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私は妄想を追いかけない

ああでもない、こうでもない。昔あんなことがあった。こんなこと言われた。こんなことが起こるんじゃないか。あの時こうすべきだったんじゃないか。人にこう思われたんじゃないか…

こんな「ぐるぐる思考」。とりとめもないことを考えて、もう止まらない。どんどん気持ちが荒んでいく。私は日々これの繰り返しだ。

最近読んでいる『反応しない練習(草薙龍瞬 著)』に、「こういうのを【妄想】というのだ」と書いてあった。

草薙さんによると、「真偽の確かめようがないこと」「考えても役に立たないこと」は、すべて「妄想」なのだそうだ。そして、この「妄想」は、人間が一日中繰り広げているナンバーワンの煩悩だという。

妄想していても、どこへも到達しない。ならば、放っておくに限る。

私にはとても腑に落ちるお話だった。それから、何かものを考えるたびに、「これは確かめようがあるか」「考えて役に立つか」を気にするようになった。もしNOであれば、考えるのをやめて、本の中の一説を唱える。

「妄想は妄想に過ぎない。妄想には際限がないし、根拠もない。わたしはこれ以上妄想を追いかけない。」

何かを考えている途中で、「あ、これは妄想だ」と気づく必要はあるが、色々と考えているうちに「あーしんど。」と思う瞬間があるので、たいていはそこで「そうだ。これは考えてて役に立つこと?」「真偽は確かめられるの?」などと自問するチャンスがある。

これで、私は最大の悪癖である「ぐるぐる思考=妄想」をかなりの量、本当にウソのように、減らすことができた。ぐるぐると無駄なことを考えて気持ちを乱されることがずいぶんと減ったのは本当に嬉しい。

草薙さんの言う「妄想」と、病的な意味での「妄想」は違うと思うが、考えにとらわれて日常生活が損なわれるという意味では共通していると思う。

私のように「ぐるぐる思考=妄想」が止められずに疲れてしまう人は、ぜひ試してみてほしいなぁ。





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