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きょうの聡太くん 2022/12/22

 クリスマスが近づいてきている。
 わたしもクリスチャンの末席に座っている人間なのだが、教会にどうしても馴染めなくて礼拝には参加できていない。学校に馴染めなかったのだ、学校以上に雑多な人の集まりである教会に馴染めるわけがない。
 ノンクリスチャンの父氏が土日に休みを取ったというので、母氏が「イブ礼拝こない?」と入り口的イベントに冗談半分で誘ったものの、結局行かないようだ。なので毎年クリスマスは父氏と二人で粛々とオードブルをつついて終わるのだった。
 聡太くんはクリスマスというものを知らないわけだが、まあクリスマスツリーなんぞ飾ろうものなら暴力! 破壊! 倒壊! ということになるのは目に見えているし、ペット用ケーキというのは人間のエゴの固まりにしか見えない。そしてトナカイの角やサンタクロースの帽子などの被り物は断固拒否されると思う。

長い。


 聡太くんが新しい安住の地を見つけてしまった。
 キャットケージの天井に丸めた風呂敷をおいておいたら、そこに乗っかってくつろぎだしたので、調子にのってさらに座布団を追加したところ、まったりとくつろぎはじめられた。
 ちなみにこの座布団は聡太くんがカバーにUNKOをなすりつけたもので、カバーは洗濯かごのなかだ。白いクッション部分にのっかり、幸せそうに昼寝をしてらっしゃる。
 危ないような気もするのだが、高いところに登りたいというのは猫の本能である。とりあえずカーテンレールに登らないなら問題ない。
 聡太くんは神棚や仏壇にも登りたがるのだが、神棚は単純に聡太くんのおくつろぎスポットで構わないし、仏壇だって早いところ父氏の兄、つまり伯父の家に引き取ってほしいなあと家族全員思っている。しかし父氏はおぼっちゃまくんなので怖くてそういうことを言い出せないのであった。
 神棚のお札だってもう10年以上買っていないし、仏壇だって線香をあげたりするのはお盆くらいだ。父氏だって仏壇をポテチ置き場(ただしお鈴をちーんとはする)くらいにしか思っていない。そこに信仰がないなら処分していいと思うのだが。

「かいてき〜」


 聡太くんは人間の考える難しいことはわからない。ただ楽しくて快適でお腹いっぱいならそれで構わないのだろう。それが生き物の基本なのだなあと思う。
 おいしそうなものがあればなんでも口に入れる癖はどうかと思うのだが、聡太くんは聡太くんなりに、これは食べられるのか、と考えた結果なのだと思う。
 猫という生き物にどれくらいの知恵があるかは分からない。まあよそ様の猫は知育玩具で遊ぶようだから知恵も少々はあるのだろう。
 聡太くんが話せたらなにを語るのだろうか。「アッハイ、森林限界の手前です」とかいうのだろうか。「僥倖です」とか「望外です」とか言うのだろうか。言わないと思う。「おなかすいたー」とか「ねるー」とかそういうことを話しそうだ。
 人間が猫を見るとなにか哲学的なことでも考えていらっしゃるのか、と思ってしまうのはなぜなのか。猫は謎だ。

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