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18.月 (The Moon) 《タロットカード解説》


月 (The Moon) の全体解説

タロットカードにおける「月」は、大アルカナの中で最も神秘的で複雑なカードの一つです。カードには、夜空に浮かぶ大きな月が描かれ、その光は道を照らしていますが、その光は太陽のように明確ではなく、物事を曖昧に見せることがあります。カードの中央には2匹の犬や狼が月に向かって吠えており、その前には1匹のカニが水から這い出している姿が描かれています。遠くには2つの塔が立っており、これは現実と夢、意識と無意識の境界を象徴しています。

「月」のカードは、無意識、直感、幻想、そして誤解を表しています。このカードが出た時は、直感を信じつつも、自己欺瞞や他者からの誤った情報に注意を払う必要があることを示唆しています。また、精神的な迷いや恐れ、不安が増大する時期を示すこともあり、現実と幻想の境界が曖昧になることで、自分の進むべき道を見失う可能性を示しています。

正位置の解釈

「月」が正位置で現れた場合、これは直感や感覚が強まっている時期を示しています。物事がはっきりしない状況であっても、内なる声に耳を傾けることで正しい方向を見つけることができるでしょう。しかし、この直感は必ずしも明確なものではなく、何かを決定する前に深く内省する必要があることを示しています。また、幻想や誤解によって現実を正しく判断できない可能性もあるため、注意が必要です。

恋愛における解釈

恋愛において「月」のカードが出た場合、相手や自分の気持ちに対する不安や疑念が強まっているかもしれません。関係が不透明で、相手の本音が見えにくい時期を示唆しています。この時期は焦らず、相手の言動を慎重に観察し、直感に従うことが大切です。

人間関係における解釈

人間関係では、誤解や不信感が生まれやすい状況を示しています。相手の意図を疑ったり、自分の気持ちが曖昧であることが多いかもしれません。このカードが出た時は、冷静に状況を見極めるとともに、直接的なコミュニケーションを避けるのではなく、誤解を解くための努力が求められます。

仕事における解釈

仕事に関しては、プロジェクトや業務が不明瞭な状況に直面する可能性があります。上司や同僚からの情報が曖昧だったり、将来の見通しが不透明であることを示しています。この時期は、慎重な計画を立てるとともに、直感に頼りすぎず、確実な情報をもとに行動することが求められます。

お金における解釈

財政面では、収入や支出に対する不安や不確実性が高まる時期を示唆しています。投資や大きな支出に関しては、しっかりとリサーチを行い、リスクを理解した上で慎重に進めることが重要です。見えないリスクに対して警戒を怠らないようにしましょう。

逆位置の解釈

「月」が逆位置で現れた場合、曖昧さや不確実さがさらに強調され、混乱や誤解が一層深まることを示します。また、無意識の恐れや不安が現実化し、自己欺瞞や他者の欺瞞に陥りやすい時期でもあります。このカードが逆位置で出た時は、現実から目を背けず、冷静な判断と行動が必要です。

恋愛における解釈

恋愛においては、誤解や裏切りが生じる可能性が高まっています。相手の意図を誤解しやすく、関係が悪化する恐れがあります。この時期は、関係を冷静に見つめ直し、感情的な反応を避けることが重要です。

人間関係における解釈

人間関係では、信頼が揺らぎ、誤解や対立が表面化しやすい状況を示しています。感情に流されず、事実を冷静に見つめ直すことで、誤解を解消し、信頼を取り戻す努力が必要です。

仕事における解釈

仕事に関しては、誤解や情報不足による問題が発生しやすい時期です。プロジェクトが思うように進まなかったり、コミュニケーションの不足からトラブルが生じる可能性があります。この時期は、しっかりと状況を把握し、必要な情報を集めることが大切です。

お金における解釈

財政面では、誤った判断やリスクを過小評価することによる損失の可能性があります。この時期は、衝動的な決断を避け、慎重に財務状況を確認し、リスク管理を徹底することが重要です。


このように「月」のカードは、現実と幻想の境界が曖昧になる時期を示す一方で、直感や内省の重要性も強調しています。カードが示すメッセージを理解し、冷静な判断と行動を心掛けることが、このカードが示す困難を乗り越える鍵となるでしょう。

動画解説

こんにちは、月森です。今回はタロットカード大アルカナ18番「月(ザ・ムーン)」のカードについて解説していきます。

「月」のカードは、夜の世界を象徴しています。夜は、潜在意識や内面の課題、そして見えないものに対する不安や恐怖を表します。未来が不確かだったり、他人の考えが読めない、あるいは何か隠されたものがあるのではないかという疑念など、人が闇の中で感じる漠然とした不安の象徴です。

ここで、不安と恐怖の違いについて少し触れたいと思います。不安とは、目の前に具体的な出来事が存在しない状態です。一方、恐怖はすでに目の前にその出来事が現れている状態です。「月」のカードが表すのは不安です。例えば、夜の心霊スポットに出かけて幽霊が現れたらどうしようというのは不安です。しかし、実際に幽霊が目の前に現れたら、それは不安から恐怖へと一気に変わります。不安とは、目の前にあるかどうか分からないものに対する感情であり、未来に対するものです。対して、恐怖は今この瞬間に感じるものです。

「月」のカードには人物が描かれていません。これは、物事の主導権が自分にないことを示しています。カードの下部に描かれている水は潜在意識を表し、そのさざ波は感情の動揺を象徴しています。また、ザリガニは人の深層心理を表し、暗闇の中で道が見えない状態で進むべき不安を示しています。犬と狼は本能を表しており、何か危険を察知した時の不安感や警戒心を示しています。このような状況下では、冷静に現実を直視し、判断してから行動することが重要です。

「月」のカードに描かれている門は、二元論を示す白と黒、生と死、善と悪など、相反するものの象徴です。また、月は常に形を変えるため、掴みどころのない曖昧さを表しています。このカードは、今は行動を起こすべき時ではないというメッセージを伝えています。

次に、数字の18について解説します。18は現状維持を示し、動きがなく時間がかかることを意味します。18は9+9であり、9は隠者を象徴し、極限を目指す意味を持ちます。隠者が二人いるということは、物事が見えないという意味が強調されます。

「月」のカードが正位置で出た場合、未来が見えないことへの不安や隠し事、迷いや曖昧さを示します。逆位置で出た場合は、不安の正体が明らかになり、安心感を得られることを示しています。闇が晴れて、明るみに出るということです。

恋愛において「月」のカードが出た場合、相手の考えが分からない、不倫関係など曖昧な関係を示すことが多いです。こうした状況では、冷静に現実を見つめ、恐れずに自分の道を再確認することが求められます。「月」のカードは、恐れる必要はなく、再確認することで安心できるというメッセージを持っています。このカードが出た時には、恐れずに未来を見据えることで、前向きなリーディングが可能になります。

タロットカード解説マガジン


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蒼樹/占い師(ほしよみ堂・ココヨミ)
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