目にしたことが行動につながらないという選挙分析データが面白い

今日(2023年4月4日)の熊日新聞の8面の記事はとても面白く興味深いものでした。

『「誰に投票?」政策見極めて』というタイトルで、早大マニフェスト研究会の中村事務局長の解説記事でした。

詳細な内容については今日の熊日新聞を読んでもらうとして、僕がとても興味をひかれたのがそこにあったグラフです。

前回の統一地方選で「見聞きしたツール」と「役に立ったツール」を2軸でマッピングしたもので、要は「前回の統一選挙であなたはどういう情報をもとに投票をしましたか?」という切り口でのインターネット調査結果でした。

端的に言えば、横軸が「(どのツールを)見聞きしたか?」で縦軸が「(どのツールが投票の意思決定に)役に立ったか?」という事ですね。

ツールとは、テレビ報道や新聞報道などのマスメディアから、TwitterやFBなどのSNSツール、選挙広報やチラシやポスターなどです。

熊日新聞に掲載されたグラフの考察は2軸の関係性でグルーピングしたものでした。もちろん得られたデータをもとに事実を書くとそうなりますが、読む方としてはいろいろな妄想を掻き立てるわけですよ。

例えば、その2軸に相関性はあるのか?と見ると、相関係数は0.24でしたからほぼ無関係ですね。つまり、「よく目にしたツール」と「投票に役に立ったツール」の間に相関は見られないということで、「そのツールで目にした回数の多さ」と「投票への影響の大きさ」はあまり関係なかったという事です。

まぁ、それはその記事の散布図を見れば大体理解できるので良しとして、では見聞きしたツールと役に立ったツールとの乗算はどうなるのだろうと思いました。

つまり、それぞれの軸を独立で見るのではなく掛け合わせてみると、投票者の行動はどうなるんだろうという疑問でした。

その結果、テレビ報道で見聞きしてそれが役に立ったと答えた人が圧倒的に多いです。

そして2位は、選挙公報と新聞報道がほぼ同率でした。

逆に、FBとかインスタかTwitterとかYouTubeとかはまだまだその影響力は少ないという結果になりました。

ここからさらに読み解くと、SNSを利用している人たちは選挙に対して興味が薄いのかもしれません。それは世代かもしれないし、生活環境かもしれません。であれば、SNSの情報を投票行動につなげるために候補者は何をしたらいいのか?

また、テレビ報道や新聞報道が投票行動に与える影響が大きいという事から、それをどう活用したら良いのか?

この記事はあくまでもマクロな情報しかわかりませんでしたが、これが例えば時系列的な情報であったり地域的な情報で分析できると面白いなと思いました。

もちろん早大マニ研ではそういう分析はとっくにされていると予想していますが。

そんなわけで今度の日曜日は是非投票に行きましょう!

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