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1.わけがわからない日々のはじまり

はじまりは2019年1月、
ぴぃが小学校3年生、9歳のとき

友達と外食していたら、パパとお留守番してたはずのぴぃから突然の電話。

「ラーメンに割りばしのカスがはいちゃって、食べちゃったかもしれない、大丈夫???死んじゃう??」

大泣きのぴぃ。

え?それだけのことで電話してきたの?と思いながら

「大丈夫だよぉ~死ぬわけないじゃ~ん」

って言う私がいて。

その日から、

そんなささいな不安が頻度を増していく

「公園のベンチについてる汚れはなに?!」

「鳥の糞をふんじゃったかもしれない!!」

「カナヘビを触った手でおかしを食べちゃった!!」

「友達がくれたクッキーの賞味期限が昨日までだったの!!」

「消しゴムの欠片がどこにいったかわからない!!」

職場にいても、電車に乗っていても、電話が鳴る。

「大丈夫だよ、口に入っちゃっても、そんなんじゃ死なない」

伝えても伝えても伝えても、私の大丈夫は全く伝わらない。

泣きながら、それでも大丈夫かどうか聞いてくる。

口に入ったかもしれないモノが落ちてないか、見つかるまで探したりもした。

口に入っても大丈夫なものでも、

見つからなければ、勝手に作って見せたりもした。

「ほらここにあった、大丈夫、口には入っていない」

という安心を与えるために。

一日に何度も、何度も、何度も。

4年生になったばかりのころ、

手を何度も洗いだしたことをきっかけに、

いろいろ調べて、強迫性障害という病気を初めて知った。

すぐにかかれる病院がなく、なすすべがないまま、

気づいたら、

鉛筆も、消しゴムも、ノートも、机も、椅子も、友達も、学校も

全部、怖くなってしまった。

カス、キズ、シミ、形あるものには必ずあるもの

全てがばい菌で、口に入ると死んでしまうとパニックになる。

口に入ったかもしれないと思ったときは、着てる服に唾をこすりつける。

学校で唾だらけになった服は、帰ってから全部脱いでほぼ裸の状態で過ごした。

もうそうなってくると学校どころじゃなくて、

だんだん行けなくなって、

ぴぃの不登校は始まった。

目に見えない敵は、そこかしこにあった。

ドア、壁、棚、触れたら必ず手を洗う。

「死ぬかもしれない!怖い!助けて!」

家にいてもパニックが続く。

触れていなくても触れたと錯覚する。

「ママ、今そこのドアに触れてたから、服を全部脱いで!」

なんで?なんで私まで?なに?なにがどうなっちゃってるの?

理解ができない、頭が追い付かない。

それでも、

指一本触れてもいないドア、
ぴぃのためと毎日何度も拭いてるドアをまた拭いて、

服を脱ぎ、「もう大丈夫だよ」と言いながら、

私は、ぴぃの強迫行為の肩代わりをし、手伝い、巻き込まれていく。

これがやってはいけないこととわかっていても

ぴぃに大丈夫と言いたくて

ぴぃに安心をあげたくて

ぴぃを抱きしめたくて

そうすることしかできなくなってしまった私がいた。

#不登校 #不登校の親 #強迫性障害 #強迫性障害の子の親

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