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きょうの聡太くん 2022/8/22

 朝から生傷を増やしてしまった。朝ドラが終わって、人間がいろいろ動いているうちに、聡太くんが「たのしいプロレスごっこ」を始めてしまったのだ。ねこちゃんホールド(前脚で人間の腕にしがみつきかじりながら後ろ足で蹴る必殺技)を発動して、わたしの腕を噛んだり引っ掻いたりする。流血した。痛い。
 ただでさえチョコレートを食べたら銀歯がとれたというのに、これでは泣きっ面に蜂ではないか。子供のころからずっとお世話になっていた近所の歯医者さんが廃業してしまい、よその歯医者さんの予約をとらねばならないというプレッシャーでドキドキしていたのだが。
 新しい歯医者さんにかかるということは問診票を書かねばならない。字ヘタクソ人間にとってこれほどのプレッシャーはない。
 人間の歯医者はさておき、噛む猫は大きな音でビックリさせるとよい、という話を聞いて、さっそく試してみたが、最初の1回2回は効いても完全に興奮してしまうとあまり効果がない。なんでああまであらぶるのだろうか。
 噛み癖を直すなら生後6ヶ月が正念場だという。「動物のお医者さん」のガブリエルくんみたいにならないよう頑張って噛み癖を治せるように努力してみる。

「ここ、あったかくていいんですよ」


 おそらく、聡太くんとしては「にんげんがいる! あそんでもらおう! ぷろれすごっこでいいんですね? じゃあぷろれすごっこをしましょう!」というノリなのだと思う。そして遊んでいるうちに興奮して激しく噛んでくるのだろう。
 聡太くんは小さいころに親きょうだいと離れたので、噛まれると痛いということが分からないのだ。ましてや人間には猫のように尖った爪はないので、引っかかれると痛いということを学習するのはむずかしかろう。
 興奮したらそっと離れて無視するのがいちばんよさそうだ。なんの弾みで暴れ出すか分からないが、人間に無視されたら「そうか、あばれたらあそんでもらえないのか」と認識してくれるのではあるまいか。
 そろそろ歯がかゆい時期も終わりだろう。この間歯が抜けたところには見事なキバが生えている。人間が大ダメージを受ける技はどちらかというと爪に重点が移りつつある。もちろん噛むのだが、興奮していなければそんなに痛くない。本気で噛まれるとそりゃ痛いが、噛まれて大ダメージを受けることは減った気がする。

ショボボ……。


 きのうは将棋道場に久々に行ってきた。公民館のクソ暑かった和室にエアコンがついた。行ったら初手、支部長さん(まあ要するにおじさんたちのリーダーである)に「その傷、猫にかっちゃがれたの?」と聞かれた。かっちゃがれた、というのは「引っかかれた」という意味の最近なかなか聞かない方言だ。
「ええ……聡太って名前つけちゃったもんだから無敵でして……でもかわいいんですよ、膝の上で寝たり手からエサ食べたり……」みたいなことを言って聡太くんを弁護しておいた。事実だし。
 聡太くんは端的に言って無敵だ。勝てる人間は我が家にはいない。父氏はきのうジャンクスポーツを見ながらどうにか聡太くんに椅子からどいてもらおうとしていたが、結局聡太くんは抱き上げられるまで動かなかった。
 こいつは大物になるぞ、という気がする。事実でっかいし。あの手のひらに乗る大きさの子猫がこうまで態度も体もでかい猫になるのかと思うと感慨深い。
 まだまだ顔と行動が子猫なので、子猫という扱いでいいのだろうが、しかしでかい。態度も体もでかい。
 6ヶ月を過ぎると成長はゆっくりになるらしいのだが、だとしてもまだまだきっとでっかくなる。というか、今現在でもお腹ゆる太郎が治れば余裕で3キロを突破すると思う。
 大きくなって薬が効きづらくなってきたのか、ここ最近ずっとお腹がゆるい。しかし食欲はマシマシなのでお腹をセーブするのが難しい。
 よその同世代の子猫はカリカリとお水だけで暮らしているというのに、聡太くんはカリカリとパウチとミルクのこねこさまランチを食べている。早くカリカリとお水のみに切り替えたいが、お水をやったらガブガブ飲んでお腹を壊すのではなかろうか。こねこさまランチを用意するのはなかなか面倒なのだが。

 とにかく健康に育ってくれればそれでいいのである。早くお腹が治ることを祈るしかない。

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