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【ドーピング】木村フィリップミノルについて思うこと【格闘技】

第一印象はやっぱりな・・・

1.木村フィリップミノルの来歴

木村はマーシャルアーツ日本キックボクシング連盟ライト(-61kg)級でプロデビュー。翌年スーパーライト(-63kg)級に転向、K-1グループには2012年に参戦。後にオープンフィンガーグローブマッチで活躍する山口と激闘を演じる

2013年の梶原龍児戦のみ64kg契約で戦っていたがその後は基本的に63kg級でキャリアを重ねていく。4連勝で63kgのタイトルマッチへたどり着くが当時のKrush63kg王者にして現K-1スーパーライト級王者の山崎秀晃になぎ倒されてしまう。

その後連勝し、2014年新生K-1旗揚げに関係してか、同年の東京vs名古屋のイベントで65kgに転向し勝利。そして11月の新生K-1旗揚げの65kgトーナメントに参戦も、当時RISEから王座を返上して乗り込んできて現在はプロボクサーとして活動中の左右田に初戦敗退。

なおこのトーナメントは元RISE王者の左右田と、RISE100のメインイベンターゲーオによるRISE争いとなり、ゲーオは4ヶ月で61kg級から65級への振れ幅というハンデを背負いつつも優勝した。
そんな強すぎるゲーオの相手としてノンタイトルながら木村とのワンマッチが決まる。当時の前田憲作プロデューサーが言うには木村なら何かを起こすんじゃないかとのことだった。そしてその何かが起きてダウンを奪っての判定勝ち

この試合で勢いに乗ったのか、ワンマッチでHIROYAと対戦するとあっさり勝利。さらに当時野杁にTKOながら勝利したマサロ・グランダーも接戦を物にして勝利と順調にキャリアを重ねていくと思った。そしてゲーオとのタイトルマッチにたどり着く。
1R終了間際ゲーオがミドルキックでガードをさせて同じリズムで左フックをねじ込んでの衝撃的なKO負けを喫する。さらに日本トーナメントで怪物野杁に1RKOされてしまう。さらに同じ2016年にRIZINに参戦しMMAに挑戦するも7秒でKO負けを喫する。ここで心機一転67kg級に転向するも西川康平1RKO負け。

その後小比類巻道場のKENJIに勝利し、K-1ウェルター(67.5kg)級トーナメントにエントリーも初戦敗退。
そして後々色々と言われることとなる城戸康裕との一戦にダウンを何回も奪って勝利する。その後2連勝した後にKrushウェルター級タイトルマッチに挑戦し勝利しタイトルを奪取することに成功。

さて、ここから木村の時代が始まったのか・・・と思ったらキュラソー島の怪鳥ジョーダン・ピケオーとの当時のKrush王者同士のキャッチウェイトの試合(68kg契約)で残酷にKOされてしまう。

だが次の和島大海戦からアビラル・ヒマラヤン・チーター戦まで10連勝10KOの驚異的なレコードで走り続ける。その中にはジョン・ウェイン・パーに勝利したことのあるエダー・ロープスの姿もあった。

コロナ禍で情勢が不透明なこともあってか、ボクシング転向を匂わせつつK-1卒業を宣言。K-1卒業試合には自身からダウンを奪ったアビラルをKOしたのも含め3連勝中の和島との試合が組まれた。和島視点では初戦は70kg契約ではなくキャッチウェイト、2戦目はトーナメント決勝と本領発揮しきれていなかった状態なので純粋な70kg契約でのワンマッチは最初となる。

入場に生歌演奏でやけに尺をとるな・・・と視聴者のフラストレーションが溜まる中、試合がはじまった。これまで2回戦った経験か、木村が1年くらい試合が空いた影響かじわじわと和島がペースを握ると3Rに木村の心が折れるような倒れ込みをして木村のTKO負けとなった。

その後ボクシングに転向するのかと思いきや復活の場となったのは巌流島だった。そこで1Rキックボクシング2RMMAルールのミックスマッチで矢地祐介をキックボクシングルールの状態でKO。そこからキックボクシング団体KNOCK OUTに参戦し計量オーバーしながらクンタップにKO勝利。そしてRIZINに参戦するとルクク・ダリもKOした。

やがて、K-1を離脱してきた安保瑠輝也と舌戦を繰り広げ、年内に木村vs安保が組まれるか・・・との機運が高まっていた。
そんな中、城戸康裕が言ってた(木村を直接名指ししたわけではないが)ドーピングどうなのということがさらに言われるようになった。
そこでRIZINはドーピング検査をすることを宣言(元々GPとタイトルマッチではドーピング検査をしていたらしいが)。

まぁ検査するからそれまでにはドーピング抜いておけよというニュアンスでのドーピング検査だったが、木村は見事に引っかかってしまう。筆者としてもアリスターみたいな例もあるのかなとちょっとだけ思いつつも、なんだかんだで白でなぁなぁに済ませると思っていたので・・・



