浮気はやっぱり悲しいよ。
浮気するような人なんてこっちから願い下げ。
ずっとそう思っていた。
「一年記念日に浮気されてた、、」そう話す友達に私は言った。
「まじ?最低すぎる、、そんな人に浮気されたくらいで悲しむ必要なんてないよ」
そして、私なら浮気された瞬間に一瞬で冷めるけどなー、私の魅力に気づかないなんてセンスないし!と心の中で呟いた。
本心でそう思っていた。このときは。
ー
私の部屋で彼氏と二人きり。
テレビ何見るー?なんていういつもの楽しい時間が、今日は残酷な時間に。
「本当にごめん。魔が差しちゃっただけで、今でも君のことが一番好きな気持ちは変わらない。」と謝るあなた。
よくもまあそんな嘘を、、
いや、本当にそうならまだ幾分救いがあった。
でもたぶんそれは彼の本心なのだろう。
思えば今までたくさんの幸せを積み上げてきた。
二人でこっそり抜け出して見に行った合宿先の星空
桜全部散っちゃってるじゃん笑と笑いあったピクニック
これどうかな?似合うと思って!、とふらっと買ってきてくれたワンピース
小さな幸せも全部全部覚えている。
先週の土日だって、将来の話で一緒に盛り上がったよね?
あのときのあなたの屈託のない笑顔は間違いなく噓じゃなかった。
でもその子と会ったとき、ご飯を食べてたとき、ホテルに向かったとき、私の顔はよぎらなかったんだね。
私は仕事してても、友達と旅行に行っててもあなたの顔がよぎるのに。
ただただそのことが悲しくて、、
あー、、言葉が出てこないなんて気持ち、本当にあるんだね。
悲しい、切ない、そして、苦しい。
浮気するような人なんてこっちから願い下げ。
ううん、そう思って強い女になろうとしてただけ。
だから、今精いっぱい声をふりしぼるよ。
さようなら。私の一番大好きな人。
水無月 双
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