『人間きょうふ症』46

 ちょうど正午にもなり、出かける時間となった。
 先生を隣に、とある古そうな住宅地に行った。数分歩いていると、見たことあるような光景が目に映る。
 「あれ、、んー、、」
 「どうしたの?」
 「なんか、きたことがあるような、、そんな気がして。なんか幼かったときに来たのかもしれないし、もしかしたらデジャブなのかもしれないし、よくわかりませんけどね。」
 「…」
 先生はずっと無言でいた。普通なら、返答くらいはするはずなんだけれど、、。
 沈黙の中、辿り着いたのは、やはり見たことのあった喫茶店だった。事故の時に見た、あの”喫茶店”だった。先生は堂々とドアと開いた。
 「御免ください。高瀬さんはいらっしゃいますか。」

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