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お仕事辞めました。


女子サッカー選手引退から約2年
性別適合の治療を開始して約2年
正社員としてジムに勤めて約2年、、、

とにかく突っ走った2年間。
とにかく本当に色々なことが変わりました。

治療関係としては、全ての手術も無事終わり、
現在はとても元気に幸せに過ごしています。
あと戸籍上の性別と名前を変更するだけです。


そして仕事も辞め、環境も変えました。

今回は、自分の中でも濃い内容になりました。
ありのままの気持ちを文章にしました。
トランスジェンダーとしての自分だけではなく、
1人の人間としての葛藤もありました。


1. 向き合うきっかけ


半年ぶりに、尊敬している人に会った。
この人に会うと毎回頑張ろうと思わせてくれる。
今回もワクワクしながら会いに行った。

この人には嘘がない。
いつも真剣に話してくれて
想像もしない意見を伝えてくれる。

解散した後も「また頑張っていこう〜」
なんて考えてた。

でもその人からは、
「ギャップを感じた」「弱さがまだ残っている」
「笑って誤魔化してるように感じる」
そう言われた。

想像もしなかった言葉たち。
そして自分の1つひとつの発言や
表情などを思い返した。
ハッとさせられた。その通りだと思った。

真正面から向き合ってくれて
ありのままを伝えてくれた。
すごく落ち込んだけど
こんなに考えてくれて伝えてくれて
本当に幸せ者だと思った。
久しぶりに泣いた。

これをきっかけにこれから自分はどういう風に
生きていきたいのかを考えた。
逃げずに向き合おうと思った。
そして覚悟を決めないとと思った。


2. “私” “僕” の2年間

・女性として入社し、男性として退職


入社当初は、声も高かったし、生理もあったし、
お尻も大きかった笑
そんな変わっていく自分を、会社の人や
お客さんは誰1人として否定せず、
受け入れてくれて本当に恵まれてるなと思った。

逆にそういうデリケートな話も
気さくにしてくれる方もいて居心地が良かった。

マイナス面としては、自分のことを
女性として見てる人も、男性として見てる人も、
トランスジェンダーって知っている人も
ごちゃ混ぜにいたってこと。

例えば、
Aさんからは、女性としてみられてるから
彼氏とか子宮頸がんの話をしたり、
Bさんからは、男性として見られてるから
女子サッカーしてたことは絶対に言えなくて、
Cさんは、トランスジェンダーということを
知っているから手術の話をありのままに
できたりして。

そこの話のチョイスを間違えたりすると、
お客さんも気まずいだろうし、自分も嫌な
思いするなーと思ったのでだいぶ気を使った。

それなりに楽しかったけど
もうこれからは自分を偽ることなく
生きていける環境に身を置きたいと思った。


・治療と仕事


振り返ってみるとこの2年間、
とにかく身体を削った。

ご縁もあって、正社員として
パーソナルトレーナーの仕事に
就かせていただいた。
未経験だったのにも関わらず雇ってくれた
会社には感謝しかない。

元々、成長意欲だけはいっぱいな自分は
既存のトレーナーの人たちから知識を学んで
目の前のお客さんに一生懸命だった。
とっても楽しかったし、お客さんに
「楽になったありがとう」とか
「佐藤さん指名でー」とか言われた時は
やりがいも感じられたし、嬉しかった。


しかし一方で、
治療を始めてから、治療にかかる
お金のことがいつも頭の片隅にあった。
保険適応外なので、社会人に
なったばかりの自分にとっては相当な出費。
バイトも掛け持ちして朝から晩まで働いた。
記憶に残ってるのは働くか寝るかしか
していない日々。思考停止状態だった。

1日、多い時で10人のお客さんを
トレーニングさせていただいていた。
終わる頃には頭が働かず、放心状態に近かった。
向き合いすぎたら、自分が壊れる。
途中でそう思った。
お客さんには元気になって帰って欲しいし、
自分の中の全力を出して接したいと
思ってたので、尽くしたい自分と
ボロボロの自分が葛藤して自分の中で暴れてた。
本当にしんどくて辛くて、誰にも相談できずに
時が過ぎるのを待った。
ほんとに人生で2番目くらい
にしんどかったかもしれない。
(1番はアメリカでホームシックに
なったとき…笑)


・社会の中に馴染んでいく自分


そう、だからもう一人の自分を作り出した。
感情を捨てた。

お客さん全員に好かれるために
お客さんの顔色を伺いながらどうしたら
相手が気持ちよくトレーニングしてくれるか
だけを考えてた。

まーそれが世の中のいう「仕事」って
いうものなのかもしれないけど。

誰に対しても笑顔で接することで
相手との距離をとり、向き合うことを辞めた。
それが一番楽だった。
そしてそれがだんだん上手くなり、
どんどん本当の自分とはかけ離れていく
もう一人の自分が出来上がっていった。

その頃は必死すぎてそんなことにも気づかずに
ただ仕事する日々を過ごしていた。

そうするうちに気づけば、もう一人の自分が
現在の自分になっていた。

そして怖いもので、
そうなることで「自分は成長した。」と
勘違いしていた。馬鹿だなあ。


自分にとって、社会の中で与えられた
役割を全うすること、期待を上回ろうと
することは、”自分を演じること”に
なってしまっていた。


3. これからは自分らしく生きていける空間を自分が作る


自分自身これまで男女という
性別の枠組みの中で生きてきて、
“みんなと同じ”ように振る舞ってきた。
そうやって自分を守ってきた。
でもそうやって生きるしか自分の安全を
確保できない世の中は苦しい。

みんなと違うという理由で
自分らしく生きられない、というのは
違うと思う。
(そもそも人間誰1人として同じ人間は
いないんだから。)

「自分は今までこういう風に生きてきたから
これからも同じように生きていく」
「自分はそういうタイプじゃない」
という風に自分の可能性を自分から
閉ざすのなんてもったいない。

どんなバックグラウンドを持った人でも
尊重され、認め合えるような集団、空間を
作りたい。
そして同じ価値観を持った仲間と成長していける
環境があれば、自分1人では想像もできなかった
未来を生きられるのではないかと思う。

自分はどんな人間になりたいか。
誰からも好かれる人になろうとするのではなく
やっぱり自分は目の前の人と真剣に
向き合える人でありたい。
本当に大切にしたい人を大切にできる人に
なりたい。
まだまだ未熟だけど逃げずに突き詰めたい。



すぐに形にはならないかもしれませんが、
その分じっくり向き合って、
納得のいく形を目指します。
試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ行動に
移していきますので、これからも
見守っていただければと思います。


読んでくださりありがとうございました!
また書きまーす。


Sou

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