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変化を期待しないで成長を見守る時とする。

ほとんど丸腰で挑んだ中間テスト。

結果は本人でさえも思っていた以上のものだった。

ただ、持っているエネルギーのすべてを注ぎこんだことで、体は見事なまでに返り討ちにあっていた。

テスト後は1週間みっちり元気に学校を休んだ。

担任の先生から連絡があり、教育相談の日に登校するよう言われ、その日は学校へ向かった。

そこでぴぃは先生といくつか話をした。

その内容を先生が電話で教えてくれた。

一つは友達のこと。

先生はぴぃがお友達と楽しそうに過ごし、うまく関われていることを褒めたという。

「友達と話すのは楽しい。
でも、楽しい時間は心から楽しんでいられるのに、話が終わると途端に不安になる。
傷つけてないか、嫌われてないか、頭が不安でいっぱいになる。
だから、学校にくると心も体もとても疲れるんだ。」

とぴぃは先生に伝えたという。

担任の先生「「みんなそうだよ〜」と言ってみたけどさ、ぴぃさんがそれを不安で怖いと思っているんだから、しょうがないのよね。」

と、先生は電話口で言っていた。

『本人が怖いと言ったら怖い』これはありのままのぴぃを認めるために、まず心に止めておくこと。

これがないと、もっとこうすればいい、こうしたらいいと、余計な励ましが先に出てしまう。

それを取っ払うのに、どれだけ時間がかかったことか。

先生は、それをしっかり心に落とし込んでいるんだと思ったら、やっぱりすごいなと思った。


もう一つは勉強のこと。

担任の先生「お母さん?私ね、勉強はしないでいいって言いました。今のあなたがするべきは勉強じゃなくて、心と体の回復に努めることだから。って言ったんです。」

私との面談の時に先生が感じた思いと、私の気持ちもうまく解釈して、言葉にしてぴぃに伝えてくれたことが嬉しかった。

そこで、校内にある「ふれあい教室」についての話をしてくれたと言う。

遅刻がちな生徒、集団生活が難しい生徒、訳あってクラスで授業が受けられない生徒が通う別室教室。

せっかくだからと、そのまま2人でふれあい教室の見学に行ったらしい。

その日は誰も教室にはいなかったけど、3年生が5人、2年生が2人、1年生はぴぃが1人目となるらしい。

朝からふれあいに登校して、出たい授業の時はクラスへ行ってもいいし、ずっとふれあいにいてもいい。

ふれあいでは勉強をしてもしなくてもいいし、部活だけ行くのもあり。

自分のペースで学校生活を送れるようにと、ふれあい教室を管理している先生と一緒に話し合ってくれたと言う。

教育相談を受けたぴぃは、帰宅するなりふれあい教室の話を興奮気味にしてくれた。

ぴぃ「ぴぃが1人目ってすごくない?なんか嬉しいんだけど。」

私「そうかそうか、それはぴぃにとっては嬉しいことなんだね。」

ちなみに、ふれあいを管理している先生は、美術部の副顧問で、説教が長くて怖いから苦手だと言っていた先生だった。

よりにもよって・・・と一瞬思ったが、ふれあいでの先生は印象がガラリと変わり、とても優しかったと言う。

学校に、ぴぃの安心が一つ増えて、ぴぃも少しだけ嬉しそうだった。

そんなぴぃの表情を見て、私もホッとした。


教育相談を受けた後、ぴぃはふれあいに何度か登校した。

1度目は、4時間目の時間に登校してすぐに自分のクラスへ行き、5.6時間目と部活をこなして帰宅。

2度目は、3時間目に登校してすぐに頭痛を訴え、持たせたお弁当を食べずに早退した。

そして3度目となる日は、お昼を食べてから登校し、門の前まで行って引き返してきた。

結局ぴぃは、7月に入って学校へ行くことはなかった。

そして、夏休みを待たずして再び、エネルギーチャージモードに突入した。

ふれあい教室が、ぴぃにとっての居場所、安心、となると思い過ぎていたせいか、少し残念に思う自分の気持ちはごまかせない。

なんで?どうして?これでも?

そんな気持ちが渦巻くが、答えなんてないのだ。

だって、ぴぃ自身もなんでか分かっていないから。

ただ、「学校に行きたくない」それだけ。


夏休みが入る頃、担任の先生が教室に置いたままになっているぴぃの教材を持って家まで来てくれた。

ぴぃの登校ペースを知ってか知らずか、先生はぴぃに言った。

担任の先生「ぴぃさん、ふれあい、いいでしょ??よかったね?」

ぴぃ「・・・はい」

・・・ん?
行ってないですけど・・・?

まぁいい。

大きな変化を求めちゃいけない。

先生に期待し過ぎてもいけない。

これでもぴぃの成長を疑うものは何もないのだ。

ぴぃの問題は、ぴぃがどう感じて、どう乗り越えていくか。

ぴぃなら大丈夫と信じて見守るだけ。

私はとりあえず、考えたり、無理に整理しようとする自分をお休みする。

だって夏休みは我らにとって解放の日々。

暑いけど、ぴぃにとっても自分にとっても楽しい夏休みにする!

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