しっかり日常から離れてみると、ちゃんと日常に帰れる。
パパには月一で飲み会をする幼なじみの仲間がいる。
その嫁たちとは地元の小中学校が同じだったりして、家族ぐるみで会う時は気心知れてるからとても心地よい。
毎回パパ会の招集をしている会長の粋な計らいで、今回はその嫁たちだけで、一泊二日の旅行に出た。
私以外は、子供を置いて実家以外の所に外泊をすることが初めての嫁ばかり。
そんな私も、2年前にいったんぴぃから離れた方がいいと、幼なじみに連れ出してもらった旅行が初めてだった。
私はその旅行で、大きな転機を迎えた。
不安が強くて私から離れられないぴぃと、ぴぃのミッケに巻き込まれてズタボロになっていた私。
離れたことで、離れても大丈夫だったことに気づく。
私は久しぶりに母親でもない妻でもない従来の自分を取り戻し、もう一度ちゃんと自分の足で立つために、自分自身の薬断ちを決心したきっかけの旅行。
今こうしてまた、自分の足で母親と妻でいられているのはその旅行が大きかったとも思う。
今回の嫁旅の中に、ぴぃと同じ症状をもった娘ちゃんがいるママちゃんがいて、私はどうしてもこのタイミングで連れ出したいと思っていた。
出発前、ママに何かあったら!?という不安でパニックになってしまった娘ちゃん。
もしかしたら行けないかも、というところから、後ろ髪引かれる思いを振り切って、家を出て来てくれたママちゃん。
この嫁旅が娘ちゃんとママちゃんにとって、あと、「なんとかする」と言って送り出してくれたパパちゃんにとっても、大きな成功体験になることを祈るばかり。
そして、母であることも、妻であることからも解放されて、とにかくリフレッシュできる楽しい時間を過ごしたいと心から思った。
なんだこりゃ、楽しい、楽しすぎる。
もうなんていうか、うまい言い方が見つからないけど、いい意味で、パパがいないことも、ぴぃがいないことも、それだけで爽快としか言いようがなかった。
自分たちで買い込んだ食材でご飯の準備をしたり、片付けたりすることも、家でやっていることと同じなのに、全く苦ではない。
それぞれの日々の生活の愚痴も、気心しれているおかげで全く悪意を感じないから笑い話で終わる。
ベラベラとおしゃべりしながら、自分たちのためだけの時間を過ごす時間がどれだけ心と体のデトックスになっているか。
それに・・・
いつもぴぃのためにと我慢していたみかんも好きなだけ食べられる。
いつもお皿を洗ってくれるパパに「ありがとうと言わなきゃ」と思う自分もいない。
帰り支度は一人分。
自分以外の誰かを優先にしたり、気にしたりしない・・・最高かよ。
なんかもうそれだけで、「感謝」って気持ちしか浮かばなかった。
宿を手配してくれたパパ会の会長にはもちろん、パパやぴぃ、ぴぃと一緒にいてくれているいとこと兄夫婦、一緒にいる嫁旅の仲間とその家族に至るまで、「幸せな時間をありがとう」と思った。
連れ出したかったママちゃんにとって意味のある時間に、と思う気持ちも大きかったけど、それ以上に自分が満たされていることに申し訳ないぐらいだった。
ずっとずっと、帰りの大渋滞すら楽しかった。
日常から離れる。
これって、1番のリラックス効果がある気がする。
本来の自分に返って、自分のためだけの時間を過ごす。
日頃の思いの丈をデトックスし、その上で感謝の気持ちを持つ。
この時間を得たことで、ちゃんと日常に帰れる。
ただいま帰りました。
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