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心のない者から良い音楽室は出来ない

大学時代の恩師(建築学科担任及び研究室の指導教授)には技術的な専門知識は教えていただいた記憶がない・笑。出来の悪い弟子だったかもしない。
だが、心構えや技術者・研究者としての追求心を教えていただきました。これは生涯忘れることは有りません。

目先の利益や功名心に惑わされずに、クライアントの希望・心はとても大事にしようと自分なりに努力してきました。
「腐った恩師からは、腐った弟子しか生まれない」と私は考えています。それだけ、先人の教えや指導者の影響力は大きいのです。
同様に、腐った心からは「良い木造音楽室」は生まれることはないと思います。そして、依頼者(クライアント)の心も極めて重要です。

専門家として、依頼者に顔が見えるのが「防音相談」です。最初の提案書に技術者としての特長が表れます。その人のスタンスや価値観が技法以上に大事なものとして考えるべきです。専門家と依頼者双方に共通した理念・心です。これをお互いに理解し合えるかが重要です。

ピアノ室の依頼者から学んだ事は多い

とくに、限られた予算の中で、一緒に音楽室を造っていこうと、誠実に向き合う心を持ったクライアントから、心をいただきました。
*それは住宅の生活防音の施主も同じです。
誠実な依頼者と共鳴するような専門家の取り組みは、私の原点であり根幹をなすものです。

一方、こちらの提案やコンセプトを理解されない残念な相談者も居ます。毎年のように見積金額や看板の知名度だけで判断する人も居ます。
提携先の建築士が苦労して作った見積書や報告書の労力を軽視する相談者には、再相談はありません。

私も提携先も、依頼者(契約者)から喜びの声をいただくことが、最大の報酬だと考えています。提携先は職人集団のチームです。
私も「防音職人」と屋号やウェブサイトの総称を名付けたように、職人の技術や心を大事にする手法です。
依頼者にご理解いただけることが、なによりのモチベーションになっています。

ぶれない防音相談と仕事仲間

木造の建築や木造音楽室(ピアノなど)にこだわるのは、職人の技術や心構えが多くを語る世界だからです。
日本の伝統的な木造工法、家具工作技術は、とくにピアノ音楽室(防音室)に活かすべき内容があり、音響的にもマッチします。

耐震性を含めた構造的な補強や心地良い木材の感触など考慮すべき設計仕様は、依頼者および職人の十分な理解があって初めて実現するものです。
防音相談では、依頼者の考え方及びご希望を確認することから始めます。

提携先は、私の考え方に同調して今まで一緒にやってきた仕事仲間です。なので、私と依頼者の価値観の整合性を見ます。それが私の提案書(計画書)に表れます。防音相談は提案書を作るための大事なステージです。

今年も、色々な相談者・依頼者に向き合っていますが、取り巻く事業環境は厳しくなっています。苦労して提示した提案書(計画書)が報われないことも少なくないです。
しかし、原点や初心を忘れないように、再度自分のウェブサイトの更新やブログ投稿で、少しでも自分たちの考え方や実績が伝わるように、情報を焦らないで地道に伝えていきたいと願っています。

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