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「茶道の作法」に縛られずにお茶を楽しむこと

日本文化として誰もが知る茶道ですが、一般の方にはとっつきにくい、敷居が高いと思われているようです。

その理由として、作法がわからない、作法が難しそうと言わることがあります。ただ「お茶を飲む」だけをお勧めしても、躊躇してしまうようです。

今回は、お茶のいただき方を解説しながら、なぜ「茶道の作法」に縛られるのか、それから解放されて楽しむことを説明したいと思います。

お茶のいただき方

抹茶は亭主(お茶を点ててくれる人)が心を込めて点てていますので、それを感じて召し上がっていただくことをお勧めします。ただそれに尽きます。

そうはいっても、まず「茶道の作法」を少しだけ具体的な手順として紹介します。

亭主があなたのために、とても思い入れのある茶碗を使ってくれていると想像してみてください。

抹茶の入った茶碗を出されたら、
①抹茶茶碗は両手で持ちます(片手で持つと滑ってしまうといけないので大事に扱います)
②頂く前に、「いただきます」と声に出して亭主に挨拶します。
※茶道の作法としては、畳の上に茶碗を置いて、手をついてお辞儀をしながら「お点前頂戴いたします」と言います。
③両手で茶碗を手に取って茶碗に黙礼をします。(抹茶を作った農家や茶碗を作った作家や諸々に感謝するためです)
④茶碗の正面に口をつけることを避けるために、左手のひらの上に茶碗を乗せて、右手で廻します。(ちょっと正面は遠慮するつもりで)
⑤口をつけて味わって飲みます。
⑥飲み終わったら、茶碗の正面をもとに戻して畳の上に茶碗を置いてから、良く眺めます。思い入れのあるお茶碗かもしれませんから。
⑦亭主に感想を述べたり、抹茶の銘柄をたずねたり、茶碗をたずねたり会話を楽しみます。

知ってほしい本質

繰り返しになりますが、お茶のいただき方の本質は、心を込めて点てられたことを感じて、ただ召し上がっていただくことです。

先の手順の①から⑦まで、ご飯を食べる時とそう変わるところはないと思いませんか?

④の正面を外すは、あまり聞いたことがないかもしれません。けれども神社にお参りに行くとき、真中は神様がとおるので参拝者は少し端を歩くものという、日本人の“ちょっと遠慮する”考え方に通じるものがあると思います。

なぜ堅苦しいのか

茶道の稽古は、道として修業をされることにもあたります。畳の部屋で教えを学び、道を納め励んでいるのも茶道の一面です。それを堅苦しいと思うのも無理もないですね。

ところが、喫茶というコミュニケーションのツールとしてのお茶に堅苦しいことは何もないはずです。(もし堅苦しかったらそれはちゃんともてなせていないことになると思います)

お茶はかしこまらないといけないという先入観、堅苦しいという固定観念に縛られて、本質を忘れていませんでしたか?

お茶の楽しみかた

海外でお茶ふるまった時は、どうやって飲むの?どうして泡だっているの?と興味津々に外国の方がよってきました。イベントでお茶を点てていると子供たちは面白そうに近寄ってきました。

皆さん、「抹茶は思ったより苦くなかった」と感想を言ったり、ちょっと見慣れない茶碗を不思議そうに眺めていたり、自分でも点ててみたいとリクエストしたり、いろいろなリアクションがありました。

抹茶は、シャカシャカと点てる時の音、味、香り、茶碗の様子や触感、と五感で感じることができます。固定観念のない、外国人や子供のように、自由に楽しんでいただければよいと思います。

茶道をお稽古されている方も、五感で楽しむ、お客様を五感でもてなすことが茶人の心得と見直してみる時があっても良いかもしれません。

さいごに

いかがでしたでしょうか。
五感への刺激や、リラックスできるコミュニケーションから心が解き放される“お茶”は、正解のない今の時代にぴったりと思っています。

ビジネスでも、先入観や固定観念に縛られて、新たな発想や創造の妨げになっていてはもったいないと思います。



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