「小学生をやってないのに中学生になりたくない」という娘の心の叫び。
先日、ぴぃは、来年からの中学校の制服の採寸に行った。
ずいぶん早い気がしたけど、早割特典があると言ってお友達のお母さんが誘ってくれた。
とりあえず予約はした。
中学生になったら登校できるようにという期待ではなく、正直今のままで、まともに通えるようになるとも思ってなくて。
二、三回しか着なかったとなっても、むしろ、一度も手を通すことがなかったとしても、買っておこうとは思っていた。
ただ私の中では、「制服がないから学校へ行けない」という選択肢を拾っておきたかったというだけのもの。
ぴぃに、「お友達と一緒に採寸に行く?」と聞くと、迷わず「行きたい!」と言った。
ぴぃは中学生になる気でいるんだなと思った。
採寸の日。
2人の友達と一緒に、見本の制服を試着し、スカートの裾をミニしたり、ブレザーを着て、大人っぽく見えるお互いを笑い合ったり、楽しんだいたぴぃ。
採寸が終わり、家に帰ろうと2人で歩いていると、さっきまで楽しそうにしていたぴぃが些細なことでイライラし始めた。
なんとなく八つ当たりみたいなもんかと思って軽くあしらってしまった。
すると感情の糸が切れ、シクシクと泣きながら早足で1人帰ろうとするぴぃ。
私「ママが悪かったならごめん。危ないから1人で行かないで。」
すでにあたりが暗かったから、必死に追いついてそう伝えると、
ぴぃ「中学生になりたくない。もう一回ちゃんと小学生をやりたい。やり直したい。戻りたい。みんなとあの教室で小学生をちゃんとやりたい。」
そう言って、今度はしっかりと泣き始めた。
採寸の間も、はち切れそうな胸の叫びをずっとこらえてたんだなと思った。
思ったのに、私は、直前で受けた八つ当たりのイライラが拭えず、冷静に受け止めてやることができなかった。
いらぬ励ましと、わかり切った言葉を並べ立てた。
「何もしなくても小学校は卒業するし、行かなくたって中学生にはなるよ。」
「やり直すのに遅いも早いもないんだから、ぴぃのペースでいいんだよ。」
「追いつきたいなら追いつこうよ。」
「過去には頑張っても戻れないけど、未来は頑張って作れる。できることだけ見つけていこう。」
などなど・・・
口から出ること全部、ぴぃが求めていることではないと、頭ではわかっているし、言い方伝え方もよくないと思いながらも、止まらなかった。
受け止めるだけでよかったのに。
たまにある、止められない私。
その夜ぴぃの心は、この私の要らぬ言葉たちによって完全に閉ざされた。
表情がなくなり、言葉もない。
眠れないぴぃに寄り添おうとする私を避ける。
今まで何をしてきたんだろう、と思うと情けない。
ぴぃを認めて、信頼関係を気づいて、自分のままでいいんだと思ってもらって、自分で考えて、自分で選択して、自ら動き出すためのエネルギーをためてもらうためだったのに。
一瞬で崩れた気がして、苦しくなってしまった。
ぴぃの意欲に対するサポートはいくらだってできる。
でも、ぴぃの本当の不安は拭ってやれない。
肩代わりすることもできない。
ぴぃだけがぴぃにしか乗り越えられない問題を抱えて、多大な勇気とエネルギーを振り絞らなければいけないのかと思うと、自分の無力さを感じずにはいられなくなってしまった。
こうして、ちょと前にいた場所に、一気に戻ってしまった私。
涙が止まらない。
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