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自分に優しく接しよう。HSPさんの『周りが優しくないと、ダメ』のわけ

身体感覚からのアプローチで生きづらさを卒業し強みで働く、HSPのための自律神経ケア×強みプログラム「そういう個と。」主宰の皆川公美子です。

最近、自律神経理論に触れてくださる方が多くなってきて
喜ばしいことだなぁと思います。
私がポリヴェ―ガル理論に出会ったのは2018年でした。
ポリヴェーガル理論は身体と心のつながりを解明した理論です。

そこからおそらく日本で初めて
HSPと自律神経理論を抱き合わせにしてお伝えしてきたのですが、
5,6年経って、心と身体の反応は連動しているということが少しでも多くのHSPさんに知られるようになっていたら嬉しいです。


生きづらさは過去のサバイバルパターン、そこからくる誤解

1000回でもお伝えしたいのは
生きづらさというのは性格ではない、その人のサバイバルのパターンである。弱いわけでもダメなわけでもない
ということです。

「自分は弱いのだ」
「繊細なのは生来なのだから、揺さぶられすぎも仕方ない」
「不安すぎるのも仕方がない」
のように
HSPさんには「HSPなんだからどうせ変われない」というような
諦めを感じているかたも多いです。
でも一段ラクなご自身はほんとうに存在します(へんな言い方ですみません!)

もし「HSPなんだから、常に体調が悪いのはあたりまえ。
自分が弱すぎるのだ。もっと努力しなければ」のように
思っている方がいたら
それ自体、誤解である場合がほとんどです。

20%の少数派だから「敏感さ」「神経処理の深さ」を
単純な違いとして捉えられず「弱さ」「ダメさ」と捉えざるを得ないことが
起こっているのかもしれない。

「行動が早い↔️遅い」
「相手の気持ちの揺れをそこまで察知しない↔️察知する」
「天候や気圧のアップダウンに左右される↔️しない」
これは敏感さの違いであって
弱いか強いの話ではないのですが
HSPは人口全体の20%なので
外にでればHSPでない人としか会わない確率が高い。
(そして繊細な人は自分が繊細であることを隠していることが多い)

そうすると、違いとしてだけとらえるのではなくて
「自分が間違っている」「自分がいけない」のような否定的な理解をする確率があがります。

周りにいる全員が「自分と違う」と感じたら、自分が変なんじゃないかと思うのは理解できることがらですが、
これは多数派多数決の原理、とも言えるのではないでしょうか。

自分だけ甘えてるんじゃないかとか、自分だけわがまま言ってるんじゃないか、それは誤解です。

みんなもこんなつらい思いをして会社にいるんだろうなと思う、
だから自分はもっとがんばらなくちゃ、
もっと努力しなくちゃ、と思ってしまいがちです。

でも、それは違うんです。

心身ともにラクな状態で社会で働いている人も大勢いて、
HSPでもだんだんにその状態に近づいていくことはできます。
もしも、つらすぎる、しんどすぎるという思い持っておられる方がいたら、実は神経パターンが現在状況に合わない過剰な作動を起こしているのかもしれません。


神経パターンが過剰に危機反応を起こしていたら?

HSPさんが社会に対して
周りの上司や同僚がみんな優しい人だったらいいのに。
そういう環境じゃないと働けないよ。
というときは、
自律神経に過剰な反応がある可能性がありますよ。

今、身体反応がそうなっているから、それに連動して心がそう思うのだよね!という意味です。
安心安全のある環境に包まれたい、
安心をもたらしてくれる人と会いたい、
というのは
身体が「安全・安心」を求めている証拠。
そんなときはゆっくり自分を労わる時期ですね。
そしてもしも頭で考えたときに
「この状況はそこまでコワイ状況ではないのに、なんでこんなにザワザワするんだろう」と思ったら、
心身が過剰に「不安」「ざわざわ」といった危機反応を持っているのかもしれません。

もっと優しい人がいる環境で働きたい、と
思うのは、もちろんすべての大人の願いですが、

周りからは甘えだねとか、
あの人わがままだよねなどとネガティブな目で見られるという悪循環が起こってしまうことがあったら、つらいですね。
そのことを今日は紐解いてみたいと思います。

ザワザワいつも気持ちが波立っている?何が起こっているの?


