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物を減らして良かったこと(海外留学編)

昔は捨てられない人だった、けれど今はゆるミニマリスト

かつて、私はたくさんの物を持っていた。物に思いを感じて捨てられず、不安を解消するために買い、とにかく必要以上に物を所有していた。子育て中の現在は、ゆるミニマリストだと思う。この10年間、持ち物を減らす度に少しずつ考え方や暮らしぶりが変わっていった。結論から言うと、私にとっては、物を減らして良かったと感じることの方が多い。第1弾は、私が片付けの必要性に気づくきっかけとなった、遡ること10年前の海外留学編。

物が多いことを実感した引越し

最初に物を減らす必要性を感じたのは、大学在学中の留学のために、一時的に荷物を実家に移すことになった時だった。初めての1人暮らし用の1Kには、たくさんの物や思いが詰まっていた。服、本、ぬいぐるみ、家具、書類、調理用品、掃除用品、、、どれも大量にあり、引っ越すときは荷物を全て運び出すまでに、大人6人がかりで数時間かかったのを覚えている。

やたらと多かったのは、ぬいぐるみ、本、調理用品。今思うと、初めての一人暮らしで、さみしさを紛らわすためのぬいぐるみ、知識をたくさん身につけたいがための本、ちゃんと自炊をしようと張り切った結果の調理用品、どれも私の気持ちのプラス面もマイナス面をも映し出したような状態だった。

今度は、アパートから実家へ引き揚げた荷物の中から1年間の海外生活に必要(そう)な物を取り出していく。大きな段ボールに詰め直して、海外現地に送るために郵便局へ。海外への発送品は、重さで料金が変わるのを窓口で知り、計ってみたら送料1万円ほどになった。

次は、20キロ制限のスーツケースと手荷物用のスーツケースに5キロほど、これでもかというほど、現地に到着してすぐに使う(であろう)もの(パソコン、1週間分の着替え、洗面用品など)を詰め込んだ。航空会社の荷物制限が無ければ、まだ持って行っていたかもしれない。全部で25キロほど。車で空港まで送ってもらい、家族に空港カウンターまで荷物を運ぶのを手伝ってもらった時点では、この荷物を1人で引きずりながら、長い国際空港をウロウロする羽目になることなんて知るよしもなかった。

度々の乗り継ぎ

私は地方出身。そこでは車移動が当たり前。通学でバスや電車を使ったことがあったとしても、荷物が多いような日は車で移動するため、重くて大量の荷物を1人で管理し、運ぶことへの予測が足りなかった。

数日前にパッキングし終えた25キロの荷物と、大きな不安と期待の気持ちをも抱えながら、地方空港から伊丹空港までの便に搭乗出来て安心した。が、旅は始まったばかり。最初に目指すのは、関西国際空港。この先、何度も乗り換えをすることになる。何度も何度も。

あの日の空模様は、雨。風の強い日だった。飛行機は揺れに揺れ、緊張もしていたのか、瞬時に乗り物酔いをした。ふらふらになりながら、ようやく伊丹に到着して地面に足が着いたと思ったら、今度は高速バスでの移動。受け取った手荷物が、思っていたよりも重くて、バス停まで道路を渡って移動するのにも、2月なのに少し汗ばむほどだった。

バスに荷物を預ければ、また少し楽になるが、再び乗り物酔いが悪化。これだ。海外生活だの、留学生活だの、私自身、憧れて努力して、サポートしてもらって、ようやく実現できた夢であったが、現実は現実だ。だから面白いのだが、良くも悪くも予期しない事態が色々起こる。初っ端は、乗り物酔いによる体調不良。荷作りをした時は、乗り物酔いで気分が悪くなっていて、重い荷物を運ぶ余裕など無くなっているかもしれないなんて、予想もしていなかった。

関西国際空港に到着して、再びようやく地面に足が着いたと思ったのもつかの間、また重い荷物をカートに乗せて、搭乗手続きのカウンターまで運ぶ。だが、国際空港は、思っていたより広く、カウンターが遠い。時間の余裕も無い上に、気分が悪く、荷物も重い。出発前は、荷物を運ぶのなんて、一瞬だと思っていたが、度々運ぶことになると、徐々に荷物を運ぶこと自体にも疲れを感じてくる。

カウンターで20キロのスーツケースは預けられたが、5キロの機内持ち込み荷物はずっと持ち歩かなければならない。カウンターから保安検査場まで移動して、搭乗口に移動するまで、また荷物疲労が蓄積して行く。荷物が多かったり、パソコンを奥にしまいこんだりしていると、保安検査のために取り出すときに苦労したりする。保安検査場を過ぎたら、出国審査。パスポートと搭乗券を見せる。搭乗口でも搭乗券を見せ、飛行機の入り口でも、座席番号を確認するためにまた見せる。こんな感じで、カウンターで手続きをした後は、ちょこちょこ貴重品を出し入れすることが多い。持ち物は、必要なものだけにしておくと、非常に効率がいい。と言えるのは、非常にモタモタする経験をしたからだろう。

