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「作風一覧」個性の可視化に挑戦

こんにちは、東京ネームタンクのごとうです。マンガスクリプトドクターでもあり、創作村の村長もしています。

今日は講義をしていて見えてくる、個性、作風についてお話しします。

僕が東京ネームタンクの講義の中で大事にしているのは
「日本の商業漫画に共通してある要素や構造はなんなのか」をみなさんにお伝えすることです。

逆にいうと「ある漫画家先生の特定のやり方」というのはできるだけ排除しようと思ってます。なぜならそれはその先生のやり方にあった人しかできないから。

ネームタンクではみんなの作品に共通になるストーリーマンガの基礎をお伝えしています。

3日間で32Pを目指すのですが、みんな同じ講義を受けて、できあがる作品は本当に千差万別、まったく違うものになります。そしてそこには必ず輝く「個性」が宿っています。

個性の可視化に挑戦する

毎回の講義の最後に、僕は参加者のみなさんそれぞれの持つ、特徴や強みをお伝えしています。なぜそれができるのか。それこそ共通の基礎をしっかり伝えるからですね。

共通部分がはっきりすることで、共通でない部分、それぞれの差異の部分が鮮明に浮き上がってきます。僕はそうして見えてきた箇所をお伝えしているだけです。

今日は僕がこれまで具体的にどんなものをみなさんの強みだよとお伝えしてきたか、その例を上げていこうと思います。みんなの個性を知ることで、自分もそれある!みたいな発見を促せるかもしれません。

個性の一覧

・現実の要素とファンタジーの世界を魅力的にアレンジする能力としっかり救われるクライマックスを作れる。

・複雑な状況をシンプルに切りとれる能力。ドラマ作りにおいて真っ向対立させず、ややずらしながら謎の要素で引き込んでいく力。

・自分ではまともだと思っているややおかしな人に着目する視点。ダメな人に愛を持って好感度を持たせることが自然にできる。

・一見繋がりが薄い要素に共通点を見出しアイデアを作る着眼点の良さ。読者を楽しませようとギリギリまで踏み込んでいく姿勢。

・朴訥とした雰囲気の中でそれなりに過激なことをやっているのに自然に見せてしまう強み。ずれた思考をナチュラルに描き目線キャラにできる力。

・自然な日常の中に、わずかな憂いが潜むおしゃれな空気を作れる力。コメディと切ない想いのバランスもよくカタルシスにしっかり繋げられる。

・強いメッセージ性とキャッチーさの両立ができている。人間を突き詰めたときに見えてくるおかしみなどが描ける力。本質を見ようとしている。

・キャラ同士の楽しいやりとりを描きつつ、次第にキャラを追い込んでいくのがうまい。追い込まれがいのあるキャラを作れている。

・恋とは違う感情で2人の距離を近づけ楽しく見せる力。片方だけに引っ張られるのではなく、両方が引っ張り合う構成が作れる。

・主人公と相手のキャラの芯を置く位置が違うので、2人の人間性の距離がとても広い。そのことで近づいていく様がドラマティックに描ける。

最近の講座に来てくれた10人のものです。ね、全然違いますよね。

個性を書き出してみて気づいたこと

他の人の個性を見ることで、自分の個性に気づいてくれたらいいな、と思ってたのですが、書いてる途中で僕自身自分の個性に気づき始めた…

もしかしたら僕は強みを見出すのが得意かもしれない…

ネームを作るのは、最初にお伝えしたようにストーリーの要素や構造ももちろん大切なのですが、その前になにより大事なのは「描きたい」という気持ち。気持ち良くノリノリで描ける場所を見つけるのが、何より最初の一歩だったりします。

なのでそこを見つけようとひたすら相談しネームを見て来た結果、みんなの得意を見つける能力が身についていたのかもしれないですね。

まさか自分のための記事になるとは…みなさんもここから何か気づきがあれば嬉しいです。

▼東京ネームタンク「ネームできる講座」
https://nametank.jp/name-dekiru-class-2/
▼やさしさ創作村
「創作の芽をみんなで育てる」クリエイター限定noteサークルです。
https://note.com/sousakumura/circle

P.S.
東京ネームタンクの「ネームできる講座」は「動画版」もみなさんの強みを見出すことを重点に置いており、良いところを見つけてくれるネームサポートスタッフをご用意しています。遠方の方にオススメです。

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