今日の紐解きその1。
周りがみんな優しい人だったらいいのに。

そう思うときは休みが必要なときです。
なにかに疲弊していませんか?
(もしも万が一ハラスメントに遭っていたら、それは今すぐ逃げるときです。我慢しないで逃げましょう)
活力・エネルギーはたりていますか?

これはもちろんHSPさんではなくても誰でもそうですが、
心身が健康で
ある程度エネルギーがあり、
心身が安心を感じていると(副交感神経の腹側迷走神経優位の状態になっていると)
優しい人を探したい、というジャンル自体に無関心だったりします。


神経的に腹側迷走神経優位なときは
人や状況に対して、白黒つけることが減ります。
いい!も悪い!も
好き!もきらい!も極端にわくことがなく(相手に極端な非がない場合)

「いいけどちょっとなあ・・」

「この人いいところもあるんだけど、こういうときちょっとなあ」

などの
完全に白!ないい状態ではないけれど、
「まあ、だいじょうぶだろうね」のような
グレーな状態でよしとできます。

白黒はっきりパンダワールド=完璧主義になってるときは、
神経状態としてゆるやかに心地いい状態とは離れています。


もちろん、白黒はっきりつけなければいけない場合もあると思います。
裁判やテストの解答用紙の丸つけ、どちらの取引先と進めるか、世の中には真っ白黒つけなきゃいけないっていうところも多々あります。
今お伝えしているのは
受け取り方、気分、の問題です。

現代人には覚醒状態で交感神経にずっとい続ける癖があります。
「まあ、適度で。」
のような状態が
身体的には本当はベストなのですが
仕事をしているときというのは
そういう状態ではないですよね!


世の中で今、多くの人が発信し出してるように
ファジーな状態を保つことというのは、人々の心理的安全性にとってはいいことです。
適当にやって、いいよ〜(信じてるから。)
疲れすぎたよね、今日は終わりにしようよ。
なんとかなるよね。(明日またみんなで頑張れるよね。)

のような心境は
ゆるみがあって
未来をぼんやりと楽観的に見ることができていて
自律神経面から見た健康度は高いのですが
社会のなかではなかなかむずかしいですね。

刺激のあること
早いこと
強いこと
が尊重される
現代社会においては
休むことや
適度にダラダラするようなことは
多くの人が
苦手ですもん。


何かに傷つきを抱えているときは

何かに激しくトリガー(心理的な引き金)があるときや、傷ついた自分が心のなかにいるときは激しくまわりの行動をジャッジし、反応します。
誰も気にしないことであっても
「なんてひどい」
「そんなこと良いわけないじゃない!」と
極度に反応したりします。

例えば、
「HSPのなかにはHSSという、刺激追求の人たちがいて、そういう方はとても行動的です。」
という客観的な説明を聞いただけで

「私は行動できなくてダメだ。」と
捉えて悲しくなったり、
自分責めが始まる時は

そこにトリガーがあった、ということは理解いただけるでしょうか?

誰も責めてない(外部からの圧はない)のに、
感じ方の問題で悲しくなる、怒る、
などは
なにかの過去の傷つきに関係しています。
その人が悪いわけじゃなく
そういう感じ方のパターンでサバイブしていたということです。


激しく反応する状態であるからこそ
求める環境として
周りが絶対に優しい人たちじゃないと嫌となる傾向がでます。
あなたが弱いわけではなく、身体が危機を感じると
防衛しなきゃ!という反応が起こり
「周りは優しい人でなきゃ」という思いを”身体が”醸造します
自分の命を守ろうとする動きは
動物的な身体の叡智として合っています。

心と身体反応は
連動しています。


安心、は幼少期にまわりの大人から教えてもらってできるようになる

何回もお伝えしますが、この記事は
「周りは優しい人でなきゃ」と感じている方を責めているのではありません。
この状態が今、その人にとって必要だと身体が判断しているから起きている防衛の反応であることをお伝えしています。

