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良い仕事と魂のない仕事

今日は私が昔購入した家具の経年変化と品質、本業の防音材(製品)および現場の施工事例です。

私の本業は防音設計と防音工事のサポートになりますが、完成すると表層以外は全く見えないので、良い仕事ぶりかどうかは、防音効果で判断するしか無いです。

一方、私の購入した木製家具は、正面や上からでは見えない部分もありますが、雑巾や布巾を固く絞って拭いたりするので、経年劣化や細かい仕上げを触りながら体感できます。

防音材はサンプルを室内に放置したり、自宅の天井・壁に貼り付けて経年変化を確かめることが出来ます。

購入した家具の良い仕事ぶり

参考に載せた画像は、私が購入した家具(サイドボードタイプのカップボード)と同じ展示品の写真です。平成8年に購入したものですが、現在も金具の色があせたり、部分的にすり減っていること以外、特段劣化した箇所は無く、良い状態です。見えない部分もきれいに塗装仕上げや面取りして処理してあります。非常に「良い仕事」だと思います。メーカーはマルニ木工です。

一方、同じ時期に購入したカリモクのカウンターは、見えない箇所が手抜きされており、木口が塗装も面取りもされておらず、雑巾で拭くと、ボロボロと削れて劣化しています。見えにくいところを手抜きしており、職人として「魂のない仕事」と言わざるを得ません。知名度にあぐらをかいた有名メーカーの一断面です。

私の防音材も大手有名メーカーよりも信頼できる取引先の受注生産品のほうが品質も高く、耐久性がある点とよく似ています。

ある大手メーカーの防音材は、カットすると切り口がよれてしまい、突きつけても隙間が生じます。製品の品質が良くないのです。

見えない部分の施工や造作こそ職人の魂である

私の担当現場を施工する提携先の職人は、黙っていても手抜きすることはありません。非常に丁寧な仕事をするので、概ね私の防音設計で想定した通りの性能を確保できます。

別件の私の相談事例では、依頼者が音漏れが酷いので現場をチェックしてくださいというコンサルティング業務もありました。

依頼者の新築現場を、一部解体してもらったら、防音材や下地のボードが雑な施工をされていて、大きな隙間があり、工事をやり直してもらったことがあります。防音工事の意味や留意点を知らない素人業者(施主が契約した会社)の施工とは言え、職人がちゃんと丁寧に施工していれば、ここまで酷い状態にはならないものです。見えない部分を手抜きしていたと言われても仕方ないでしょう。

本当のまっとうな職人は、見えない所も丁寧に仕事します。それが本当の職人の技であり、魂です。

私の防音職人の特長は「見えないところの施工要領・品質」にあります。見えるところを丁寧に仕上げるのは当たり前ですが、見えない所も丁寧に施工することが、私の設計仕様・施工要領です。

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