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木造は防音に不利なのか

専門業者や建築士が「木造は遮音性能が低い」「防音対策には不利」とウェブサイトに掲載しています。

本当にそうなのでしょうか?どういう根拠でALC構造やRC構造より不利、性能が低いと評価しているのでしょうか。

私は、現在のマンションやRC・鉄骨戸建住宅が、GL工法や断熱ボード(発泡材)、ALCパネル工法を使用している限り、木造を同じ厚さで構造的な補強や防音施工を加えれば同等以上の遮音性能が確保できると見ています。

実際に私の担当する木造防音室は、既存面より約40ミリの防音施工でD-50以上を確保できています。外装材・軸組み・内装材を含めて総厚約190ミリです。(防音材を含む)

マンションやRC・鉄骨戸建の外壁は、内装を含めて約240ミリ以上の厚さです。遮音性能はD-50からD-55程度です。※GL工法や断熱ボード工法を使わなければD-55からD-60程度の遮音性能があるのですが。

私の生活防音の設計仕様で厚さを同じ240ミリ以上にすれば、D-55以上が可能です。まったく木造は遮音性が不利な構造とは言えないのです。

先入観やネット上の情報だけで判断すると間違った評価になる

木造の防音設計を知らない建築士や専門業者が軽々に、木造は遮音性が低いというのは間違っていると思います。彼らは自分で設計・施工した建物を分析したり、有効な防音設計を研究しないから分からないのです。

実物を検証したり、歴史的な建造物を勉強すれば、木造でも遮音性能は高いということが理解できるはずです。昔の木造は外壁内部に土や漆喰を使用して耐火性能と遮音性能を高めた建物があり、それは伝統的な工法です。

木材は空洞とつなぎ目の隙間がなければ、同じ厚さのALCやコンクリートブロック、RC壁以上の遮音性能を持っています。

私の木造の防音設計では、内部にグラスウールやロックウールを充填して、ALC造やRC造の住宅以上の遮音性能を確保できます。同じ厚さの構造によって実現できます。

木造は基本的に「通気・換気層」と「遮音層」「吸音層」を区分して構成することが出来るため、防音室でも従来の床下換気と壁内通気を、そのまま確保できます。それが私の木造の防音設計の方針です。

防音相談の電話やホームページだけの情報では本質を理解できない

ネットで情報を調べたり、専門家に電話で質問して答えや方針を聞いても、実は重要な内容を理解できない。

自分が苦労して書籍・専門資料(マニュアルを含む)から読み解いて要点を理解すること、実際に防音施工をした実例を測定したり、自宅での生活体験・実験などを勘案することによって、初めて重要な事項に気づくことが多いものです。

地道な努力を重ねて、既往の事例や机上の理論、マニュアルを補正していく努力が最も重要です。設計施工して実践しないと本質は理解できない。

ネットや電話で理解できた気分になっても、時間が経てば何も残らない。

頭を使わないネットでの閲覧やコピー、電話でのヒアリングは、実力のない人には余り身につかないのです。専門書もネットで概要を閲覧するよりも、実物の図書を読み解きながら、要点を書き写す作業のほうが記憶に残ります。頭を使った分だけ自分の知識になります。

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