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5.学校がゴールではない

最初の自粛要請

体操教室は休講になり、塾は任意だったけど、ぴぃは敬遠した。

ただ、自粛要請と共に学校が休校になると知ったぴぃはなんだか嬉しそうだった。

みんな学校に行かなくていいから。

行けないのは自分だけじゃない、みんなお休みだから。

世間はコロナ禍で窮屈そうにしていたけど、

我が家は一足早く、引きこもって自粛状態だったし、

仕事も8割型リモートワークの体制を整えてあった。

ぴぃの日々の罪悪感は薄まり、意欲は増す一方で、

地球規模で生活スタイルがこちら側に転がって来たような気がして、

異様だと思っていた生活も、みんなそうなんだと思うと、

私も気持ちが楽になった。

ぴぃは、5年生のスタートをみんなで一緒に切れるんだと思って、

春休みの課題も、長引いた自粛中の課題も頑張ってこなした。

そんなぴぃとは裏腹に、

学校なんて始まらなければいい・・・

私の正直な思いはそこにあった。

ぴぃの不登校は強迫性障害のせいと思っていたけど、

改めてぴぃと向き合ってきて、

もしかしたらぴぃの特性にも何かしらがあるのかもと思うようになった。

この頃、HSP、HSCについて知る。

ぴぃだけではなく、私にも当てはまる部分はあるけど、

特にぴぃは過敏すぎるところがあるなと小さい頃から思ってたから、

ぴぃはHSCかどうかってことよりも、そんな特性をたくさん持っているとしたら、

学校という場所は、ぴぃにとってはキツイだろうなと思った。

だから私はもう、少し前から、学校をゴールにしてはいなかった。

当時、私だけ通っていたスクールカウンセラーの先生にもそう伝えたら、

「お母さん、すごくいい方向に気持ちが向かってますね」

と言われた。

私はずっと、どうしたら学校に戻れるかってことばかり考えて、

もし学校に戻った時にぴぃが困らないようにと思考を先回りさせ、

勉強のこと、体力的なこと、友達との繋がりも、

自分視点の安心にばかり囚われていた。

ただHSCという特性があることを知って、

そもそも学校という場所が、行かなきゃ行けない場所としてぴぃを不安にさせている。

ぴぃは学校に行けていた自分に戻りたいというけど、

学校は本当にぴぃが心地よくいられる場所なのかと思い始めた。

だから、学校に行く行かないに重きをおかず、

ぴぃがやろうとしたことにだけ目を向けて、サポートしていこうと思い始めていた。

そして、分散登校の日程が決まり、いよいよ5年生が始まる。


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