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読書記録/ひらめき教室

こんにちは、スープです。
音声配信ばかりしているとnoteの書き方がわからなくなってきました。

さて、今日はマンガ「暗殺教室」の作者の松井優征さんと、デザインオフィスnendoを率いる佐藤オオキさんの対談本を手に取った感想を書き残しておこうと思います。

タイトルは「ひらめき教室 ~弱者のための仕事論~」

この本を読んで1番に思い起こしたこと、
それは「これは物語思考だ!!」ということです。

物語思考とは、けんすうさんが書かれた「やりたいことが見つからなくて悩む人のキャリア設計術」という副題の本です。

物語思考に通じる具体的な話

ひらめき教室のなかでは、以下のような言葉がでてきます。

世界観があればキャラクターは動き出す

まず世界観をがっちり固める。そしたら登場人物が自動的にできあがっていくんです。

たとえば殺せんせー。
「殺せない先生」といっても、逃げる能力が並々ならないわけだから、なよやかな女性では務まらない。だからといってふつうの成人男性でもない。普通の人を殺そうとしたら、漫画全体が罪な感じになりますから。
それならばもう、「殺したい!」と思うような、なめ腐ったようなフォルムがいい。そうやってキャラは完成していきます。

ひらめき教室 より

ちなみにその殺せんせー。こんな感じですね。


やりたいことが見つからない、とか
どうやってキャリアを積んでいったらいいんだ?って悩むことが多いですが、物語思考という本のなかでは、ありたい姿→キャラクター→キャラクターが生きそうな環境→物語を転がす(過程を楽しむ)という組み立て方をしています。

自分のことに置き換えると、途端にわからなくなってしまいそうですが、
世界観・設定を決めるとキャラクターがおのずと決まってくる、というのはこういうことか!となんだかハッとしました。

たとえば、
「お金ほしいな~、たくさん稼ぎたいな~」と思っていたとします。

で、ここに世界観を足していくとキャラクターが決まっていくんですよね。

「お金を持っていて、豪遊している」という世界観なら、
めちゃめちゃ羽振りがよくて、稼ぐ額も大きくて、知り合いも多そうだし、社交的な場にガンガン顔をだしていそう。
そんなキャラクターが目に浮かんでくるような気がしますが、

同じ「お金持ち」でも、
「お金を手にして、好きなものを激選してミニマルに静かに暮らしている」という世界観なら、お金の稼ぎ方も使い方も居場所も付き合っている人も上記のキャラクターとは違いそうですよね。

世界観とキャラクターが強い相関関係にある。
「自分の身を置く場所とか、関わる人が大事」とは、言われつくしていますが、やっぱり大事なんだなぁ…と考えさえられました。

たしかに、ワンピースのルフィはドラえもんの世界観にはいないと思うんですよね。

欠点を認めやすくなる

あと、こんな言葉にも出会いました。

欠陥のあるモノの方が愛着がわく現象

欠陥のあるモノの方が愛着が湧く現象と、キャラクターが持つ特性は非常に近いと思うんです。万能なキャラクターが登場して、何やっても上手かったら、話しにならないじゃないですか。
それより、どこか欠点があったり、問題を抱えている人に、感情移入できる。

(中略)

つまり佐藤さんは「欠点のない万能なモノ」を目指していない?
「欠点があるけどこれはこれでおもしろいから」と受け入れると、人とコミュニケーションが取れたり、楽しめたり、逆にメリットもあるので。

ひらめき教室 より


これ、物語思考のワークを実践する(※)にあたって、
すごく良いポイントになりそうだな、と思ったんですよね。

[(※)物語思考のワークには、ありたい姿を想像して、そこからそのためにはどんなキャラクターであれば良さそうか?どんな環境ならそのキャラクターが躍動しそうか?ということを考えるワークがあります。]

自分のありたい姿からキャラクターを考えると、
どうしても"あれも、これもできるキャラクター"になってしまいそうなんです。

でも、物語のキャラクターとしてどんなキャラクターが魅力的か?を考えたときに、「自分の長所に目を向けたりすると同時に、そういう長所があるなら、こんな短所もあるよね」と短所を受け入れやすくなるな、と思いませんか?

たしかに殺そうとする殺そせんせーが、美しかったり普通な人だったりするとなんだか感情移入はしにくそうだし、
ワンピースのルフィが頭脳明晰キャラだったら、なんだか嫌です。

欠点ってあっていいし、
欠点があるからキャラクターの長所が光るような気がします。


仕事観がかっこよすぎる

ひらめき教室の副題は ~弱者のための仕事論~ ですが、
対談話を通して見えてくるお二人の仕事観に浸っていると、
「この二人、弱者になりようがないよね⁉」と思っちゃいます。

とにかく、「自分にできることは何なのか」をすごく真摯に真剣に考えていて、それはこんな言葉からも感じることができます。

好きでもないことをおもしろくする楽しみもあるんだぞと言いたい。

ひらめき教室 松井さんのコメントから

「何がほしいですか?」と聞いて、「〇〇がほしいです」と答え通りのものを買ってくるのは、ただの買い出し。
クライアントといろいろ話をしながら「この人はこういう性格なのかな。今までこういうモノが好きだったんじゃないかな」など想像を働かせて、求めているであろうモノをドキドキしながら渡す…。
特にプレゼンは、毎回プレゼントを渡す気持ちですね。

ひらめき教室 佐藤さんのコメントから

やりたいことがない、強烈な能力が無いということを”弱者”と表現されていると思うのですが、
この考えで読者さんやクライアントさんに向き合っていれば、それはもう間違いなくファンになる人がたくさんいるだろうな、と想像できます。
この考え方ができること自体が、決して弱者ではないと思ったりしています。

わたしは、転職とか、仕事とか「いまのままで良いんだろうか…」と何回もグルグルしていますが、お二人の爪の垢を煎じて飲む気持ちで、仕事に向き合いたいと思います(正座)。



ひらめき教室を物語思考で読み解く読書感想文、いかがでしたでしょうか。
自分はどんなキャラクターでこの物語を生きようか?
どんな欠点ならより面白い物語のキャラになるかな?なんて考えてみるのも面白そうです。

それでは、また!




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