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裃左右の野望

こんばんは。裃左右です。本日はわたしの目標についてお話します。内容としましては、【1】~【6】の6つのパートに分かれた少し長めの話となっています。

今日の話で一番お伝えしたいのは、

作者の今後の目標は『小説を全部無料で公開することだ!』ということです。ここさえお伝えすることができていれば十分です。

今日の話は『小説を全部無料で公開する』という考えに至るまでの話となっています。では、はじまりはじまり~。

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【1、最近おもったこと】


近年は”小説が売れない”、”出版業界は不況に陥っている”といった話がよく聞かれますが、それはいったいなぜなのか。


わたしが個人的に考えた答えとしては、
『内容が分からないから』ということだと思います。

こんなことを言うと、
「内容が分かったらダメだろ!」という声が聞こえてきそうです。

確かにミステリー小説などは、内容の謎こそがキモなので、それを公開してしまうのはダメです。そうじゃなくても物語の重要な伏線や、緊迫したシーンの結末を見せてしまうのはネタバレです。
よって、
「小説は読んでいない人に内容を公開するのは基本的にダメ」ということになります。

しかし、本を読みたい人が、本を買う時にどんなことに気を使っているのかと考えると、実に内容を重視しているというのは間違いないと思います。
少なくとも今から買う本が、ミステリーなのか、恋愛なのか、ホラーなのか、エロ小説なのかぐらいは分かっていないと、多分買う人は少なくなると思います。

Q.【女たちの赤い星】というタイトルの小説を買いますか?
A.ジャンルとあらすじと、最初の数ページを読んでから考えますみたいな感じです。

これをさらに突っ込んでいくと、この本は『ハッピーエンドなのか、バッドエンド』なのか、というところを知りたいという人もいると思います。というかぼくがそうです。

完全に個人的な話となりますが、わたしは『バッドエンドで終わる恋愛小説』というのは読みたくないという人です。

「んなこと言ったって、オチを暴露するのは小説として一番やっちゃダメなことだろ!」と言われそうですが、ぼくは読んで心苦しくなるような小説はできることなら読みたくないんです……。主人公とヒロインが苦難を乗り越えつつも、最後は幸せに結ばれる話がいいんです……。

で。あまり自分好みではない小説を読んだ時に何を思うのか、

『せっかく買ったのに、あんまり面白くなかった……』

たぶんこうです。つまり”買ったことに対する後悔”みたいなものが発生してしまうのです。しかし、これはいわゆる『この小説はつまらない』というものとはだと思っています。

世の中にはたくさんの人がいますし、人それぞれ捉え方も考え方も違います。「新しいもの」や「珍しいもの」が大好きで、どんな話かすらも全く分からない「未体験」を求めて本を読むという人もいれば、怖いのは苦手だからホラーは読まない、読むのは恋愛小説だけ、みたいな人もいます。

そして、後者の人が『死んだ恋人がヤンデレに近いような愛情で幽霊になってよみがえって、主人公に憑きまとうようになった』みたいな本が出合ってしまったとき、『せっかく恋愛小説を買ったのにホラーっぽいのが入ってた……』という、期待を裏切られた、というような感情が発生してしまうのだと思います。

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【2、エロではどうなのか】


一応、エロ小説を書いてお金も頂いている人間としては『せっかく買ったのに、抜けない……』といった感情を購入して頂いた方に抱かせてしまうのは、非常に心苦しいです。

作者として、それは少しでも防ぎたい!と思ったりするのですが、考えるほど対処方法が見つかりません。

一般小説における、ミステリーが好き・恋愛小説が好き、というような大まかな区分けでさえ、バッチリと期待通りの展開をお届けするというのは難しいのに、エロになるとほとんど期待通りの内容とするのは不可能に近くなってしまいます。

エロのジャンルはバッチリとハマる人がいる一方で、忌避感を抱く人も多くなりがちです。仮にAというジャンルに忌避感を持っている人が、Bを期待して買ったのに、内容はAだったなんてことになったとしたらとんでもない不満が出てくることでしょう。

