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木造の防音設計セカンドオピニオン

契約者と防音相談の予約者からの質問が多いので、再度、この記事で補足説明をいたします。※他の記事との重複は気にしないで下さい。
「木造住宅の生活防音及び木造防音室の専門家を調べる際にホームページをチェックするポイントを教えてくださいと言われます。ですが、建築士でさえ探すのが大変だといいますので、一般の人には判別するのが難しいと思います。」

見分ける主なポイントの重要性について述べます。「理想的な遮音材・吸音材・制振材に対する説明」「素材の周波数特性(透過損失など)に対する理解」「質量則を超えた相乗効果や大幅に遮音低下するコインシンデンスへの配慮」この3つの項目が木造の防音設計の常識として重要です。

専門家を選ぶ際に迷ったら、遠慮しないでセカンドオピニオンとして他の専門家の意見を聞くと良いと思います。

防音設計の専門家について

私自身が他の専門家(建築士・プランナーなど)から「餅は餅屋に限るので、相談者(施主)を紹介したい」と言われることがあります。地方都市のある大手の建築会社の建築士、自営業の建築士からもご紹介を受ける際に、上記のような言葉をいただきました。

他の投稿記事でも述べましたが、建築士も防音設計エンジニアも、みな専門分野を持っており、ホームページやブログを見れば「実績や設計方針などコンセプト」が掲載されているはずです。
私の場合は、提携先が木造が得意な建築会社であったり、自営の建築設計事務所との協力関係があり、東京・神奈川に限らず、地方の案件について「防音設計・コンサルティング業務」だけ契約することも増えています。

彼らは「コンクリート構造のスタジオ防音室や大規模な音楽ホールの設計手法と木造の設計手法は、かなり違う」と言います。むしろ、木造の防音設計マニュアルがない、専門的な資料や書籍類が殆ど存在しないという特殊な世界です。

ちなみに、防音室を設計施工する専門業者が専門家だとは限りません。
担当者の実績や説明内容を見れば分かるように、専門家不在の専門業者のほうが圧倒的に多いです。会社組織には「木造の防音設計ができる専門家」は居ないと考えたほうが良いと思います。
木造の防音設計が得意な専門家は、個人事業主(自営業)として、提携会社と一緒に活動していることが多いのです。大きな会社では採算性の低い分野だからです。

専門事項のヒアリングと回答を重視する

「理想的な遮音材・吸音材・制振材に対する説明」「素材の周波数特性(透過損失など)に対する理解」「質量則を超えた相乗効果や大幅に遮音低下するコインシンデンスへの配慮」この3つの専門事項は、相互に関連している内容であり、どれかが欠落すると、不完全な防音設計になります。

木造戸建住宅、木造共同住宅、音楽防音室(主に木造)いずれも共通した専門事項があり、使用する一般の建築材および専門的な防音材には木造・用途に適した製品を選んで組み合わせる必要があります。

上記の内容について、施主として、担当する現場の建築士として、専門家と思われる人に率直に質問するべきでしょう。回答がなければ、その専門家は貴方が探している人物ではないと考えたほうが良いと思います。
*メールで問合せたあとで、電話して確認するといいです。

手間を惜しんでいては、良い専門家は見つかりません。医療の世界でもセカンドオピニオンは既に常識です。
処方箋が間違っていれば、木造の防音設計そのものが成立しません。無駄に分厚い構造体を構築したあとで、修正しようとしても無理です。
一生の買い物を台無しにしないように、頑張って専門家を探して下さい。

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