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分☆析★白書 ~オレみたいになるな!しくじった事業の分析編~vol.1

第1部 コインランドリー

Ωプロローグ

2017年6月下旬。
ついに自身の事業として
コインランドリー1店舗目をオープンすることができた。

ここまでの道のりは長かった。
会社を立ち上げてから1年近く時間を要した。
完成した店内をまじまじと見つめると、
感慨深い。
ワクワクする気持ちとドキドキ、
不安も入り混じったなんとも表現しづらい。

オープン当初:店内①
オープン当初:店内②
店内③

お客さんは来てくれるだろうか?
利用するだけの価値を提供できるお店だろうか?

いや、絶対だいじょうぶ!
市況環境、働き方改革、市場規模…
この1店舗目からがスタートだ。

と、自分自身との会話で
自分を励ましながらその日は自宅へと帰っていった。

Ω店舗オープンまでの道のり

2016年8月、会社を立ち上げた。
もともと独立したいという想いもあり、何が自分を通じて社会に対して
価値あるものを提供できるだろうか?
2016年の年始から寒い冬の正月休みにたくさん自分自身を掘り下げた。

すると、ふと腑に落ちた瞬間が
花粉症で苦痛を強いられる春頃にぽわんとシャボン玉のように
心の中を通り抜けた。

『時間だ!人類みな平等、定量的な尺度は時間。。
限られた人生でヒトの時間を創り出すこと、
無駄な時間を削減することって
価値あるんじゃないか!?』

その価値観を体現できるビジネスを考えた。
自分はエンジニアでもない。
今までの職歴で培ったスキルも親和性ない。。

モヤモヤ、グダグダと日常を過ごす中、
コインランドリーを日ごろから利用していた。

  1. 現金収入(売上から入金までのタイムラグほぼなし)

  2. マーケットサイズと可能性

  3. 価値観とのリンク

これだ!!
それからいろいろと調べ、どんどん落とし込んでいった。

この事業計画書の戦略として、参考にさせてもらったのが
【ランチェスター戦略】

書籍を購入し、むさぼるように読み尽くし、
その戦略論を適用して事業プランをつくっていった。

※いま振り返ると、
 いろんなバイアスが働いていたと思う。
 情熱だけだった。
 冷静さを欠いていた。
 そのバランスが重要だったと。
 なので、今さらながら統計学を学んだのです。
 ただ、ときには情熱・勢いも必要な説明変数だと思います(笑)
 情熱と冷静のバランスですね。

そして、できあがった事業計画書をもとに
2016年8月に法人登記。
そこから資金調達のために動いた。
出店エリアは決めていたので、そのエリアで条件に合う物件も探した。
住んでいる方、街の雰囲気も確認するため、
そのエリアを歩いて探した。

当時の世帯と人口比率の統計データ

人との出会いは不思議なものだ。
店舗スタートする前の計画は
2割くらいしかイメージ通りに進まなかった。

💀条件に合う物件がみつからない
💀資金調達でつまずく

とくに【資金調達でつまずく】はきつかった。。
※事前に条件などは確認したつもりだったが、
 満たしていないと一蹴された。

「起業したのに、出店できないのか?」
そんな焦りから途方にくれてしまった。

そんなとき、某信用金庫の営業の方が訪ねてきた。
挨拶と名刺だけの2~3分の初回だったが、
物腰は柔らかく、新卒入社で実直な社会人4年目という営業の方。

壁掛けフックに帽子をかけるように
ふわっと、心の中で印象に残った。

その後、電話して再度訪問してもらい、
事業計画書をもとに
「こんな想いで立ち上げた」
「こんな戦略でこんな構想を今後考えてる」
「他の資金調達はこんな感じでダメでした」

1時間近く熱く、少し話し過ぎたと後悔するくらい伝えたあと、
「改めて提案しますのでご連絡いたします。」
とのことでその日は終わった。

この営業の方は信頼できる。
提案してくれると感じさせる仕草があった。

経費削減のため、事務所は借りず
当時住んでいた住所で登記していたため、
いわゆる自宅兼事務所。
その自宅兼事務所にあがっていただき、
商談したのだが、
その営業の方はおもむろに胸ポケットから
白いハンカチを取り出し、
重たく色んな資料が入った黒いバックを床に置く前に
その白いハンカチを敷き、その上にバックを置いた。

まさにこの本に書かれてたことをされていた。
営業を経験していたので、読んだことがあり、
すげ~とその光景を見て衝撃でした。

それから1週間近く時間が過ぎたところ、
1本の電話が。
その営業の方からで、「今の状況でも資金調達できる方法、ありそうです」
翌日すぐ来てもらい、説明受け、即申込。
その方でなかったら店舗は出店できていなかっただろう。

※申込までは必要書類準備したり、訂正箇所あったりで大変でした。。
 申込してから回答でるまで約1ヵ月。
 その1ヵ月もものすごく長く感じました。

そして、やっと2017年6月下旬。
店舗オープンを迎えることができた。

Ωそして、撤退・・・

2020年7月、その日は雨だった。

「皮肉にも撤退の日に雨なんて、稼ぎ時なのに。」

現場に立会い、解体・撤去の様子を見守りつつ、
これまでのことが線香花火のように
浮かんでは消え、消えては浮かんだ。

その様子を見守りつつ、大人げもなく
目頭が熱くなっていった。

くやしさと自分自身への怒り、
頻繁に利用していただいたお客さんへの申し訳なさ。
撤退を惜しむ方もいらっしゃった。
それが救いでもあった。

「少なからず存在意義はあったんだ」と。

Ωどうすればよかったのか?

雨が続いた日、
台風の通過で3日くらい天気が悪い日が続いたとき
コインランドリーの売上はいい。

コインランドリーを運営していない方でも、
そりゃそうだろ。
とツッコみますよね。

運営していても、実際そうでした。
ただ、データにもとづいて
その相関関係を確認します。

■相関関係:2変数間の直線的な関係の強さ
 ※因果関係ではないので、解釈に注意がいる。

相関係数:0.172011
相関係数:0.388399

なるほど。
降水量との相関は低い。
(★Dr.Sのためになる統計学入門)
  👉相関係数は、-1から1の間の値をとる。
   ー1、1に近いほど、相関が強い。
   相関が強いからといって因果関係ではないので、注意が必要。
   どうしてもこの図と数値みると簡単に解釈してしまいそうですが汗

ひと月あたりの雨が降った日数ではどうなるのか?

相関係数:0.61257

ふむ。
やはり、雨が降った日数が多ければ、
消費者はコインランドリーを利用する
という選択肢を選んでいる可能性が高い傾向か。

ただし、
そこまでの強い相関ではないな。。

肌感覚で思っていたのと、
具体的な数値にはズレがある。

他に消費者がコインランドリーを利用する
要因、きっかけ、機会はあるのだろうか?

次回、保有しているデータでいろいろ分析してみた!の巻
ダテにしくじりしてねーぜ!


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