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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2022/11/19

 きのうの人間の夕飯はホッケの干物だった。買い物袋をどっこいしょと台所に置いた瞬間から、聡太くんはホッケの干物にロックオンしていた。買い物袋(なんでエコバッグなんていう面倒な呼び方をするのか)に顔をつっこみ、ホッケの干物の容器に思い切り噛みついた。
 そういう無体なことをするともちろんケージに入れられるわけだが、まあしょせん子猫である、食べ終わって食器を片付けたらふつうにはなして大丈夫であろうとケージを開けた。
 すると今度は台所の、魚焼きグリルの排気口に飛んでいって、フタを持ち上げて中の汚い脂の匂いを嗅ぎ始めた。猫ってこんなことするのか。たまちゃんはそんなことしなかったぞ。
 そんなわけでグリルの排気口のフタに物を乗せて、手出しできないようにしてやった。しかし今度は母氏が職場でシェアしようと買ってきた茶まんじゅう5個入りパックに突撃した。
 母氏が茶まんじゅうを厚めの紙袋に入れて、口を折り曲げ洗濯バサミで止めて、手出しできないようにして玄関に置いたのだが、今朝、聡太くんはそれをどつき回して同じ場所にあった車の鍵をはたき落とし、母氏が茶まんじゅうをカバンに入れたところカバンに頭を突っ込んでゴソゴソした。

「このなかに……ちゃまんじゅうが……」


 この聡太という猫はなんでこうも食い意地が張っているのか。飼い猫の子として生まれて食べ物に困ったことはないはずなのだが。
 高い身体能力を盗み食いに全振りしたのだろうか。食いしん坊にもほどがあると思う。さんざん叱られても懲りないのが猫らしい。
 懲りない、というより「響かない」かもしれない。叱られているというのを認識しないのだ。だから叱られているそばから悪いことをする。
 こんなに可愛いのになんでこんな悪いことをひたすらやるのだろうか。本人には悪いことをしているという認識はいっさいないのだろう。
 人間がおいしそうなものを食べていたから自分も食べたい、と思うのだろうか。どうしてそうも食い意地でできた生き物なのか。
 キャットフードがおいしくないのだろうか。そりゃおいしいものを食べさせてあげたい、あげられるなら焼き魚でもお刺身でもフライドチキンでも食べさせてあげたい。ただそれは猫という生き物によくないから与えていないのだ。そこを理解できるほど、聡太くんは賢くないのである。

 きのう、いつも通りソファに寝っ転がってお昼寝に誘ったところ拒否されてしまった。どうやらストーブの温風が当たるところがいいらしい。そういうわけで床に座布団を並べて横になってみたところ、ほいと膝に乗ってきた。
 床に接している人間は寒いのだが、聡太くんはぬくぬくと昼寝をしていた。人間を布団だと思っているらしい。さすがのお猫様である。
 一緒に昼寝できるのは嬉しい。たまちゃんはそんなことしなかったからだ。そこはやはり元野良と生まれついてのプロの飼い猫の差なのだろう。

またしても後頭部。


 きのうふと気になって、猫は何ヶ月まで成長するのか調べてみた。生後1年間は育ち続けるという、ペットフードメーカーのサイトが出てきた。
 本当にちっちゃいころの、すごい勢いで成長する期間は終わっているのだが、それでもまだゆるやかに成長するのだそうだ。まだまだ聡太くんがでっかくなる余地はあるということだ。
 聡太くんにはどんどんでっかくなってほしい。巨大猫になってほしい。もう「これなんの動物ですか」サイズは無理かもしれないが、来年の3月までゆるゆるでっかくなってほしい。もちろん健康に。
 ちっちゃいころも可愛かった。でも猫として一緒に過ごすのはでっかくなってからのほうが長い。いまでも呆れたように「でっかくなったねえ」とときどき言うのだが、もっともっと大きくなったらいいなあと思っている。
 なんでも文句を言わずモグモグ食べるし、よく寝るし、遊んでやれば大暴れする。まさしく食う寝る遊ぶである。それでいいのだ。そうやって元気に長く生きてほしい。

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