この状態のことを自律神経の視点では「外側に自分の心身調整を求める」という言い方で説明します。
幼少期に親から安心の状態を作ってもらって
一緒に暮らすことで
神経調整を受けることを協働調整
と言いますが、
副交感神経のうちの腹側迷走神経は勝手に育ちません。
つまり、安心をするという心身の状態を親や群れ、コミュニティが繰り返し教える必要があります。

他者(だいたいは親)からの協働調整(一緒にいて雰囲気でやすらぐような状態)を受けて、
自分が何かに緊張したり、不安になったとしても
すこし時間がたって安心して緊張は解ける、ことを体感から学びます。
今、大丈夫なんだ、
失敗しちゃったけどそんな大したことじゃなかったんだ。
など、
大人との生活や学校生活のなかで、そういう経験をたくさん持てた子は、内側に安心を醸造していけるようになれるんです。

だけど、その練習が出来にくかった人もいるわけですよね。
誰かから安心させてもらう体験です。
心地よさや安心の体験ができなかったことは、その他者のせいでもあなたのせいでもなんでもありません。
理由はそんなに重要じゃない。

けれど、事実、安心体験の回数が人生の中で足りてない。
安心経験が発達論的に足りてないので、神経的には大人になっても外側に調整を求めざるを得ない状況がおきます。
要するに神経的にまだ伸び代がある状態です。

これが「その人の性格ではなくて、神経パターン」という内容です。

まだ発達が必要な状態なのは「神経が」です。
人として子どもだとディスってるんじゃ、ありません。
自律神経としてはまだもうちょっと周囲の庇護が必要な状態です。


じゃあ、親にもう一度やりなおしてもらうのか

というわけではないのはもちろんです。
もう親が年老いてる場合もあります。
今から親に対して「あなたの価値観変えてください」「あなたが間違っていた」「もっと安心できる環境で育ててほしかった」
と言っても、相手は怒ったり、プイッてされちゃう可能性も高いでしょう。
それではエネルギーの無駄遣いになってしまいます。

この外側調整のエネルギー(自分ではない他者からのエネルギー供給)が足りていないときは、セラピーでは自分が自分の親になるという方法をお伝えします。

自分のことを、心からがんばったと認める心持ちを学んで行きます。

周りが優しくないと、私生きれないよ…といまの時点で思ってるということは
逆に言うと、周りからの協働調整が足りない状態でした。

ここまで生きてきた時間は、すごくサバイバルだったはずなんです。

今まで生きてこられましたね、と自分をほめてあげるべきことなんですよね。

外側から優しく慰めてもらうことができなかった。
大丈夫だよ、安心していいよ、
あとは引き受けるからって
言ってもらえなかった。
これは子どもにとってはゆゆしき状態です。


ご自身は本当は、どんな人なのでしょう?〜たくさんの強みをふんだんに持っている方です。

不安や緊張や疲労パターンは、自分自身の本質ではありません。
このことを説明するのに、ときどき「パターンというものは、あなたの皮膚ではなく洋服なんですよ。」と比喩を使うことがあります。
皮膚のように、自分の一部だと思っていたという方はね、違うよ、そのしんどさは脱げますよ。ってことなんです。

外側の世界が優しくないとだめ、そういう会社じゃないと働けない
と感じる場合は、そういう自分が弱いんだ、駄目なんだと思うのではなく
そういう外からの外側からの調整をもらえない状態で、よく自分は頑張ってきたねってってことをめちゃくちゃ褒めてあげていただきたいんですよね。
ご自身に対して褒めて褒めて褒めて褒めて褒めまくって、好きなケーキ100個買っていただけたら笑

そういう後にですね、自律神経のパターンは、だんだん離れていきます。
さよならができていくんです。

HSPならではの強みはたくさんあります。
もっと生きやすい自分も絶対にいます。
のびやかに自分を生かして、もひとつ違う人生にシフトしていかれることを
心より応援します。

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。


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