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【3、作者の話ー面白さ編】


さて、なんでぼくがエロ小説を書いているのか、というと、
「エロ小説を書くのが好き!」だからです。妄想から生み出され、想像というスパイスによって彩られたエロ描写というのはとても素晴らしいものです。「一生エロ小説を書いて生きていきたい!」と思うぐらいエロ小説を書くのも好きです。

「一生エロ小説を書いて生きていく」を実現するには「エロ小説でお金を得る」必要があります。つまり『エロ小説を売り、買ってもらう』という流れが必要になるわけです。


そして、エロ小説を買ってもらうためには
”面白い!”
”エロい!”
”抜ける!”
――――な内容が必要です。

ここでぼくは思いました。
面白くて、エロくて、抜ける小説は書きたいけど『何時いかなる時も、誰にとっても面白くて、エロくて、抜ける小説を書く』って無理じゃね…………と

「作者なら面白い小説を書く努力をしろ!」

と言われてしまいそうですが、”どれも全部最高に面白くてエロくて抜ける”っていうのは、かなり難しい――――というか不可能な気がします。

一般小説でも、
「○○さんの小説はめちゃくちゃ好きだけど、最新作はあんまり好きじゃなかったな……」というのは、絶対にあると思います。同じ作者の作品でも、つまらない時もあれば面白い時もあります。
毎回ストーリーも登場人物もテーマも違うわけですから、面白いと思ったものと、全く同じ面白さを別のもので味わうのは不可能です。

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【4、作者の話ーお金編】


次は”お金”の話です。
ぶっちゃけて言いますが『小説を書いて安定して儲ける』ためには、どうすればいいのでしょうか?

小説は『内容や、読んだ人によって面白さは違ってくる』という話でしたが、これはお金についても関わってきます。出版社というのは、本や雑誌などを発行し、その過程でお金を得る――儲けています。


本を出版するというのは、立派な経済活動で、お金儲けの手段です。

本の場合、一般的なモノを作って売る、というものとは違った部分があります。小説の場合は”面白さ”を価値として、販売されています。
先ほど小説は『内容や、読んだ人によって面白さは違ってくる』という話をしました。


するとどういうことが起きるのかというと、
『最新作は前作よりも面白いので、価格は倍になります!』
というのは、本ではできないということが起こります。

モノとかだったら、
『価値が高いもの(スペックが良い)=価格が高い』
が成り立ちます。
4GBのUSBより、128GBのUSBの方が価格は高いのは当然です。

しかし本では
『価値が高い(面白い・エロい・抜ける)=価格が高い』

がなりたちません。
面白い・エロい・抜けると価値は、人によって違ってくるからです。

本の価格は、作家の知名度や宣伝から売れる部数を予想して、さらにページ数、装丁、印刷費、発行部数などを吟味して決定。最終的に『総原価=売上の55%くらい』となるように調整がされます。

この”売れる部数を予想”というのが、かなりのクセモノです。
超有名作家や、人気作の続編などでは過去の売上からある程度予測できますが、新人作家や、無名作家の数年ぶりの書下ろし、などでは予想なんか不可能です。なので「最悪でもこのぐらいは売れるだろう」という考えから、値段が決まってきます。

はっきりいって内容よりも、豪華な装丁・ページ数が多い、ということの方がよっぽど価格に関わってくるほどです。


『本の面白さと値段は全く無関係』ということです。
本の面白さは値段では測れません。”高い本だから面白い”という理論は成立しません。


これは面白い本なのか? という疑問の答えは、疑問を抱いた本人が読まないと分かりません。他人の感想を聞いても、自分がその通りに感じるとは限りません。しかし本を読むためには、本を買わないといけません。面白くない本は買わず、面白い本だけ買う、というのはまず無理です。

これは、作家側としても重要なことです。
小説を書いて生活費を得ている作家としては、たくさん本が売れてほしいです。なので「これは面白いんじゃないか?」という小説を書きます。
しかし”面白い”というのは人によって違います。売れるか売れないかなんてわかりません。作者は面白いと思っていても、別の人が読んだら全然面白くないというのはよくあることです。

