見出し画像

きょうの聡太くん 2022/10/30

 いよいよ10月が虫の息になってきた。庭の夏椿はすっかり紅葉しているし、ヤブカラシもションボリしてきた。
 聡太くんはストーブの前を堪能している。ストーブの前でお餅状になっていたので、聡太くんのお布団を差し出してみたところスポッと入って眠ったり手足をなめたりしている。
 今朝はずっと噛んだり暴れたり人間の食事をかすめようとしたり元気そのものだった。母氏いわく、砂に埋められて形こそ認識できなかったがUNKOの匂いは健やかだったらしい。ちょっとずつ元気なぽんぽんを取り戻している。
 きのうの夜、チョッキンした傷をなめたようで、傷が赤くなっていた。これはチョッキンした獣医さんに連れて行くべきか、しかしチョッキンした獣医さんは問答無用で治療してしまうのでいつもの獣医さんに行くべきか……と考え込み、もしそこからばい菌が入ったりしたらどうしよう、と思っていたのだが、けさ起きてみたら傷は治っていた。
 思えば先代のたまちゃんはしょっちゅう赤剥けのハゲを作っていたわけで、それを思えばすごく小さい傷なのだが、それをむやみに心配してしまったのはなぜだろう。明日どうなっているんだろう……と毎晩考えているわけだが、しかし心配のしすぎという気もする。
 聡太くん本人、本猫? はきのうも神棚によじ登って楽しそうにしていたわけで、心配しなくていいと理性は考えるのだが、感情がついていかない。なんなのだろう、この過保護にしたい感情は……。

「いえ? わるいことなんてかんがえてませんよ?」


 きょうの「趣味の園芸」はパンジーとビオラの特集だった。我が家の玄関先にもパンジーやビオラやシャコバサボテンが飾られているわけだが、聡太くんがシクラメンの球根を掘り起こしたことを思うと室内に入れるのは無理筋ではなかろうか。
 関東での冬越しの条件が「軒下や、冷たい風の当たらないところ」ということは、北東北なら確実に室内にしまわねばならないやつだ。しかし聡太くんのイタズラを受けたら冬越しもくそもない。毒があるかは調べてみないと分からないが葉っぱをかじる恐れもある。
 この間絵画教室の先生に「シクラメン掘り起こされちゃったんですよ」と言ったところ、「じゃあカゴの中とかに花をしまえばいいんじゃない?」と言われて、百均の材料でカゴを作ってみようか、と思ったのだが、果たしてぶきっちょなわたしにそれができるだろうか。それにそもそも置き場所が思いつかない。自分の部屋は聡太くんを入れることはないのだが、めちゃめちゃ日当たりが悪い。しかし他に適当な場所もない。詰みである。きれいな詰みである。ピッタリきれいな詰みあがりである。どうしよう。
 それを思うと絵の先生のところの猫さんたちはお利口だ。植物をたくさん飾っているのにチョッカイを出したりしない。
 しかし聡太くんにお利口であれというのは無茶なので、なんとか折り合いをつけるほかない。部屋に置けそうな場所を作るしかなさそうだ。

お布団、ずいぶん小さくなったな……。


 最近日本シリーズで父氏がずっと起きているので、聡太くんは毎晩眠いのに明るいのが嫌なのかわたしやわたしの服に八つ当たりしてくる。
 きょうも日本シリーズの中継がある。大河は明日録画を観ることになっちゃうのだろうか。明日は耳鼻科だし場合によっては獣医さんなのだが。仮面ライダーの録画やガンダムも観ねばならないのだが。
 わたしは野球に疎いのでよく分からないのだが、今年の日本シリーズはとても面白いのだという。しかし人間が遅くまで生きているので聡太くんは困惑している。ふだんは8時とかに寝ちゃう人たちがそんな遅くまで起きているのだから仕方がない。
 父氏は寝るころにはだいたい見事に酔っ払っているので、父氏が聡太くんを廊下に閉め出したりしないか確認して寝る役のわたしがいちばん遅く寝ることになる。なんというか損な立場だ。わたしだって早く部屋でゴロゴロしながらスマホをいじったりしたいのである。
 聡太くんが来てから自分の部屋にいる時間が減った。昼寝するときも聡太くんが寒くないように茶の間にいるわけだし、日中のほとんどを茶の間で過ごしている。ちなみに昨日は昼寝しようと思ったら聡太くんはすでに寝ていて一緒に昼寝してくれなかった。
 聡太くんはわたしが茶の間からいなくなると鳴いて探すらしい。これが「自分の時間が減る」ということなのか。聡太くんがもうちょっと成長するまでの我慢である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?