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‐コミュニティガーデンデザインワークショップ【伴走プロジェクト第二弾】

【出張パーマカルチャーデザイン第2弾】
‐コミュニティガーデンのデザインのワークショップ‐
出張パーマカルチャーデザイン第二弾として、杉戸町に出張させていただきました。対象となる場所は、1町歩近くもある大きな土地です。周囲にケヤキの木が植わっており、ここをコアメンバー数人で、どのように活用していくかを、デザインをするプロジェクトでした。

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今回は、コアメンバーが、パーマカルチャーの思想と手法のイメージを共通して持ち、広さに関わらずにデザインできる力をつけることが、目的でした。

まず、パーマカルチャーの3つの倫理と12個の原則についてプレゼンを見て、大事にしている価値観と、デザイン、考え方の原則を学びます。

次に、世界のコミュニティガーデンの様子や、デザインのワークショップの様子を見て、イメージを共有しました。

デザインを作るプロセスや考え方について、ピープルケア、エッジ、多機能性、小さくゆっくりした解決策、パターンなどのキーワードを学びます。

そのことによって、人間が手をかけて介入がたくさん必要な、効率、収穫量重視のデザイン(トラクター、畝、単一作物)に囚われない視野を持てます。

原則に基いて、野菜を育てる場所、果樹を植える場所、そのままにしておく野生の場所などを、目的によって細かく区分けします。そして、まず取り掛かるゾーンを決め、進めてゆくプロセスを踏むことを共有し、現場へと向かいます。

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サイトでは、まず、土について注目してみました。ワークショップを、行うということで、あらかじめトラクターで半分ほど耕して貰っていたのです。「耕すこと」がどのような影響を土に与えるのか、木の下にある耕されていない土と、耕された土を比較してみました。

枯れた雑草をどけて、耕されていない土を見てみると、植物の根っこが土中に空間を作り、ふかふかしていること、いい土は本来表層あることなどを見ました。

また、有機物が土へと還るには、窒素を消費してしまうため、土と混ぜられた時には、肥料を入れない限り、肥料が必要な植物は大きくなりにくくなります。また、肥料を入れて分解される際には植物の成長を阻害するガスもでるので、注意が必要です。

また、カシやケヤキなどの木々は、アレロパシーというほかの植物の成長を、阻害する効果のある物質を出します。そのため、木と木の間に植樹すると、成長が難しい時もあるとお伝えしました。

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土の観察ののち、視覚的に空間を区切るために、真竹、孟宗竹二つの竹を用意しました。おおよその10メートル×10メートルを真竹を立てて区切り、孟宗竹で道、boxガーデンに見立てて仮に置いていきます。

例えば直径三メートルのガーデンを作るとしたら、として土の上に置いていきます。また同時に、人の手は90センチほどしか届かず作業できません。そのために例えば真ん中に動線を入れる、キーホールガーデンというアイデアを取り入れて作りました。

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土、空間のイメージを捉えたのちに、全体のデザインについて考えます。入口に近いところ以外にも、もう一か所入口ができると良いのではということや、どこに将来的に小屋や資材を置くといいのか、ということが議論され、イメージを膨らませました。

一旦現場を離れ、屋内で、デザインを図に書き込む、個別ワークの時間を持ちます。ゾーンを分け、道具小屋の場所や、ティピの場所、トラクターが入れる貸農園にするところ、などの要素が出てきます。

お互いのデザインを見合った際、全員共通して、ケヤキの木の下の場所を、資材置き場やワークショップの場とすること、入口からアプローチがあり、ボックスガーデンの並ぶZone1として着手する場にすることが、共有できました。これで、一日目のワークは終了です。

今までは、パーマルチャーについて学んではいたものの、途方に暮れて、とりあえずトラクターで耕してみる、草刈りをしてその場に何か植える、ということしかできなかったそうです。

そんな過去があったため、今回10メーターの角を作って、竹を立てた広さを見たときに、これぐらいの広さであれば、自分たちの手でできる、という自信を持てるシーンとなったそうです。

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イメージが膨らんだところで、実際に形にしていく作業が待っています。2日目のワークは、前日に仕込みで切っておいた、80センチの材を大量に持っていくところから始めました。地域資源として、強度があるパレットを見つけ、80cm×20cmほどのしっかりした材が大量に手に入ることがわかり、これを3つに分解しておいたのです。

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材を組み合わせて、いろいろな形をつくっていきます。大きな円でキーホールガーデンを試したり、三角形をつくったりして、試行錯誤します。また果樹のゾーンの動線を作り、動線の両脇に、果樹が植わっているデザインになることが決まりました。そちらはさっそく草刈りをしました。

草刈りも、刈り払い機を使うのではなく、大鎌と、ホーを使って行いました。ガーデンのデザインだけではなく、管理においても、パーマルチャーの原則が応用できます。早く、たくさんという合理性よりもその場の人たちのニーズやスケールに合わせる、形を大切にしてこのような道具を使いました。

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ガーデンのzone1は、竹のティピがモニュメントとして中央にある、人々が来て楽しくなるようなものになりました。ここは、People Careゾーンとなり、最終的に、中心に植物が巻き付くティピを作ること、その周辺が動線になり、周囲に大小の三角形のボックスガーデンを作ることが決まりました。

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お昼を食べながら、今後必要なもののリストや、植えたい植物をリストアップするチームと、三角ボックスを作るチームとに分かれます。三角形を作るには、丸鋸の断面の角度を変えて、一片の板の端が60°になるように、切っていかなければなりません。

また、そもそも普段の暮らしで、丸鋸やインパクトを触ったことがある人が少なく、モノの説明、使い方から学んでいきました。

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今回、Zone1からデザインに着手すること、全員でデザインの青写真を共有するところまで、詰めることができました。

試したい野菜、果樹や、ワークショップで使える収穫などリストアップし、それに伴い必要な道具や資材を書き出していきました。

この図面を全員がイメージとして、共有していることで、何から取り掛かるのか、どのようなものが必要で、何から始めていいのかという取り掛かりが明確になりました。

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杉戸町は、わたしたちの月3万円ビジネスが始まった場所で、それを略して3bizと呼んでいます。3bizマルシェや、お互いの活動をブラッシュアップするような集まり、「ポット」が行われて、人々の交流する機会や拠点も、あります。

http://sanbiz.jp/shops/kikibase/

自分のことを自由に表現できる手段の一つとして3bizがあり、その表現や形作っていくプロセスによって、他の人を幸福にすることにつながるっている、とても素敵な活動です。

そのような人と人とが、いかしあうつながりがある場所で、人と人だけではなく、人と自然が活かしあう形でつながれる場づくりに伴走させていただける貴重な機会でした。

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フリーランス、専業で活動していますが、パーマカルチャーの記事、書き物等、基本的に無料で公開しています。仕事に充てられる時間を削って執筆しているので、もし、活動に心を動かされた方がいたら、1000円から7000円のスケール型のドネーションでご支援いただけたらとても嬉しいです。