出国審査ゲートから搭乗口までも、その時の行き先等によるが、やはり国際空港は広いので、たいてい遠い。よりによってあの時は、一番反対側の搭乗口まで移動しなければならなかった。なんなら、バスかモノレール?みたいなもので移動した記憶がある。乗り物酔いと慣れない空港での手続きにそろそろ疲れてきたところで、5キロの荷物を引きずってずっと歩き、階段を登り降りし、ゆとりのない機内で他の乗客に当らないように気をつけながら引きずり、頭上の収納まで人に当たらないように気をつけながら持ち上げて入れる。

あれれ?そういえば、ここまで機内持ち込み荷物の中身を取り出したのは、一度だけだった。保安検査場でパソコンを取り出した時だ。そのスーツケースは、ほぼパソコンを運ぶためだけに持っていたようなものだ。(あの時のノートパソコンは2キロほどあったが、現代ならさらに荷物は軽くて小さくて済むだろう、、)

目的地まで9時間のフライトでは、国内線から引き継いだ乗り物酔いが復活し、地獄のような時間を過ごした。本当にふらふらになりながら飛行機を降りて、またあの重い荷物を手荷物受け取りまで迎えに行く。そこから、知りもしない海外の国際空港で、シャトルバスを探す。(この時の国際線は、良くも(乗り継ぎ少ない)悪くも(酔ったら長時間苦しみ続ける) 直行便だった。ああ、なぜ私は、こんなに重い荷物を持ってこなければならなかったのかと、自問してももう遅い。もはや、意地でも持っていった方が早い。乗り物酔いと共に、次の乗り継ぎ、シャトルバスに乗り込んだ。

シャトルバスは、留学先の大学の寮の入り口まで連れて行ってくれた。まさかの、留学案内に書かれていたのは「シャトルバスに乗ってください」まで。運転手さんは「Have a good day :)」みたいな会釈をして、颯爽と去っていた。「え?運転手さん大学の人じゃないの?誰もいなさそう?」南半球の2月、夏心地の土曜日昼下がり、寮の事務所は無人で、鍵までかかっていて、学生も大学職員もご近所さんも誰1人見当たらない。初めての海外、初めての土地、誰も知らない、何も知らない、日本の携帯はあるけど、現地で電話できる人知らない。。。。。。。

「!?」

置いていくわけにもいかないので、25キロの荷物を引きずって、でこぼこしたアスファルトやらレンガやら芝生やらの道を歩き回って、とにかく人間を探す。どのくらいの時間探しただろうか。1時間くらいだったとは思うが、「え?野宿?」の不安のあまり永遠にも感じられるほど長かった。ようやく学生1人を見つけ、カタコトの英語で事情を話し、寮長の1人が帰宅するまで部屋に滞在させてもらうことになった。身に沁みる水1杯(不安と安堵感で泣きそうになりながら飲んだ)をいただいて、2時間後、自分の部屋にたどり着いてようやく荷物から手と目をはなすことができた。前日に地元の空港を出発してから、およそ1日半後のことだった。

翌日、目がさめると右側の肩と腕と足が痛い。あれ、どうしたんだろう?と一瞬焦ったが、この知っている感じの痛みは、筋肉痛だとすぐに分かった。原因は、間違いなく、荷物運び。もはや文字通り最初から最後まで、引きずることしかできなかった、重い荷物。帰国するときは、絶対荷物を減らす!と到着翌日には誓った。


今だから言える、海外留学生活で本当に必要なものとは

海外留学生活で必要なものと言っても、日本で暮らしていたって、みんな必要なものは異なるのだから、一概には言えない。でも、どなたかの参考になり得ることもあるかもしれないので、触れておく。

最初の南半球への留学から4年の間に、2度の長期留学で色んな経験をして(例えば、さらっと言うと、ナゾの蕁麻疹が出る風邪にかかったり、ひどい低温火傷をしたり、クレジットカードが行きの飛行機代で学生の使用限度額に達して、初っ端から学費と寮費だけでなく、その日食べるものを買うお金も手元になくて、知り合ったばかりの学生からお金を借りることになったり、なんなら事故にあったり、ホームシックになったり、勉強について行けなくて苦労したり、なんなら2週間ほどホームレス状態になったり)、とにかくがむしゃらに、時には人の手を借り、時には這ってでも全部乗り越えた。その口から言わせてもらうと、

あなたがこれから向かう海外現地には、そこに暮らしている人々がいるので、それほど物を持っていく必要はない、ということだ。そのことを一歩下がって俯瞰して見ると、こういうことだ↓

