白血病を子供にどう伝えるか

~冒頭~

僕の好きな人たちに伝えたいことの一つです。
僕というフィルターを通して、
少しでも病気を身近に感じてくれたなら
家族で考えて、話してほしいのです。
家族みんなで眺める星空は綺麗です。

もしもあなたが病気になったら
あなたなら
誰に
どのように
伝えますか?


病気になると色々な方からご配慮いただける訳です。
私の場合、病気病名はフルオープンのスタンスです。
わざわざ、近所の知り合いのおじいちゃんにまで言っていますw
別に悪い事している訳じゃないし、隠す必要性を感じられません。
もしも、私が「白血病」なんです。と言って迷惑をかけてしまっている家族や親族がいるとすれば大変申し訳ない。のですが、そこまで社会の理解力が低いとは私は思っていません。
とは言え、病気というものはセンシティブな内容です。
女性の方は脱毛など外見的に社会に馴染めないなど問題もあります。

病気を人に伝えるということで、考えるべき一つの対象者。
それは自分のこどもです。
私は自分のこどもには明確に伝えるつもりです。
病気の知識がなければ、
「おめぇの父ちゃん病気なんだろ!近づくな、うつるー」
とか言ってしまうお友達が周囲にいるかも知れません。
でも、言う側を咎めるのではなく、自分の子供には自分の言葉で反論をしてもらいたいと思います。
それが正しい教育だと思っています。

私の願いはほんの少しの興味と、少しの理解を深めて頂けることです。
そんな想いで本日は記事を一本仕上げます。

今回は病院内にあったHopeTreeプロジェクトチームの冊子を参考に書かせて頂きます。

~こどもに病気を伝えた方がよいか?~

白血病を診断された後、妻と二人で泣きました。
そんくらいインパクトありますよね。
でも、大人2人で感情を表現できるからいいですよね?
自分は、子どもにその感情を表現する場を与えたでしょうか?

私がもしも子供だったら、
「ちゃんとわからないだろう」や、
「不安になるんじゃないか」で
伝えることをしなかったら
その親に対して
「ふざけんな」
というと思います。

心配させたくないから子供には知らせない方が良いという考え方もありますが、
子供は気づいていると思います。

私の場合
1ヶ月単位で家を空けます。
白髪に悩んでいたはずが、ハゲになります。
何故か毎晩ビデオ電話で背景がベットの上で喋っています。

子どもは家族の主要メンバーです。
しっかりと病気と向き合ってもらい、
しっかりとサポートをしてもらいます。

互いに感情をだして、病気と相対しましょう。

~どのように伝えるべきか?~

HopeTreeプロジェクトチームの冊子を参考にさせていただきます。

① 伝えたいことをかきましょう。
② 子どものリアクションを予想しましょう
③ 静かな場所で話しましょう。(携帯などはどっかにぽーい。)
④ 話すときは子どものリアクションをしっかりみましょう。
⑤ 拒否反応があった場合は話を止め、時間をかけてでも、その気になる時を待ちましょう。
⑥ 「3つのC」を伝えましょう
⑦ 悩んだら、医療ソーシャルワーカー、臨床心理士、チャイルドライフスペシャリストなど専門家に相談しましょう。

まとめるとこんなところでしょうか。
伝える相手の対象年齢や環境によって違いますが、それは身近な親がよく知っている事。
大事なことを準備をし、伝えること。
思い通りにいかなくても、伝える相手のペースに合わせて話しをすることだと思います。

3つのCについて次に載せます。

~3つのC~

KNITプログラムというものがありまして、
KNIT→Kids Need Information Tooの略
子供に親のがん患者をどう伝えるかというプログラムがあります。
その中で3つのCが重要と考えられています。

・not Caused(誰のせいでもない)

年齢が低い子どもほど、「自分が悪いことをしたから親が病気になってしまった」と思い込む傾向があり、思春期の子どもであっても「自分が心配させたから免疫が低下して病気になった」などと自分を責めることがあります。
がんという病気は、誰のせいでも、何かをしたから、
あるいはしなかったからなるわけではないことをきちんと知らせ、
子どもが自分のせいだと思い込まないようにしてあげましょう。

子どもの頃に、
親に対して「死んでしまえ!」って思った矢先に
「本当に死んだらどうしよう。。」みたいに急に不安になる感情わかりますでしょうか?

