46歳留学記㊲ 保育と療育

ああ、自分を自分で満たすとはこういうことか…と実感中。
やりたいことをやっていると他はどうでもよくなる。
満たし続けるのは難しいから、やっぱり自分のものさしをそこに調整していくことが大事だね。
自分の力量と現実にものさしを合わせ、満たしていく方法をいっこ見つけた気がする。


昨日、保育園のボランティアへ。
午後二時間だけのボランティア。
2〜3歳児クラスに入った。
早速かわいい、いろんな場所があって好きに遊べるようになっている。
「この人だれ?」的に来てくれるのですかさずくすぐり遊びを入れて反応を見て隠れるともうそこから追いかけてくる。ああ、遊びは万国共通なんだねぇ。
3歳ぐらいのインド人の女の子が早速「イヤリングが素敵ね」「時計が素敵、あたし好きよ」と褒めてくれる。もー完璧な英語、彼女が英語の先生となった。この年齢で人を褒められるなんてあんた、なんて人間が出来ているんだ…素敵…。これぞ文化の違いかな??お母さんが人を褒めるんだろうか?
哺乳瓶が英語でわからなかったときも彼女が教えてくれた。おー毎イングリッシュティーチャー!!ベイビーボトルって言うんだ!
ジェスチャーもとてもかわいらしい。
ままごとで彼女はお母さん役。お腹が痛くなったので病院に行こう、となり、アタシが医者役。見立て遊びも出来るので梨を薬にしてお腹に注入。お母さん治ってお家に帰ってきた。
2歳ぐらいのインドの彼もお父さん役が素晴らしい。作ったドリンクを何度も渡してくるので飲む前に「ほんとにおいしいの?」と聞くとわかりやすく両肩を上げて手を広げる「わかんない」のジェスチャー。しぬほど可愛かった。何回もやって何回も見てきた。かわいい。

外遊びの時にテーブルの上で積み木を電車のように動かして「あーーーーー」とひたすら声を上げる子が気になった。
積み木がちょっとずれるとなおす。以前見ていた子にそっくりすぎたのも気になった理由のひとつ。坊主頭が本当に似合っていた。3歳ぐらいの子でひたすら積み木で遊んでいる。彼の持っている積み木にアタシが持っていた積み木をぶつけてみると笑った。ちょーかわいい。何回もやると視線が合うようになる、これだよなぁ。

久々に鳥肌が立つ嬉しさを感じた。
仕事をしているときはこれが毎日あったのだ。
人と分かり合えたと感じられた時にある鳥肌が立つ感覚。子どもとだけではなく、前の職場はパートさんたちともこの感覚がとてもあった。
これが好きなのだと改めて思った。


そして今日、療育施設へ。
こちらの施設はセラピーとはうたっていない。
学校の放課後、ストレスが溜まったまま家に返さない、発散して返すことが目的だとスタッフの方が話していた。
感覚刺激を満たすための工夫が素晴らしかった。
おもちゃがほぼ壁に張り付いている、いつでも手でさわれるのだ。


スタッフにインタビューしながらいろいろ分かった。
彼女の息子さんも自閉症がある。
親支援の話を聞いた時に「24時間一緒にいるのは親でしょう?親御さんはみんな「子どもをなおしてもらおう」としてここに来るんだけど、それは違うから子どもをなおすんじゃなくて親をなおすんだ」と言っていた。
まずはお子さんを受け入れるサポートをする。
子どもをなおそうとか、なおしてほしいと思っている時点でもうそれは自分の子を受け入れていないから、そのサポートをしている。
そして生活の基盤「清潔、睡眠、食事」を親が家で実践出来るように伝えていく。と話していた。
レスパイトもやっているとの事。

彼女と話している時も鳥肌が立った。
嬉しかった。療育の話が出来る人がここにもいた。

日本の児童デイはどうなっているか?
小さいうちから子どもと親が離れる時間を作ってしまって、親子の時間が削られていっていると感じていた。
レスパイトも大事。だけどこの先その子をメインで育てなきゃならないのは親自身なのだ。そのサポートをしている、と。
親子はいくらでも離せるし、いくらでも預かる事はできるけど、預かっている間親としての技量が上がらないと考えている様子だった。
親に丸投げではなく、一緒に子育てを考える、ということなんだろうな。
今日話したスタッフは自分でもいろいろ勉強して実践している。何より子どもとの関係性が見えた。彼女が何か子どもに働きかけると、子どもが見つめ返し何かを期待して待っているのだ。関係性が無いと出来ないこと。あー素敵。

あとニュージーランドでの早期発見のやり方も聞いたけど結構雑かも。ドクターが見てくれるんだけど、何のスケールも通さず、ドクターが見て「はい自閉症」って伝えられる感じみたい。
行政の支援を受けるにはハードルもあるしお金もかかる、と。
公的な支援が無いから「ここを作った」って言ってた。
どこの国も福祉をやる人は同じきっかけなんだな、と思った。


帰りのバスで改めて、早期療育やりたいんだよなぁ、と思った。母子通所をしたいなやっぱり。
健診後のお母さんのサポートは絶対必要だ。
受給者証申請時に親の覚悟が必要になるし、受け入れていくことで療育につながり、適切な支援を受けることでその子の発達が確実に伸びていくのだ。これは早いほうがいい。子どものいろいろなものが決まっていく前に療育に繋がるとその後がとてもスムーズだ。価値観やルールが出来上がった後の療育は倍時間がかかるし、自己防衛も強くなっていくので関係性作りからも倍時間がかかる。その前にその子がどんな経験をしてきたかにもよるけど。


あー楽しかった。
残りの時間を有効に使いたい。
気持ちを切り替える練習でもあるな。
まだまだ修行がたりんな〜。

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