人間が暮らしている=必要なものは全て現地で揃えられる

基本的には、

☑️ パスポートとビザと搭乗券

☑️ 安全な額の現金

☑️ ちゃんと使えるクレジットカード

☑️ スマホかタブレットかパソコン

☑️ 2泊3日分ほどの着替えと洗面用品

☑️ 常用する薬

☑️ 自分がどうしても必須だと思うもの、以上。

基本的に生活用品は、現地で調達した方が良い。

服や電気製品なんて、特にそうだ。服は、現地で買ったものを着ていた方が、断然現地に馴染むのが早いし、外国人だと分かって、盗難やら詐欺やら変な誘いやらに遭ってしまう確率も下がる。電気製品は、ワット数とかボルト数とか全然違うから、ソケットだの何だの揃えて、日本からわざわざ持って行くより、どうしても必要なら現地で買った方がいい。持って行ったところで、移動の衝撃で壊れたり(私のパソコンのように、、、、、泣)、変圧器とか使っても、なぜか使えなかったりする。

化粧は?したければ、すればいいのだが、海外の大学生は、大学に授業を受けにキャンパスに行くときに、スウェットだのTシャツジーンズだの、大学のロゴトレーナーだのを着ている人が俄然多いので、お化粧している人いたっけ?という感じだ。大学に授業を受けに行くために、おしゃれをして行くという認識が無いように思える。(そのかわり、オシャレのONとOFFがはっきりしていて、パーティーとかフォーマルな場では、見違えるくらいにバッチリ決めてくるので、そのギャップがカッコ良い。)日本の大学のキャンパスで見かける人々とは雰囲気が違っていた。まあ、文化の違いだ。私も1週間も経たないうちに日焼け止めだけして、大学に行くようになった。

シャンプーは、現地の水馴染みもあるから、現地の物を使った方がいい。私の場合は、海外に行く度に水に慣れるまで抜け毛が酷くて、本当に髪が無くなるかと思ったが、現地のシャンプーを数種類試すうちに合うものが見つかった。洗顔や基礎化粧品も、アジア人が多く住んでいるから、大丈夫。大抵、肌に合うものが見つかる。何なら、オーガニック基礎化粧品なんて、日本より手に入りやすいかもしれない。

食べ物なんて、尚更だ。重いし、何なら入国審査で、お肉はなんちゃらだからとか言って、レトルトカレーも没収されたことがあるくらいなので、現地調達必須だ。どうしても食べたければ、大手スーパーのアジア食品コーナーには、割高だけど日本食品が置いてある。アジアマーケットに行けば、さらに手に入る。どうしてもどうしても必要なときは、頼める人に後から送ってもらえる。苦労して、運んで持って行く必要はない。

まあ、2泊3日程度の洗面用品と着替えとタオルを持って行って、買いに行けるまで繋げれば良い。マフラーだの、ジャケットだのの季節物は、現地の気候に合ったものを買った方が良い。(2度目の留学先では、70年に一度の大寒波が来て、体感温度摂氏マイナス60度を記録したため、日本から持って言ったおしゃれコートは通用せず、現地のアウトドア用品店で買ったスキーウェアが日常のアウターになった。)

他に、これは?ということを聞きたい方がいらっしゃったら、コメントや下記にもあるGoogleフォームから直接聞いてくださったら、お応えしたい。

ほとんど留学レポートになってしまった、物を減らして良かったこと(海外留学編)だが、1度目の海外渡航以降、数度の引越しと何十回もの乗り換えを経験した私が持ち物を激減させたことは言うまでもない。帰国するときは、来ている服以外は全てThrift shop(中古品店)に持ち込み、読まないであろう本は譲ったり、売ったりして、生活用品は全て処分した。その当時は、専門の本だけはなかなか手放せなかったので、荷物はそれなりに重かったが、日本の国際空港まで運んだら、そこからスーツケースを丸ごと自宅まで国内発送する知恵もついた。海外渡航も留学生活も物を減らす過程も、何もかも失敗して練習を重ねて上手くなっていくのだろう。この、始めたばかりのnote活動もきっとそうだ。

物を減らして良かったこと続編 子育て生活編 

留学生活を終えてから6年後、物が少ない独身生活、物が少ない新婚生活からのだんだんと物が増えていく子育て生活に移行し、なんだか気がつけば物が溢れているように思え、片付けるのも自分の感情をコントロールするのも上手くいかなくなっていた。イライラしたり、モヤモヤしたり、人のせいにしてみたり、自分のせいにしてみたりしてみたが、全然前に進める気がしない。妊娠産後自粛家庭保育生活の中で、唯一前に進んでいる感をもたらし、自分がしたいことをはっきりさせていくきっかけになったのが、過去の自分、今の自分、そして未来の自分と向き合うきっかけとなった物を減らす片付けだった。片付け関連の情報を調べて、片付け方がもたらす効果を知り、再びものを減らすことを実践していった結果とは、、続編 子育て生活編に続く。

今日も良き日を。

Enjoy your moment, enjoy your life.


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