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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2023/3/14(追記あり)

 きょうは聡太くんの爪を切ってもらいに、獣医さんに連れていった。何度か母氏と爪切りを試みたものの、聡太くんは断固拒否だったので、もう獣医さんに切ってもらうほかない、というのと、8日に飲み込んだ食品トレイはどこかにもうぺっと出したか出るものと一緒に出ていったと思っていいのか、というのを相談してみるべく、それも兼ねていつもの獣医さんに行ってみることにしたのである。
 まず電話をかけてみた。爪切りをお願いして「自分でやんなさいよ」とお叱りを受けるだろうか、と思ったのだが、快くOKしていただいた。洗濯ネットに入れてくるといいよ、と言われたので、聡太くんをテーブルの下から引っ張り出して、洗濯ネットを被せてキャリーバッグに入れた。
 父氏の仕事の開始が遅いので車で行くことができた。獣医さん、さほど遠くなく徒歩圏内とはいえ、3キロの猫の入ったキャリーバッグを担いで行くのは重くて大変なのだ。これは田舎の民の横着であろうか。
 聡太くんは車の中で絶望の叫びを上げていた。でっかい声だ。「い〜や〜だ〜!!!!」というような塩梅である。お前が嫌でも爪を切らないとこちらが大ダメージを受けるのだ。爪は切るしかないのである。

「どうも、いけめんです」


 さて、獣医さんに到着し、爪を切ってもらう段になった。
 獣医さんは洗濯ネットから爪だけ出させて、爪切りでぱつんぱつんと爪を切っていった。しかし洗濯ネットから爪だけ出させようとすると抵抗するので、結局洗濯ネットのファスナーを開けて手足だけ出してぱちぱち爪を切った。聡太くんは特に抵抗しなかった。「このにんげんにはかてない」と思っているのかもしれない。
 獣医さんは聡太くんの爪を切って、「なんだか爪の新陳代謝がよくないねえ、歳とったヒトの爪みたい」と言われた。お気に入りの爪研ぎ板がすっかりぼろっちくなって、嫌いな爪研ぎ板をその横に置いているという状態なので、ああこれはお気に入りのタイプの爪研ぎ板を買ってこなきゃいけないんだな……と深く反省した。
 爪を切り終わって、食品トレイのことを聞いてみると、「体調に変わりがないなら出したんじゃない? 何日か経って体調に変化ないなら大丈夫だと思うよ」と言われた。そりゃそうである。どう見ても健康体なのだ。めちゃめちゃ心配したがとりあえず健康ということでいいのだろう。
 もう一つ聞きたいことがあったがなんだっけ、と思ったが思い出せず老化を痛感した。入れ違いに別の患畜さんが入ってきた。キャリーを見て「猫ちゃんだ」と呟いたら「猫ちゃんですか?」と聞かれたので、「性格の悪い猫です」と答えたら「ビビりの猫です」と言われてなんだか面白かった。
 爪切りの料金はチョッキンした獣医さんと同じく800円だった。まあ厚めの文庫本を一冊買ったと思えば可愛い額だ。

父氏の膝でくつろいでいるところ。


 家に帰ってきて、床に落ちている毛の塊を見て聞きたいことを思い出した。最近抜け毛がすごいことだ。
 聡太くんの毛は、パヤパヤと抜けるのでなく塊で落ちている。獣医さんにいちいち連絡するのも迷惑かと軽くググってみたら、日本の猫は一部の血統書つきを除いてだいたい換毛期に毛が抜けるらしい。ハゲているわけではないので大丈夫であろう。
 思えばたまちゃんは湿ったハゲをよく作ったし、ハゲに爪の切ったところが当たって悪化する懸念があってあまり爪も切らなかった。
 わたしが忘れているだけで、たまちゃんも季節季節で毛替えしていたのだろう。

 聡太くんはいま大変ご満悦でお殿様モードを発動し、高いところから人間を見下ろして寝ている。
 きょうの原稿の進捗を犠牲にしたわけだが、それでも価値ある午前中だったと思う。爪の切り方がわかったし、爪の新陳代謝が悪くなっているなんてなかなか気づかないことだ。気に入らないのを使ってもらうことを期待するより、新しい爪研ぎ板を買ってこなくては。
 なによりもう食品トレイに怯えて日記帳に「聡ちゃんたぶん元気 いや元気だけど」と書かなくていいというのは安心した。
 不安の種は一つずつ潰すに限る。不安なことがあるとなにも手につかなくなる体質の人間なので、不安を潰してから公募の作品に取り組んだほうがいいと思って、きょうの午前中をそういう風に使ったのだ。
 いいものを書いて己の力で聡太くんを養わねば、という気持ちがぐっと高まった。頑張ろうと思う。


【追記】
 爪研ぎ板、もしやと裏返してみたら裏面を使っていなかったので、とりあえず裏返したら喜んでボリボリしていた。新品買う前に見てみてよかった〜!!

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