男の子なんて、子供の頃は乱暴な言葉をよく使います。
今思うと、感情のコントロールが出来ずに、
一瞬その方法性に感情が爆発するんだけど、
即座に理性が働いて、爆発した感情に嫌悪感すら覚えるような。
ま、とにかく精神的に不安定な部分も多いわけですよ。
生きていっているということですよね。

息子・娘が自分を責めないように伝えましょう。

・Cancer(がんという言葉を使う)

“病気”という曖昧な表現をすると、子どもは独自の考えや想像を働かせます。
その結果、より大きな不安や混乱をきたすことにもなりかねません。
“がん”という言葉を使って、風邪のようにすぐ治る病気とは違うことを知らせることも大事です。子どもの年齢や理解力に応じて、がんの種類(乳がんやリンパ腫など)、身体のどの部分にがんがあるのか、生活にはどのような影響があるのか、なども伝えましょう。

以前に白血病ってがんなの?でも書きましたが、白血病は大人でもいまいち理解しにくい病気です。しっかりと伝え、どんな治療をしているのかこういう理由でおうちに帰れないというのをわかってもらうのは大事だと思います。

・not Catchy(伝染しない)

正しい情報を知らされていないと、抗がん剤で親の髪の毛が抜けたりしたした場合に、「自分も何か病気になると、髪の毛が抜けるのかな」と病気全般を恐れたりします。
風邪やはしかなどとと違い、伝染しないとはっきり伝えることが重要です。
小さい子どもには、「お父さん、お母さんと同じアイスクリームを食べてもうつらないのよ」などと分かりやすく説明しましょう。

子どもがいじめにあうとすればおそらくここだと思います。しっかりとここの部分は教えるべきです。

~どんな治療をするのか伝えよう~

どんな治療をしてどのような症状や副作用が予想されるのか、どの位かかるのか。
何が一緒にできないのか?お散歩できる?お風呂入れる?一緒に寝れる?
出来るならば何を気を付けるのか?
手術後であればお風呂などで手術跡をみせて「ここからお医者さんが病気さんを取ってくれたんだよ」など話しをしましょう。
私の病棟は12歳以下の子供はコロナなど関わらず、面会は禁止されていますが、病院に連れていき、様子を見せるなども理解が深まります。

~末尾~

年齢により伝え方も様々かと思います。
年齢に限らず、個々感じ方・捉え方は違いますよね。
私の子供は3歳と5歳ですが、中学生くらいの子どもであれば「お金なくなるのかな?」と思い、私立から公立への受験に変える・進学を諦めるなど考えることもあるかも知れません。

ご年配の方ほど、白血病を含めたがんという病気は不治の病という感覚があるかと思います。
「子供がより強く不安を感じてしまうのではないか」
など助言をしてくれる人もいるかも知れません。

ただ、どんな時も子どもを子ども扱いしない方が良いと思っています。
大人よりも多感だとは思います。感傷的で敏感であると思います。
だからこそ目の前にある物事は消化させていく必要がよりあるのだと思います。
一人で考えさせるのはやめましょう。みんなで話して、みんなで考えましょう。
もし子供に伝えるのを躊躇っている方がいるのならば、
「大丈夫」
と伝えたいです。
あなたの子供はあなたが信じましょう。
まずはそこからだ!!

偉そうなことを言っときながら、私も伝えるはまだ進行形です。
病気が治るまで進行形ですよね。

何か追記することがあれば、また追記させて頂きます。

ご覧いただきありがとうございました。