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鏡開きの時に鏡餅を簡単に料理するための様々な工夫について考えてみた。

<アジェンダ>
1.鏡開きについて
2.鏡開きの問題
3.TRIZ(トゥリーズ)の矛盾解決フローでヒントを見つけ出す
4.アイデアを考える

1. 鏡開きについて

昨日1月11日は鏡開きでした。

鏡開きとは、「お正月にやってきた年神様をお祀りし特別な力が宿ったお餅(鏡餅)」をお汁粉やぜんざいなどにして食べ、その年の無病息災を願う風習です。

鏡餅

みなさんも鏡餅を開いてお汁粉やぜんざい、その他お餅料理にして食べましたか?

ちなみに、焼餅の食べ方は醤油派ですか? それともきな粉(あべかわ)餅派? 他にも海苔をまいたり納豆をつけたりいろいろな食べ方がありそうです。そういえば最近、Twitterで「絶対、砂糖醤油!」というトレンドを見かけました(笑)

2.鏡開きの問題

昔の鏡餅はだいたい、下段は20cm前後上段は12-3cm前後の2つの餅を重ねて備えていました。お餅をつくのは12月28日ころなので、1月11日だとすでに2週間ほど経過しており、お餅はとても固くなっています。

だから「切る(割る)」のが大変。。。でしたよね…(汗)

切るのは縁起が悪いので、木槌などで割るのが慣習なのですが、そんな都合のいいものなんてないですから、我が家では包丁で割って(切って)ました。

しかし硬くて切りにくい…。かなり力を入れて「ゴンゴン」しないと切れませんでした。

つまり鏡餅には「大きく作る方が縁起がいいが、時間が経つと固くて切りにくい」という矛盾があるといえます。
では、その鏡餅の大きさと硬さに関する対立解消を考えてみましょう。

3.TRIZ(トゥリーズ)の矛盾解決でヒントを見つけ出す

対立解消に対して使えるのがロシア生まれのTRIZ(トゥリーズ)という発想法です。
何しろ世界中の特許を分析して得られた問題解決理論なので、これまで世界中で改善されたアイデアのエッセンスが詰まっています。

そも矛盾解決マトリックスをはじめとしたTRIZでの矛盾克服のフローはこちらです。

TRIZによる技術矛盾解決フロー

*もっと詳しく聞いてみたいという方は執筆者に連絡ください。

さて、この対立に関与するパラメータをTRIZの39種類から選択する必要があります。
「大きく作る」は、静止物体の体積や形状
「長く放置する」は、静止物体の動作時間
「硬くなる」は、強度という考え方と、硬くなったことで切りにくく(操作性が悪く)なったという考え方ができそうです。

ここで自分が解決したい本当の矛盾対立関係は何かを考えてみましょう。

飾り餅は大きい事が大切だ。
別に餅自体は固くなっても切れれば問題ない。
・・・・などを多面的に考えて、今回は「静止物体の動作時間」と「操作性の容易性」の組み合わせを選んでみました。

矛盾解決マトリックスでこの2つの交点にある発明原理(アイデア発想のヒント)は
・セルフサービス原理
・分割原理
・局所性質原理
・先取作用原理
・熱膨張原理
の5つでした。

4.アイデアを考える

先の5つの発明原理から思いついたアイデアを列挙してみましょう。

・セルフサービス原理
  1月11日になると自然にひびが入る鏡餅。
  いつの間にか小さい餅に自動的に割れてしまう餅。

・分割原理
  あらかじめ小さいお餅の集合体としての鏡餅(先取作用原理)
  割れ目を入れておいてそこから簡単に割れる鏡餅(局所性質原理)
  液体のようなお餅を充填して鏡餅にする

・局所性質原理
  やわらかい部分がいくつか残りそこから簡単に切れる鏡餅。
  外周にノッチ(切れ目)を作っておくと割れやすい
  割れ目を入れておく(分割原理)

・先取作用原理
  事前に細かくされた餅を集めて大きな餅にする(分割原理)
  すでに食べやすい大きさにされた餅を大きな餅の形のパックに入れる(入れ子原理)

・熱膨張原理
  ストーブで焼くと自動的に食べやすい大きさに分かれる餅(セルフサービス原理)
  冷蔵庫で冷やすと細かく割れる餅(逆発想原理)

他にも、いくらでも思いつきそうですね。

実際に最近の鏡餅は、鏡餅の形をした容器の中に「小さな食べやすい大きさに分けられたお餅」が封入されている事が多いです。

上の発明原理からの連想でも似たようなアイデアがありますし、新しい視点のアイデアも生まれそうですね。

おわりに

最近の鏡餅は、すでに小分けにされた餅が封入されているので、鏡開きする時のストレスが減りました。最近の言葉では「タイパ=タイムパフォーマンス」というみたいですね。

ちなみに我が家では、夫婦2人なのでぜんざいもレトルトでいただきました。これも今はやりの「タイパ」の流れかもしれません。

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