2.いつからドーピングしたのか

良く言われるのがゲーオ、野杁に連敗した後に手を出したとされる。
例えばこれが65kg最後の試合

そしてその1年後足らずでの67kgでの試合

1年足らずでこんなに腕をパンプアップさせることができるのだろうか・・・というのは素人ながらに疑問はある。ちなみに上にも書いたように2016年はRIZINに挑戦して7秒秒殺KO負けした年でもあるので、闇落ちするにはもってこい(?)の時期でもあった。この説の通りなら闇落ちして間違った力を手にした結果KO負けしてるんだけど・・・

他に怪しいタイミングと言うと、ピケオーに負けた後にドーピングに手を出した あるいは量を増やしたとのこと。
この後10連勝しているので、わかりやすく結果を出している。
それでボクシング参戦のためか、ドーピングを疑われて対戦相手の自費でドーピングする羽目になる噂だとかあって、そして当時の新生K-1を離脱するには違約金を払うか1年試合をしないか、あるいは何らかの交渉をするかしないといけないので、そこに合わせてドーピングを一時的に辞めていた。
それで和島に実力負けした。との噂。

その後巌流島からはドーピングに手を出したというのは本人が言っている。

そもそもドーピングというのは試合前に飲んでパフォーマンスをあげるだけではない。
練習の効果をあげるもの、疲労回復をするもの、メンタルを強化するもの、食事の補助をするものなど多岐に渡る
木村ミノルから検出されたのは筋肉増強剤の成分。本人が言うにはクレンブテロールを摂取したとのことらしい。
なお、クレンブテロールはドーピング禁止薬物に指定されているが、条件次第では食事から摂取できてしまうこともあり、食事の言い訳に使われることもあるので・・・うーん?

まぁ格闘技ファンで彼がK-1時代から潔白だったと信じれる人はいないと思う。


3.ドーピングってそもそもなぜいけないのか

ドーピング行為そのものは古くから存在していた。それこそ戦争とかでは軍のパフォーマンスをあげるために幅広く活用されていたし、それの発展として、競技に用いるのも自然な流れだった。
記録上最古のドーピングは1865年とされている。
そしてドーピングがいけない行為となった原因は1886年にドーピングによる死亡事故が起こった事が大きいとされている。その後第一次世界大戦等で様々なパフォーマンス向上剤や薬物が開発され、それが競技に転用され蔓延していった。薬物による事故も増えていった。
そんな中で1928年に陸上競技において興奮剤など死亡事故を起こしている薬の禁止。様々な競技がこれに追従していくことになる。
しかし検査する手段とかはなく、モラルとプライドの問題でしかなかった。

そこから60年弱後の1960年代になりついにオリンピックでドーピングによる死亡事故が起こってしまう。
1966年自転車とサッカーでドーピング検査が実施されるようになり、さらに2年後五輪においてもドーピング検査が実施されるようになると1976年には禁止薬物の発見方法が確立されて色々な薬物が禁止されていくようになった。
そして1999年になってようやく世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が設立され、日本でも2001年に機構が設立となった。

つまるところ、 競技のためにドーピングで死人が出る→競技があるからいけない! 競技は悪くない! ドーピングが悪い!
というのが理由だ。競技を守るために不必要に死者を出さない 文句をつける理由を増やさない。 ことにある。

健康目的のフィットネスならいざ知らず、競技種目なんてのは基本的に寿命を削っているので身体を気にするならそもそも競技するなよってことになる。
要するに運営やスポンサーが事故の責任をとりたくないってことだ。競技中の事故なんてのはマスコミやSNSの格好の餌だし。

マーク・ハントは他人のドーピングを半ば容認しつつも、ドーピングした選手の相手をするならそれだけの対価を払えとのコメントを残している。
青木真也は格闘技自体が命を削り合う行為なので選手の安全を語る事自体がナンセンスとも言っている。
※実際格闘技興行は野蛮ということで、地域によっては禁止されてることもある。

またプロテインやサプメントの摂取や競技に適した食事も身体に負担がかかることもあるし、ハードトレーニングも身体に負担がかかるので、ドーピングと本質的に同じではないだろうか みたいな意見も一部である。


4.筆者の意見

うまく言葉に出来ないのだが、ドーピングは何か面白くない。選手の安全がー というのは殴り合う倒し合う立ち技格闘技を見ていて今更感がある。
ましてや筆者の好むラウェイなんて過酷かつ過激だ。
そもそも格闘技ブームなんて言われていた旧K-1やPRIDEなんてドーピングの温床だったと思うし、RIZINだってニュアンスの感じバレないようにやれよという感じだ。UFCもやるならバレないようにやれって暗に言ってる時期もあったし。

それでもドーピングって何でこんな拒否反応があるんだろうなという自問に答えを出せない。

ドーピングするのがずるいから? 練習時間・環境・フィジカル・才能 だって平等ではない。

観客視点でのドーピングへの拒否感の言語化がライターとしての課題なんだろうか。



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面接時に「遊ぶ金欲しさに」と言いたい人生だった。