邦ロックの歌詞に出てくるクズ男にフォーカスする【①シンデレラボーイ】
文学フリマ東京38の日程が近い。なんなら出せたらいいなと考えている公募の日程も迫っている。オマケにこの春転職したワイには、連休が明けたら多分五月病も待っている。切羽詰まっている時って急に掃除したくなったり、掃除を初めたら整頓しようとした漫画を全巻読んじゃったりするよね(え、しない?)。
そんなわけで息抜きとデトックスがてら、クズ男が出てきまくる邦ロックの歌詞の考察をしてみようと思う。ちょうど次回の文フリで出そうとしている本のテーマが『クズ』、タイトルもストレートに『Quzu』なので、これは良い機会。ぱっと見QURULIみたいで字面可愛いよね。
では一曲目。Saucy Dogの『シンデレラボーイ』。
紅白出場歌手の超有名曲なので知っている人も多いとは思うけれど、紹介しておくね。MVをじっくり観たことない人は多いかもしれないので、曲を知っていても観てほしい。
爽やかなサウンド、美しいメロディ、心地良く澄んだハイトーンボイス。美麗なイラスト。それらが融合してどう考えても名曲なのに、視聴後に訪れる、えも言えぬ胸糞感。クズだ……! これはクズとしてのレベルが高い!
よし。歌詞を個人的な目線で見ていこう。
「嘘くらいせめてちゃんと次は上手につかなきゃね」
これに関してはねえよとぶん殴りたくなるようなメンズ側の都合の良い幻想(※個人の感想です)だと思っている。こんなファンタジーな女、少なくとも近所にはいませんね……!
ミュージシャンや作家の色恋クズムーブは職業の一環(※個人の感想2)として割り切れるけれど、一般人のクズには分を弁えてほしい。山の部分から引用してワイ語にするなら、あたしの前だけで土下座を見せて苦悶の顔で地獄へ行け(※個人の感想3)。
……全体的に都合の良い女っぽく見えると思いきや、この曲には恐ろしいところがある。あるんですわ。
二度目のサビの「シンデレラボーイ」の前に「死んで」ってさりげなくぶっ込んでいるところ、めっちゃ良くない……? 鳥肌じゃない?
他にも、
「気づかないふりをしてそのままつけるタバコが大嫌い」
「好きって言わんでよ愛しても無いのに」
など、クズ被害者側の共感ポイントも用意されているので、クズに何かしらの怒りを持っている人にも安心して(?)聴いてほしい。
こんなにクズクズしくてクズポイントお高い曲だというのに、良い曲だよねなんて言えてしまうのは、石原慎也さん(vo)のルックスとバンドマン(プロ)という立場の成せる技だな(※個人の感想4)と思っている。
石原さん本人が実際にクズかどうかは知らないが、一部ちょっと都合いいと思うところはあれど、クズ男と振り回される側の双方を本当に上手く描いている。素晴らしい。
因みに、クズって何回言ったか数えてみたら14回でした。全部個人の感想で個人の感情なので、異論は胸にしまっておいてね!
(ちなみにトップ画は以前ワイが書いたクズ小説の挿絵〈西様ご提供〉なので、無断転載しちゃだめだよ!)
文学フリマ東京38のWebカタログはこちら。
新刊の表紙が出来ました。装丁は、前回に引き続き、由良ゆゝ子氏です。調整中のため、多少変わるかも。
軽率に冷やかしに来てください!
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