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2020/11/21「そういう朝の話」

・昨日早く寝たおかげで夜が明ける前に目が覚めた。暑い、暑すぎる。思わず枕元の時計に目を向ける。この時計、時間だけでなく温度も分かるし湿度も分かる優れもの。精度はよく分からないけどあってるんじゃないかな?いつみても湿度80%だけど。

室温25℃。昨日も25℃今日も25℃。いつから日本は恒温になったのか。

・部屋の中が暑すぎるから涼を求めて外に出る。薄っすら明るくなってじきている外を行く当てもなくフラフラと徘徊。久しぶりに夜明けに散歩をしたけど町が静かでいい。

深夜の徘徊も偶にするけど、深夜はあらゆるものが寝静まった世界を起こさないように静かに歩き周るような感じが好きなんだけど、夜明けの徘徊は背静まった世界と目覚めかけている世界の間を縫うように進んでいく感じがするのが好き。


・取り敢えず火照った体が朝方の冷えた空気で冷まされたせいなのか、体を動かしたおかげなのかは分からないがお腹が空いてきた。近くのコンビニでパンと缶コーヒーを買って帰る。普段は缶コーヒーを飲む事は無いけどこの時期になると缶コーヒーの直接的な熱が有難くて仕方が無い。

・缶コーヒーを飲みながら帰路を歩いていると近くのマンションの屋上から何かが飛び出したのが目に入った。一瞬ギョッとしたけど直ぐにそれが何かの紙だと分かった。雑誌のような新聞紙のような何かがフワフワと風に身を任せて漂っていた。

足を止めてしばらく一向に高度が下がることなくフワフワし続けている姿を見ていたが飽きたので再び帰路を歩きだす。気が付くとすっかりと夜が明けている。仕事帰りなのか駅に向かって寒そうに歩くスーツのおじさん。眠そうな顔で犬を散歩させるおじさん。寒さなんて微塵も感じず半袖半ズボンで走っているおじさん。おじさんの目覚め。この世にはおじさんしかいないのかと思わず錯覚してしまいそうになる。


・おじさんの世界から自分の世界へと帰る。あんぱんを食べながら冷めた缶コーヒーを流し込む。アンパンにはどうしてこうもコーヒーが合うのだろうか。

・世界が目覚めて動き出し始める中、私は満腹感から薄っすらと眠気を感じ始める。昔母親から食べてすぐ寝ると牛になってしまうと言われたことがある。牛になってしまう事は恐怖だが同時に興味もある。人として牛になるのだろうか、全て無になり牛になるのか。そんな事をぼんやり考えながら意識は世界の流れに逆行して眠りについた。

そういう朝の話。

お金を捨てるためのドブです。 ドブに捨てるよりも時間はかかりませんので是非。