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小説:噓つきは殺人鬼の始まりSNS採用調査員の事件ファイル(著:佐藤青南)

題名の通り、主人公はSNS採用調査員であり、業務をこなすうえで"囮アカウント"を複数所有している。

この物語の嘘とはネット上で他人を演じていることだ。ある日、その"囮アカウント"を育てるために必要なネット上の関係者が次々と殺害されてしまう。何故“囮アカウント”と関わりのある人物が狙われるのか、これが本作の大きな謎だ。

本作では、"裏アカ"から人物を特定する能力に優れた茉百合という人物が相棒となるのだが、茉百合の本性や真意が最後まで明言されないことが非常に良かった。最後になって気づくのだが、主人公も読者も茉百合の掌の上で踊らされることになる。

主人公は連続殺人を自分の責任だと感じているように思えるが、明かに茉百合がキッカケだろう。茉百合の姉も登場するがこの姉妹は被害者という立ち位置にいながら人をコントロールする能力に長けている。これを意図的にやっているのであれば完全犯罪も可能だ、現に立証もできないし主人公も確証が持てないほどだ。

本作では"裏アカ"によって人の裏の顔を解き明かしていく、ただ茉百合という登場人物のおかげで人間の本性や真意はSNSでは計り知れないのかもしれないと思わされた。そもそも他人の本性は知らない方が幸せなんじゃないのか、人間の本性が一番やばいと恐怖さえ覚えた。

現実でも簡単に人物の特定できるだろうし、SNSって怖い、、、

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