ベランダテント
去年の今ごろ、世間はコロナのせいでいろんなことがストップしていた。
みんながお家から出れない状況を、我が家は違うテンションで過ごした。
学校に行かないことも、在宅で仕事をしていることも、みんなそうなんだと思えることが、私もぴぃも嬉しかった。
特にぴぃは、5年生から自分はやり直せるんだと意欲的になっていたから、お出かけできないことも前向きに楽しもうとしていた。
せっかくだからと世間の流れに沿ってお家キャンプと称してテントを買った。
ベランダに設置して、テントの中で折り紙したり、一緒に課題をしたり、お昼寝したり、たまにお泊まりしたり。
そんなに広いベランダではないけれど、ぴぃはブレイブボードも縄跳びもベランダで楽しんだ。
不謹慎なことを言ってしまうと、私は自粛が長引いて欲しいとすら思っていた。
長い長い春休みが、私たち家族にとって、心から豊かな時間だった。
世間はまだ安心とは言えない状況だけど、
結局ぴぃは去年思っていたのとは違う5年生を終え、まだ1日も登校していないけど6年生になった。
6年生もあっというまに終わってしまうんじゃないかと不安にかられる夜が続いている。
どれだけ安心と心豊かな生活を送れるかなと思っていたら、お天気がいいお昼にぴぃがまたテントを置きたいと言ってきた。
よっしゃ、ぴぃの〇〇したいは逃さないよ!
急いで車に乗せてあるテントを取りに行って、マットレスを置いて、ラグもひいて、準備万端!!!
・・・が、すっかり太陽が沈んだ現在、ぴぃはまだテントに入っていない。
今はこの生活でいいんだ、頑張ってることにかわりはないんだから、意味のある時間と思って、今を楽しもう。
こんな母の思いが、少しでもぴぃに伝わるといいな。
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