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【5、作者が一番求めているものー理想編】


さて、いよいよ本題へと移っていきます。


わたしは、今までいくつかの小説を書いて、有料で公開してきました。
『お金を払わないと見せないよ!』という小説を書いたわけです。
そしてどの作品も、それなりの人数の方に買っていただきました。

過去に有料で出したのは、以下の通りです。
・108円×2本(過去に無料で公開したものに、書きおろしを加えたもの
・216円×3本(過去に無料で公開したものに、書きおろしを加えたもの
・500円×1本(完全書きおろし

この時、わたしは”ページ数”で価格を決めました。
単純に『1万字=100円』ということにして、掛け算で価格を決めました。
ただし完全書おろしについては『買わないと絶対に読めないよ!』という
希少性をこめて、少しお高めの値段としてみました。

ではここで一つ暴露してみようと思います。『完全書下ろし、500円の小説』ですが、他と比べて売れませんでした。

もちろん書いているうちは、「過去最高にめっちゃ抜けるのを書いてやるぜ!」とは思って書いていたので、内容については自分の中では悪い物ではないと思っています。

わたしが名前もたいして知られていないようなほぼ無名の一介の作家にすぎないことや、そもそも作家としてのレベルがまだまだ低すぎる――といったことは一旦横に置かせて頂いたとして。

やはり『内容がいまいち把握できない本は買うのに抵抗がある』という心理の一端を感じました。

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【6、作者が一番言いたかったこと】


そこで何を考えついたかのが、

『小説は基本無料で公開する!』というものです。

新作書下ろしを販売? お金を払わないとこの小説は読めません?
無料はここまで、残りは製品版でどうぞ? 購入して頂いた方限定?

そんなのぜんぶ取りやめじゃっ!

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Q.「抜ける小説をたくさん読みたい」
A.じゃあ無料で読めるようにすればいい!

Q.「買ったのにイマイチ……ということになりたくない」
A.じゃあ買わなくても、無料で読めるようにすればいい!!

Q.「内容がわからない小説は買う気にならない」
A.じゃあ買わなくても、無料で読めるようにすればいい!!!

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ん?『全部無料じゃ、作者にお金が入らないじゃないか』って?
素晴らしい!!!!! よくぞそこに気がついてくれました!!!

Q.『全部無料にしたら、作者にお金が入らなくない?』
A.そこに【サポート】があるじゃろ?

Q.『これ全部無料で読んでいいの?』
A .いいよ!
 ところで、そこに【サポート】があるじゃろ??

Q.『めっちゃ抜けました!』
A.ありがとう!
 ところで、そこに【プラン】があるじゃろ???

Q.『無料で読ませてくれるなんて心苦しいです……』
A.全然気にしなくていいよ!
 ところで、そこに【プラン】があるじゃろ?

Q.『無料なら金払う必要ないじゃん』
A.そうですね!無理して払って頂かなくても大丈夫です!
でも出来ればお金欲しいです無理なさらなくても大丈夫ですができることならほんのちょっとだけでもおねがいまします途中でやめることもできますなんとなく一ヶ月だけやってやっぱやーめたでも全然オッケーですもちろん途中で戻ってきて頂けるのは大歓迎です。ちなみに月/100円は1日あたり3円です自販機でふらっとジュース一本買う値段よりも安い価格を1か月に1回頂ければそれで充分ですお願いします。

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まとめ


――――という流れにするのを思いついたという話でした。
『全編書下ろしとか言って無駄にお高めにした小説を売って、好みじゃなかった人が買ってがっかりする』みたいなことになるぐらいなら、最初から全部無料公開して、応援して頂ける方から広く浅く頂くほうが、作者としても読者としても、最終的な結果としては良いんじゃないかな、って思ったわけです。

もちろん出来る出来ないは別です。完全に慈善に頼り切った共産主義的発想なのかもしれませんが……裃左右というのは、そういうことを考えたりするヤツなのか……といった感じに思って頂くだけでもひとつお願いします。

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