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イヤでイヤで仕方ない生活の中に喜びを感じる娘。

中学生になり、五月雨登校中のぴぃさん。

敏感で繊細な気質も手伝って、心の消耗が激しい。

特に、男子の言動に翻弄され、イライラにイライラを重ねて帰ってくる。

男子への愚痴をきっかけにして、女友達への違和感や面と向かっては言えないことなどをこぼしだすと止まらない。

ぴぃ「ぴぃが学校に行ってない間に何があったんだろう?みんな気持ち悪い…」

ぴぃは自分が知らない間に男子の下ネタが進化していることと、最近になって女子の中に増えたBL好き、いわゆる腐女子という存在に違和感を覚えてるようだった。

まるで何年も先にタイムリープしてきたようだとぴぃは真面目な顔をして言った。

そして、いつものヘドロが流れ出す。

ぴぃ「だいたい勉強も大変すぎるんだよ!一つの教科に対して教材がありすぎる!!社会なんて全部で8冊!は?ふざけすぎてる!収納BOXに入り切らない量あるんだよ。溢れちゃうと整頓係に注意されるの!ぴぃが悪いんじゃないの、教材が多すぎるの!やんなっちゃうよ!」

『ただの文句、言いたいだけの文句だから、言わせてくれ。』

ぴぃの心がちゃんとそう叫んでるのがわかるから、うんうんと頷きながら聞く。

ぴぃとのお風呂トークはぴぃの本音が聞ける大事な時間だけど、ヘドロのように流れ出す愚痴を聞き続けていると、ある意味のぼせそうになる。

一度流れ出したヘドロはなかなか止まらない。

一度言った文句でも、言い足りないと何度も言う。

何度も何度も言ったあとに、少し間をあけて下を向き、

「でもね…生きてる、生きてるんだよぉ。」

と言って笑ったぴぃ。

「生きてるね」

私もそう言って2人で笑った。

ヘドロを出してる時のぴぃは目つきも悪いし口も悪い。

でも、「生きてる」と言った時のぴぃの声と表情はなんだかスッキリしていて、生きてることを喜んでいるようだった。

ぴぃ「中学校は本当に大変。やることが多すぎる。決まりも多くて嫌になる。今までそんな生活してなかったから正直つらい。」

私「今までは静かな毎日だったもんね。」

ぴぃ「そうなの。朝ゆっくりおきて、ご飯食べて、ゲームしたり絵をかいたりYouTube見たり。好きなことしかしてなかったから。」

私「好きなことばっかりじゃないから大変に感じるよね。」

ぴぃ「うん。やっぱり学校はイヤ、できれば行きたくない。でも、行けてると幸せを感じる。」


あんなにイヤだった勉強。

中間テストへ向けて、自分のタイミングとペースで取り組んでるぴぃ。

ぴぃ「もう分からないことだらけでしんどい。でも、褒めてほしいの。あのぴぃが勉強してるんだよw」

私「ほんとだね、あのぴぃが。すごいねw」

ぴぃ「大変だけど、なんかうれしいの。テスト勉強ってかっこよくない?憧れてたから、それやってると思うとうれしくなっちゃう。」

私「うれしいんだね。かっこいいもんね。」

勉強に取り掛かるのはだいたい夜の10時過ぎ、YouTubeを見ながらやるからめちゃくちゃ時間がかかる。

それでも、ぴぃは大嫌いだった勉強と向き合う。

学校にはイヤなことがいっぱいで、勉強もめちゃくちゃ大変。

でも、生きてるし、幸せだし、うれしいと言ったぴぃ。

ぴぃの中からずっと消えない「みんなと一緒」で「あたりまえ」で「普通」のことができてることが、今のぴぃの心を否応にも満たしてくれてるんだね。

私が向き合ってきた「みんなと一緒じゃなくていい」「あたりまえなんてない」「普通ってなに?」っていう意識改革が、私のためだけに必要だったんだと思い知らされる。

ただ、愚痴であれなんであれ、感じた思いを素直に言葉にしてくれることが私はうれしいし、生きててよかったって思う。

ヘドロはなくならないし、大変なのもきっと続くだろう。

イヤでもやる。

ぴぃは今、このイヤでしかたない大変な生活に順応させてる途中。

まさにリハビリ中。

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