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きょうの聡太くん 2022/7/31

 きょうは平和な日曜日。朝ちょっと聡太くんが暴れていたけれど、きっとお昼前くらいにはのんびりするよね。将棋道場もきょうは子供さんの大会があるとかでおやすみだし、のんびりぐうたらしつつ配信のドラマでも見ようかな。その前にまずえねっちけー杯を……いででで。なんだお前は。なぜ噛み付く、アッなんでネコチャンホールドをしてくるんだ(説明しよう!ネコチャンホールドとは人間の腕を前脚で掴み、後脚で蹴り飛ばしながらかじってくる威力絶大の子猫戦法である!)!

 というわけで平和な日曜の将棋観戦タイムは腕を傷だらけにされて妨害された。そのままにしておくのも不潔なので感想戦が始まってから洗面所で引っ掻かれた傷を流したが、見事なミミズ腫れになっていて水が泣けるほどしみた。痛い。
 たぶんこれも傷跡になるんだろうなあ……である。小林製薬のアットノンのお世話になるしかないのだろうか。アットノン、子供のころ作った傷跡にしばらく塗っていた時期があったが、あれは相当根気よくやらないと消えないのだ。短気な自分が憎い。
 まあもうちょっと大きくなったら落ち着いてくるのではないか、と思うのだが、どこかの人間の親御さんが「一歳になればとか幼稚園入ればとか小学校入ればとかで落ち着くっていうけどぜんぜん変わらない、しんどさは増す」みたいなツイートをしてバズっているのを目撃してしまったので、もしかしたら猫もずっとこうなのかもしれない。だから聡太くんの暴れん坊が本格化したころからずっと戦々恐々としている。

「どうも。はこいりむすこです」


 きのうの夜、テレビで録画予約し忘れがないか茶の間にそろりそろりと向かったところ、聡太くんがゴキブリを追いかけ回して猫パンチして脚をもいでいた。慌ててティッシュで捕まえて捨てた。なんでゴキブリなんか追いかけるのか。
 今朝は廊下のドアが開いていて母氏を早朝にギャン鳴きして起こしたらしい。どういうことだ。
 そしてテレビを見ていたら、テレビ台の下に押し込んでいた、菓子パンの袋を結んだおもちゃをテレビ台の前後から押し出したり引っ張ったりしていくつも取り出してわあわあ遊んでいた。危ないのでぜんぶ取り上げて捨てた。このあいだ破片を飲み込んで吐いたというのにまったく反省していない。
 母氏がお昼ご飯を買って帰ってきたら割り箸の袋をかじって遊び出した。つまようじが入っているからやめようねと取り上げて捨てた。
 それでも可愛いんである、寝ているところを見ていると「ああ平和だ」と思うんである。
 これはもはや、ニコチン依存症の人がタバコなしで生きていけないのと同じ、猫依存症ではあるまいか。タバコは体に悪いけれどやめられない、猫はとんでもない無体をするけど猫のいない暮らしは考えられない。
 そんなことを、我が家に来た初日にキャットフードをもぐもぐ食べる聡太くんの動画を見ながら思う。ああ、こんなにちいちゃかったんだなあ……と思う。その小さい生き物が、いまではずいぶんでっかくなって、後ろ姿は堂々としているし寝ると猫用の布団からはみ出すのである。

 そういえば、母氏の推しピアニストの公演が秋田市で行われることになり、おととい母氏は泣きべそをかきながらチケットを手に入れようと四苦八苦して「コンビニ決済ってどうやるの?!?!」と言っていた。ああこれはローソンでやるやつだ、とわかったので、昨日手伝いつつローソンでその公演のチケットを手に入れた。
 秋田県はなにしろ広いので、我が家から秋田市にいくには2時間列車に乗らねばならず、公演は夕方なので泊まりがけになる。母氏が1人で泊まりがけの旅行に出かけるなんていつ以来だろうか。推しの力は偉大である。どんどん自由に出かければいいと思う。

あづい……。


 7月がまもなく終わる。
 そろそろ聡太くんのご飯の回数を減らすことを考えねばならない。それにチョッキンするのはいつか、様子を見なければならない。
 かみ傷ひっかき傷でボロボロになりながら、飼い主として聡太くんを導かねばならない。
 聡太くんの人生、いや猫生は、わたしたちが守ってやらねばならないものだ。覚悟を新たにして、8月を迎えたい。

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