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選曲は理論と感覚どちらが大事?

こんにちは!サウンドブリックスの上野です。
僕はテレビやwebなどの映像に音楽をつける音響効果という仕事をしています。今回は選曲はと「理論と感覚、どちらが大事か」ということをテーマに自分なりの考えを述べていこうと思います。

その前に…ちょうどこの記事を出そうと思ってたら作曲家の和田貴史さんが「音楽を作るのは勘か?理論か?」という同じようなタイトルでYoutubeにあげられてましたのでこちらも気になる方はチェックしてみてください。

和田貴史さんの考え方はなるほどなぁと思わされることが多く奥深い話でした。作曲家ならでは…という感じがしました。一方で僕の考えはもう少しシンプルかもしれません。

結論から言うと

テレビ(特にバラエティ)をやるなら理論:6 感覚:4で理論が大事

と思っています。

僕が音効を始めた頃「なぜその曲を選んだか説明できるようにしろ」とよく上司に言われていました。今思い出してもかなり理詰めで考える上司だったと思います。選曲の意図をはっきりさせることによりクライアントであるディレクターに選曲の質問をされても答えられるようにする、というのが真意だったようです。ただ、経験を積んでいくうちに「なんでも理詰めで考えるのは面白くないな」と考えるようにもなりました。
例えば歌手の歌声に感動したとして

・腹式呼吸がめっちゃできてる!
・ブレスコントロールがうまい!
・横隔膜が下がってる!

….みたいに理屈では考えないと思うんです。クリエイティブは答えがないから面白いし、感情が動く時って理屈では説明できない時もありますからね。
なのでセンスや感覚もすごく大事ということに変わりはありません。

でもやっぱり理論の方が大事だと思うのは映像の編集が計算されて作られているからです。テレビのディレクターさんは優秀な方ばかりですが、さらに上層部からのチェックも入ったりするので放送に辿り着くために修正などもこなしながらいろいろ計算をしてVTRをつくりあげています。

「どうしたら面白くなるか」
「どうしたら視聴者に見てもらえるか」
「どうしたらコンプライアンスにひっかからないか」

など様々な思考とプロセスのもと、世に番組として発表されています。理論的思考なくしては放送にはのせることはできないといえるでしょう。

音効は計算されて作られたVTRを元に作業をする

選曲という業務はゼロイチで何かを生み出すものではなく、1を10にする作業です。なので大元になっているVTRがしっかりと理にかなった構成がされていれば自ずと選曲も理論立てて構成するようになる、というのが僕の考えです。

一方で感覚のほうが重視されるコンテンツも存在します。それは「音の比重が大きい作品」です。例えば天気予報など映像と音楽だけで見せる作品や、CGだけで構成されたタイトル映像のようなものなどです。時にアーティスティックなセンスも求められることがあります。

ただこのような作品はバラエティの世界ではあまりなく、やはり感覚も大事にしながら理論を重視していく選曲が大事だと思っています。

それが先述しました結論を「テレビ(特にバラエティ)をやるなら理論:6 感覚:4くらいの割合で理論が大事」と結論づけた理由です。

いかがでしたでしょうか?
考え方は人によって様々だと思います。
これはあくまで僕の個人的な見解ですが自分の中にある考えを綴らせていただきました。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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