観ないひとや、ゴジラを全然知らない人でも、この映画ひとつでじゅうぶん楽しめる内容になっている。
逆に言えば、あまりにも想像通りすぎて驚きの展開というのは全く無かった。

驚くところと言えば無駄に吠えるゴジラの咆哮だ。
ATMOS(めちゃ音がいい)スクリーンで観たので音の迫力が半端ない。
思い出しただけで怖い。マジで無理。引く。

あとゴジラと言えば恒例の口から吐く熱線だが、これも「くるくる!エグいやばい!」という恐怖心を煽られる。
背中からしっぽにかけて生えている背びれのような突起物が、しっぽの先から順番に勃ち上がり青く光り、しまいに口が青く発光し放出するという、逆うんこみたいな仕組みなのだが、この予備動作が恐ろしくもあり、子供心をくすぐってくる。


まとめると、映像と音によるゴジラの迫力が凄まじく、きちんと恐怖の対象としての印象を植え付けられる。
ストーリーはシンプルで観やすいが、もう少し展開としてのサプライズは欲しかった。
あと個人的にもう少しセリフ量は少なくてもよかった。一部少しクサさを感じてしまった。

ということで今回は
【★★★☆☆】3.9点
とさせていただく。

ゴジラ好きな方も、そうでない方も是非劇場で、出来れば高音質で観れる所で鑑賞してみてほしい。
きっと、「もしゴジラが実際現れたら…」という疑似体験が出来るはず。


【追記】
もちろん劇場に行くといろんな人が観に来ているわけで、ゴジラほどの有名作品となると、普段映画を観ないような人も来ているんだろうと理解はしている。
それにしてもケータイはマナーモードにしていない、上映中もお喋りをしているジジイとババアは家から出てくんな。あとポップコーン全部湿気ろ。

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