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Kat Lavers The Plummary, Share house【Retrosuburbia読書会第4回 ケーススタディ3,4】

第4回は、前回に引き続き、ケーススタディの章を読みました。
Kat LaversさんのThe Plummary, Share houseの2つを読みました。

The Plummary


Katさんは、フリーランスのパーマカルチャーデザイナー、ティーチャー、ファシリテーターで、メルボルンの都心に小さいスケールのアーバンパーマカルチャーの畑を作っています。

小屋をセルフビルドで改修し、断熱、温室、天窓など自由にアレンジし、薪ストーブやコンポストトイレなども作っているとのこと。

動物は、特に家畜の中でも、鳴き声がなく、都市部ガーデンをすることに適している、ウズラを飼育しているそうです。できる限り快適に過ごすことができるようにコンポストや落ち葉を入れて、引っ掻き回して過ごせるスペースを確保しているそうです。ウズラについては、こちらのポッドキャストに詳しく語られています。

建物を含めて、230㎡の土地で、30㎡の動線、20㎡のパッチ状になった畑から、なんと428キロものハーブ、野菜、フルーツが取れるとのこと。パートナーと時折滞在するWwooferと運営しており、世話をするのは、週に半日程度の手入れだそうです。

これだけの収獲がありつつも、畑に自給自足という価値だけを見出しているのではなく、心身の健康や、生態系とのつながり、コミュニティとのつながりを生み出していると語っています。現代社会で、人々が大地との関わりを失ってしまったことを問題意識としてとらえているそうです。

また、同じく小麦や油、せっけんなどを地域の自分たちで作っている人たちから購入して、地域としての自給力、レジリエンスあるコミュニティとなることを目指していると語っています。

特に、様々な災害や経済危機、特に今のようなパンデミックになったときにも備え、食料が保存できること、夏だけに収穫が集中するのではなく、年中通して食べ物が取れる作付けを工夫していると語られていました。まとまって語られている動画もあるので、こちらを見てください。

Share house

シェアハウスに関しては、パーマカルチャー、適正技術のモデルファームを作り、暮らすというコンセプトで、これまで5年で25人ほどのメンバーが入れ替わり、立ち代わり暮らしているところだそうです。

適正技術というのは、大量の投資が必要なテクノロジーやグローバルな流通システムに頼らずに、例えば途上国でも現地のもので作れて使える効率の良い技術です。熱効率のよく素材も現地で手に入るかまどや、3Ⅾプリンターで安価に作れる義足、太陽光パネルで送電線のない場所に明かりをつけて子供たちの勉強ができるようにするなど、いろいろな分野、文脈で語られていました。

薪でたくお風呂や、太陽光発電、コンポストトイレなど、現地で手に入り、災害が起きても自給できるようなものを使った、必要最低限の暮らしになるような場所でした。

買い物、料理、食事を共同で行っており、当番表も作って、その時の担当を決めることをしていて、中二階を作り、住める部屋の数を増やして、できるだけ安い家賃で暮らせることにして、パートで働く人やや、自宅で仕事ができる人が集まってきました。ワークショップやツアーも開催されているそうです。

多くの人が一つのところで暮らし、暮らしの実験的な試みであり、ストレスになる要素が少なくなく、問題があった当人同士が話せるように、ほかのシェアメイトとどのように話したらいいか、一人に一度だけ相談できるようにして、当人同士が話すという方法にたどり着いたそうです。

何度も対立を経験して、いかに対立によって受けるダメージを少なくするか、仲介に入った人に敵意が向かないようにする手法としてこのようにしているということでした。また、入るメンバーを選ぶところの質問も洗練され、どのような機能を家に求めるのか、私たちはここで何をしたいのかということを丁寧に話すことによって、問題が起こりづらくなったということです。

土地には100㎡の畑があり、このようないろいろな人が流動的に入れ替わる環境のため、手に余りがちになる傾向にあるようでした。幸運だったことが、初期の早いうちにパーマブリッツ(大規模なパーマカルチャーのデザインの施工をみんなでお祭りのようにする会)を行うことや、数度ワーキングビー(ボランティアコミュニティの集まり)を開催し、地域の人とつながることができ、負担がへったこと、また現在では、専門にマネンジメントしてくれるGnomes farming co-operativeの人に定期的に入ってもらうこととなったそうです。

不耕起栽培や、ダブルディグ、ヒューゲルカルチャーなど実験的な試みを多くしていて、35本のフルーツの、木があり、蜂がいるそうです。雨水の活用もしていて、今後さらに貯水量を増やすこと、また屋外シャワーや排水システムを作ること、ぶどう棚を作ることなども計画されているそうです。

Kat Lavers

ガーデニングオーストラリア


Gnomes Farming Co- operative


フリーランス、専業で活動していますが、パーマカルチャーの記事、書き物等、基本的に無料で公開しています。仕事に充てられる時間を削って執筆しているので、もし、活動に心を動かされた方がいたら、1000円から7000円のスケール型のドネーションでご支援いただけたらとても嬉しいです。